今回は、ぶどうに含まれている栄養素として有名なポリフェノールについて解説します。健康に興味を持っている方であれば、ポリフェノールがどのような物で、どういった効果が期待できるのか良く知っていると思います。しかし、単にぶどうの味が好きだから食べているという方からすれば、「ポリフェノールが含まれているから何なの?」と言った疑問を持ってしまうことでしょう。

そこでこの記事では、ぶどうの代表的な栄養素であるポリフェノールについて、その種類や期待できる健康効果について解説します。

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ポリフェノールとは?

それではまず、ポリフェノールがどういった物質なのかについて解説します。皆さんも、ポリフェノールという名称自体は耳にしたことがあると思います。しかし、これがどういった成分なのか、正確にその意味を知っている方は少ないのではないでしょうか?

ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分であり、なんと自然界には5,000種類以上ものポリフェノールがあるとされています。このポリフェノールが注目されているのは、抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用を持っているからです。人の健康を考えた場合、動脈硬化など生活習慣病の予防に役立つと言われています。

ポリフェノールは、ビタミンCやビタミンEと同様に強い抗酸化作用を持っているのですが、それ以外にも、ポリフェノールの種類によって、独自の機能を持っていると言われています。なお、ポリフェノールは、水に溶けやすい性質があるため、比較的短時間で作用する反面、効果が長時間持続しないのが特徴です。そのため、健康のためにポリフェノールの摂取を考えている場合、毎日小まめに摂取する必要があります。

代表的なポリフェノールの種類

多くの方は、ポリフェノールは、一つの栄養素と考えていると思います。しかし実は、ポリフェノールにもいろいろな種類があり、ポリフェノールは化学構造の違いによって、人への健康効果も変わるのです。

なお、代表的なポリフェノールと言えば、次のような物となります。

  • ・アントシアニン
  • ・カテキン
  • ・カカオポリフェノール
  • ・ルチン
  • ・フェルラ酸
  • ・コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)
  • ・クルクミン
  • ・ショウガオール

アントシアニンやカテキン、カカオポリフェノールは皆さんもよく耳にすると思います。しかし、それ以外のものについては、初めて耳にした…というものも多いのではないでしょうか?

ポリフェノールの健康効果とは?

それではここから、ポリフェノールを摂取することで、どのような健康効果が期待できるのかについてみていきましょう。

アントシアニン

アントシアニンは、ブルーベリー、ナス、紫芋などに多く含まれているポリフェノールの一種で、植物が紫外線などの有害な光から実(身)を守るために蓄えられる青紫色の天然色素です。

このアントシアニンは、視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防などの効果が期待できるとされています。アントシアニンが視力や視覚機能に好影響を与えるのは、網膜に存在するロドプシンというタンパク質が、アントシアニンによって再合成が促され、機能改善が期待できるからだそうです。

カテキン

カテキンは、お茶のCMで耳にする機会が多いと思いますが、実はポリフェノールの一種なのです。カテキンは、昔からタンニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分です。

このカテキンは、次のようなさまざまな健康効果が期待できるとされています。

  • ・抗酸化作用
  • ・抗ウイルス作用
  • ・抗ガン作用
  • ・コレステロールを下げる作用
  • ・血糖の上昇を抑える作用
  • ・殺菌作用・抗菌作用
  • ・虫歯・口臭予防
  • ・肥満予防

カカオポリフェノール

カカオポリフェノールも、チョコレートのTVCMで耳にする機会が増えていますね。カカオポリフェノールは、チョコレート・ココアの原料であるカカオ豆に含まれるポリフェノールの事で、次のようなさまざまな効果が期待できると言われています。

  • ・血圧低下
  • ・動脈硬化予防
  • ・美肌効果
  • ・アレルギーの改善

ルチン

ルチンは、そばなどに含まれるポリフェノールのフラボノイド化合物の仲間で、ビタミンPと呼ばれています。

ルチンは、強力な抗酸化作用を持っていて、心臓疾患や動脈硬化、高血圧など、生活習慣病の予防に役立ちます。また、高血圧の改善や血糖値の回復作用なども期待できるポリフェノールの一種です。

イソフラボン

イソフラボンは、大豆の「えぐみ」成分の一つと言われていて、ダイズイン、ゲニスチン、グリシチンなどの成分の総称です。

大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをする成分で、更年期症状の緩和が期待できるとされています。40~50代に入ると、女性ホルモンの分泌が低下して、めまいや耳鳴り、ほてりなどの症状が現れると言われているのですが、大豆イソフラボンを摂取することで、こういった症状の緩和が期待できるそうです。

コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)

コーヒーには、クロロゲン酸というポリフェノールの一種が含まれているのですが、これがコーヒーポリフェノールと呼ばれます。コーヒーに含まれる成分では、覚醒・興奮作用のある「カフェイン」が有名ですが、実はこれよりも多く含まれているのがポリフェノールなのです。

コーヒーポリフェノールは、脂肪の消費量がアップすることで、内臓脂肪が低減が期待できるとされています。

主なポリフェノールとポリフェノールが多く含まれる食品

普段何気なく口にしている食べ物に多くのポリフェノールが含まれている場合もあります。ここで、意識してポリフェノールを摂取できるよう、代表的なポリフェノールが含まれている食品について一覧でご紹介します。

  • ・アントシアニンが含まれる食品:赤ワイン、ブルーベリー、なす、カシス、ブドウ
  • ・カテキンが含まれる食品:緑茶、紅茶
  • ・カカオポリフェノールが含まれる食品:ココア、チョコレート
  • ・ルチンが含まれる食品:そば、かんきつ類、玉ねぎ
  • ・フェルラ酸が含まれる食品:玄米
  • ・イソフラボンが含まれる食品:豆類
  • ・クルクミンが含まれる食品:ターメリック
  • ・ショウガオールが含まれる食品:生姜
  • ・コーヒーポリフェノールが含まれる食品:コーヒー

それぞれの食品にどれぐらいのポリフェノールが含まれているのかについては、グラフ化した資料を見つけたので、以下に引用します。

引用:コスモ薬局グループ食通信より

上のグラフは、食品100g、飲料100ml当たりポリフェノール含有量(mg)となります。

まとめ

今回は、ぶどうにも含まれている栄養素であるポリフェノールについて、この栄養素が一体どのような効果が期待できるのかについて解説しました。記事内でご紹介したように、ポリフェノールにもさまざまな種類があり、何を摂取するのかによって期待できる健康効果が変わりる点は注意しましょう。

なお、ポリフェノールの摂取量については、1日あたりのポリフェノールの摂取量について厳密な基準はありません。ただ、ポリフェノールが目的だとしても、他の成分が含まれていますので、同じ食品の過剰摂取はあまり好ましくないと考えましょう。

ポリフェノールは、比較的短時間で作用するものの、効果が長時間持続することはないので、毎日小まめに摂取するようにするのがおすすめです。