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秋が旬の果物!柿の種類や品種・ブランドごとに異なる特徴と食べ方をご紹介!
今回は、ぶどうや梨と並んで、日本秋を彩る美味しい果物である『柿』について解説します。
柿は、そのまま食べられる甘柿をイメージする方が多いのですが、渋柿と呼ばれるものもあるなど、大きく二つの種類に分けることが可能です。そして、スーパーなどでも手軽に購入することができる柿については、さまざまな品種・ブランドがあって、産地や品種ごとに味が変わります。あまりイメージにないかもしれませんが、柿は多様な楽しみ方ができる果物でもあるのです。
そこで当コラムでは、日本人にとっても非常になじみ深い果物の一つである『柿』について、意外に知らない人が多い柿の豆知識や品種ごとの特徴についてご紹介します。
柿の豆知識について
それではまず、柿の豆知識をいくつかご紹介してみます。柿が好物で、秋になるとたくさんの柿を食べているという方でも、意外に知らない場合があるので、トリビアとして覚えておきましょう。
柿の旬について
まずは、柿が美味しく食べられる「旬」の時期についてです。
冒頭でご紹介したように、柿はぶどうや梨と並んで、秋のフルーツというイメージが強いと思います。実際に、柿の収穫時期は9月〜11月にかけてで、夏が終わり気温が下がり始めると、スーパーなどでも手に入れられるようになります。
秋の時期になると、通販サイトなどでもたくさんの柿が出品されますので、全国の珍しい品種を手に入れることができるようになります。柿が好きな方は、9月~11月にかけてネットで探してみるのも良いのではないでしょうか!
甘柿と渋柿の違いとは?
柿に関する豆知識について、誰でも気になる問題はこれなのではないでしょうか?同じ柿なのに、甘くて美味しい物と渋くてそのまま食べられない物があるのはとても不思議ですよね。甘柿と渋柿の違いについては、農林水産省の公式サイト内でも紹介されていますので、それを引用します。
柿は甘柿(「富有」や「次郎」等)と渋柿(「西条」や「愛宕」等)に大別されます。
柿の渋みのもとは水溶性タンニンで、これが口の中で溶けると渋く感じます。甘柿も幼果のときには渋みがありますが、収穫時になるとタンニンが「水溶性」から「不溶性」へ変化するため、渋みがなくなります。また、渋柿はアルコールや炭酸ガスを使って処理(渋抜き)することで、タンニンが「不溶性」に変化して甘くなります。干し柿にしても渋みは抜けます。
引用:農林水産省サイトより
これからも分かるように、柿に含まれるタンニンという成分で、甘柿と渋柿という違いが出ます。ちなみに、美味しい柿を見分けるポイントは、次のような点を確認しましょう。
- ・ヘタと果実の間にすき間がない
- ・ヘタがきれいな緑色をしている
- ・全体が色づいている
- ・持ったときに重みを感じる
- ・皮に張りとツヤがある
- ・硬すぎず、柔らかすぎず、硬さが均一である
なお、どのような柿を美味しいと感じるかは、個人差もありますので、食感などについては自分好みの柿を選ぶのがおすすめです。
柿の保存方法について
柿は、ある程度の歯ごたえを維持したい果物ですので、直射日光が当たらない場所で、常温保存するのがおすすめです。ただ、追熟が進み、柔らかくなってきたら、柿が傷みやすくなるので冷蔵庫で保管するようにしましょう。冷蔵庫に移せば追熟が止まります。
なお、柿を長持ちさせたいときには、ヘタを乾燥させないようにするのがコツです。キッチンペーパーなどをヘタを覆える程度に折り畳み、水で濡らしましょう。そして、濡らせたペーパーをヘタ部分に当てて冷蔵庫で保管すると、通常よりも長く保存することが可能です。キッチンペーパーは、2日ほどで乾きますので、小まめに濡らす必要があります。また、ペーパーを当てるのはヘタの部分だけで、可能な限り実に触れないようにしましょう。
関連:柿を硬いまま保存するにはどうすれば良い?柿は保存方法次第で1カ月以上美味しく保てる
柿の種類とそれぞれの特徴
それではここからは、全国で栽培されている柿について、品種・ブランドごとの特徴について簡単にご紹介していきます。
柿は、ぶどうと異なり、品種の違いで明確に見た目が変わるなんてことが少ないため、品種やブランドに注目する方は少ないかもしれません。ただ、柿にもさまざまな品種・ブランドが存在していて、どの品種の柿を購入するのかで楽しみ方は変わると言われています。
ここでは、代表的な柿の品種について、それぞれの特徴をご紹介します。
富有柿
富有柿は、「甘柿の王様」と呼ばれる、柿の代表的な品種です。岐阜県が原産となる品種で、ふっくらと丸みのあるフォルムをしていて、食べると爽やかな甘さとシャキシャキとしっかりとした歯ごたえがあるのが特徴です。硬くて甘い柿が好みという方には非常におすすめできる品種です。
富有柿の食べ方としては、当然、生のまま歯触りや爽やかな甘さを楽しむのも良いのですが、追熟させ柔らかく完熟したものを、冷凍してシャーベット状の柿として楽しむのもオススメです。また、柿ジャムや柿チップスに加工したものも非常に人気です。
市田柿
市田柿は、南信州を代表する特産品の柿です。この柿の特徴は、以下のように解説されています。
あめ色の果肉と小ぶりで品のある外観、もっちりとした食感と口に広がる上品な甘さは、市田柿ならではです。
ビタミンA、食物繊維などの栄養素も豊富に含み、また渋柿の中に含まれる渋味成分(タンニン)がポリフェノールの一種であることから、スーパーフードとしても注目を集めています。
引用:JAみなみ信州
自然な甘さで、丁度良い歯ごたえのある柿として人気です。ただ、干し柿として販売されているケースが多いようです。
次郎柿
次郎柿は、柿の中でも高い糖度を持っているのが特徴です。カリコリと柿特有の食感を楽しめるうえ、15度以上の糖度があることから、強い甘さも楽しむことができます。ちなみに、11月下旬ごろになると、糖度が20度を超えるような物もあるそうです。
柿は、独特の歯ごたえを好む方が多いのですが、次郎柿は、暖かい場所にしばらく置いておくことで、熟度が増して果肉が柔らかくなった所で、トロッとした食感を楽しむ方も多いようです。そのまま食べても非常に美味しい柿ですが、糖度が高いため、スムージーなどにして食べるのもオススメです。その他にも以下のような食べ方が紹介されています。
美味しい食べ方
軟らかくなってしまった柿は、ミキサーにかけるといいです。ヨーグルトに入れたり、牛乳と混ぜたりするとおいしくいただけます。
また、ジャムもおすすめです。ミキサーにかけた柿の半分の重さの砂糖と一緒に鍋に入れ、ゆっくり火にかけます。とろみが出てきたらレモン汁を少し入れて完成です。
この他にも、オリーブオイルと塩を混ぜて作るドレッシングもおすすめです。
引用:JA遠州中央
太秋柿
太秋柿は、富有柿と並ぶ人気があり、富有柿が甘柿の王様と呼ばれるのに対して、太秋柿は甘柿の王女様と称されています。
太秋柿は、まるで梨のような歯触りで、他の柿にはない、『サクサクッ』とした食感が楽しめます。また、しっかりと甘さを持っているのにくどく感じないあっさりとした美味しい柿です。そのため、柿があまり得意でないという方でもおすすめできる品種です。特に、硬い食感を感じる果物が好みという方にはぜひ食べてみてほしい柿です。
太秋柿は種が少なく皮も薄いので皮のまま食べられるのも嬉しいポイントになるのではないでしょうか?柿の中でも栽培が難しいので、流通量が少ない希少な品種です。ネット通販などで見かけた際には、ぜひ購入してみてはいかがでしょう。
富士柿
富士柿は、渋柿の一種で、アルコールで渋抜きされたものが販売されています。愛宕柿などと比較して大形で、果形が富士山に似ていることから「富士柿」と命名されたそうです。
干しあげ商品としても人気の品種なのですが、他の柿と比較すると、かなり大きい品種なので、干しあげ商品となるまで大変時間がかかり、1月頃より販売され始めるのが特徴です。
変わった食べ方としては、ラップで包み、冷凍してシャーベットにすると一味違った食感を楽しめます。冷凍してヘタの部分をカットすれば、アイスクリームのようにスプーンですくって食べることができます。
横野柿
横野柿は、山口県下関市の竹林に自生していた柿で、今から約280年程前に発見された渋柿の品種です。なんと現在でも原木が残っていて、原木とされる柿の木は天然記念物に指定されているそうです。
横野柿は、果皮は比較的明るいオレンジ色で艶があり、果肉は緻密でしっかりとしているのですが、口に入れると柔らかくとろける感じでとても甘い柿です。物によっては、糖度が20度前後になることもあるそうです。
山口県では、焼酎を利用して渋抜きをしていたのですが、現在ではドライアイスでの渋抜きが主流となっています。なお、横野柿は生産量が少なく、非常に希少な柿品種の一つです。そのため、柿の中でも高級品として扱われています。
平核無(ひらたねなし)
平核無は、地域によっては庄内柿、おけさ柿とも呼ばれます。平べったい形が特徴の柿で、名称の通り種がないので食べやすい柿です。
渋柿ですが、渋抜きして出荷されるので、店頭に並ぶときは甘い柿となっています。栄養が豊富でおけさ柿1個でレモン1個と同じ量のビタミンCが含まれます。またポリフェノールは赤ワインの10倍、お茶の30倍含まれています。
平核無は、シンプルに皮を剥いて食べるのがおすすめですが、柔らかくなったものは柿ジャムに・冷凍したカット柿と牛乳(豆乳)でスムージーするなど、さまざまな楽しみ方があります。
蜂屋柿
蜂屋柿は、干し柿の王様と呼ばれているなど、古くから年末年始に食べる高級嗜好品とされている、干し柿向きの品種です。
岐阜県美濃加茂市で伝統的につくられる干し柿の『堂上蜂屋柿』は、平安時代から伝えられる昔からの製法が現在でも採用されており、「食の世界遺産」にも認定されているそうです。
参考:JAめぐみの
みしらず柿
みしらず柿は、福島県会津で栽培されている渋柿で、とても食味がよく、毎年皇室へも献上されています。ちなみに、みしらず柿を漢字で書くと「身不知柿」となるのだそうですが、この名前の由来は、以下の3つの説があるそうです。
- ①枝が折れそうなほどにたくさんの大粒の実をつけること(身の程知らずな柿)であるため。
- ②この柿を将軍に献上したところ、「未だかかる美味しい柿を知らず(これほど美味しい柿は初めて食べた)」と大いに賞賛されたから。
- ③あまりに美味しいので我が身も考えずに食べすぎてしまう柿だから。
みしらず柿のあまりの美味しさが名前の由来になっていると聞くと、一度は食べてみたいと思うのではないでしょうか?なお、渋柿ですが、出荷前に焼酎やガスで渋抜きがされ、とても甘い柿になります。
参考:JA会津よつば
紀州てまり柿
てまり柿は、早秋と大秋という品種を掛け合わせて作られた柿の品種です。一般生産者に向け販売が開始されたのは、2018年12月と、まだ非常に新しい品種です。
てまり柿の特徴は、なんといってもその大きさで、手まりに例えられるほどの丸くて大きい実は400g級になるものもあるそうです。果汁がたっぷりで食味も良く、平均糖度は15〜16度と柿の中でも強い甘みを持っています。
百貨店などでも取り扱われていて、贈答品としても人気の柿ですので、一般的な柿と比べると数倍以上の価格帯になってしまうのが難点かもしれません。
参考:紀州てまり柿の詳細
まとめ
今回は、ぶどうや梨と並んで、秋を彩る果物の代表『柿』について解説しました。記事内では、さまざまな柿品種について、それぞれの特徴をご紹介していますが、正直この記事内でご紹介した以外にも多くの柿品種が存在しています。実は、柿の品種は1000種類以上も存在すると言われていて、それぞれの柿によって、食感や味の楽しみ方が異なるのです。
柿は、非常に栄養価も高い果物の一つですので、単なるデザートとして食べるのではなく、健康のために定期的に食べる果物としてもとてもおススメです。全国各地で、いろいろなブランドの柿が栽培されていますので、この秋は自分好みの柿の品種を探してみてはいかがでしょうか?