日本の秋の味覚というイメージが強い『柿』ですが、ハウス栽培なども盛んになった現在では、7月頃から柿を楽しむことができるようになっています。ただ、一般的には9月から12月頃に楽しめるフルーツと考えても良いでしょう。

鮮やかな橙色の果実は、口の中に含むとふくよかな甘みが広がり、シャキシャキとした独特の食感も楽しむことができるため、幅広い世代から愛されているフルーツと言えます。日本では、なんと奈良時代から栽培されているほど歴史が古く、実は世界共通の学名にも「kaki」という日本語の表現が含まれている日本人にとって非常になじみ深いフルーツなのです。

柿は、産地や品種、熟し具合によって味わいがさまざまで、食べれば食べるほどその奥深さが感じられるのも魅力の一つだと言われています。そこでこの記事では、これから本格的な旬を迎える柿について、美味しさをできるだけ長持ちさせるための保存方法を解説します。

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柿の食べごろとは?

「柿の食べごろとは?」という点についてですが、やはり個人個人に好みというものがありますので、なかなか一概に「○○の状態が食べごろ」とは言いにくいのも事実です。ただ、一般的には、シャキシャキと硬めの食感が柿の特徴と言われていますし、この食感が残っている状態が一番の食べごろと言っても良いでしょう。9月頃になると、スーパーなどにも柿が並び始めますが、購入後、自宅で常温保存しておくと、2~3日ほどで実が柔らかくなり、シャキシャキと言った食感を楽しめなくなります。(※買った時の状態にもよります。)

もちろん、「柿は柔らかく熟れてからが美味しい」など、シャキシャキではなく柔らかい食感が好みの方も少なくありません。また、柿の食感は品種によっても異なりますので、全ての品種の柿の食べごろを統一的に決めるのは非常に難しいです。
ただ、スーパーで販売されている、一般的な柿であれば、購入から3日までがシャキシャキ食感を楽しめる食べごろと覚えておくと良いでしょう。

冷蔵保存なら食感を長持ちさせられる

上述しているように、常温保存の場合、柿は購入から3日ほどで熟れてきて実が柔らかくなります。そのため、シャキシャキ食感が好みという方の場合、急いで食べなければ…と焦りの気持ちがわいてしまうかもしれませんね。

ただ、涼しくて直射日光が当たらない場所で保存すれば、硬い柿の場合、1から2週間程度は日持ちさせることができます。特におすすめなのは、冷蔵庫での保存です。果物の中には、冷蔵保存では品質劣化の恐れがあるため、常温保存が望ましいものが多いです。しかし、柿の場合は、冷蔵保存の方が適しているのです。

注意が必要なのは、柿の品種や購入した時点での状態によって、日持ちする日数が変わる点です。前述した1~2週間というのは、あくまでも「硬い柿」を購入した場合の話ですので、実際に食べごろは日数だけでなく見た目や感触なども合わせて確認してください。

ヘタを湿らせることでシャキシャキ食感が長持ち

柿は、贈答品としても人気のフルーツなので、一度にたくさんの柿をいただくケースも少なくありません。このような場合、シャキシャキ食感を長持ちさせることができないし、ご近所さんに配ってしまおうと考える人も多いかもしれませんね。

しかし実は、冷蔵庫に入れて保存する際、少し工夫するだけで柿のシャキシャキ食感を保ったまま、1カ月以上も保存することができると言われているのです。その方法は、非常に簡単で「柿の”へた部分”を湿らせておく」だけです。とても簡単なひと工夫ですが、これをしておくだけで、しないのと比較すると、シャキシャキのまま保存できる日数が最大で3倍近くも伸びると言われています。

へた部分を湿らせる保存方法について、非常にわかりやすく説明してくれているページが、レシピサイトにあったので、ご紹介しておきます。

  • ①柿のヘタの大きさに合わせてテッシュを折たたみ、水で濡らして軽く絞りヘタの部分にあてる(なるべく実につかないようにする)
  • ②ラップで隙間のないようにグルグル巻きにする
  • ③ヘタの部分を下にして、ビニール袋に入れて口を束ねてねじり縛る
  • ④冷蔵庫に入れる

へたの部分にあてる湿ったものについては、キッチンペーパーなど、ご家庭にある物を利用すればOKです。なお、湿らせても数日で乾燥するので、小まめに紙を湿らせるのがポイントです。乾燥すると柿の追熟が進み、実が柔らかくなります。小まめに乾燥のチェックなどを行っていれば、1カ月ほどはシャキシャキ食感を維持することができます。

参照:クックパッド

柿は冷凍でも保存できる?

上述したように、柿のシャキシャキ食感を長持ちさせたい場合、水を含ませたキッチンペーパーもしくはティッシュを小さく折りたたみ、へたを包み、1個ずつポリ袋に入れて冷蔵保存するのがおすすめです。これは、柿がヘたの部分から水分が蒸発するからです。湿らせたキッチンペーターなどをあててヘタを下むきにすることで、水分がキープできるため、柿特有のシャキシャキ食感が長く保てるわけですね。

それでは、さらに長持ちさせたいと考えた場合、冷凍庫で保存することはできるのでしょうか?フルーツの中には、冷凍保存が向かないものも多いのですが、柿はどうでしょう?

柿は冷凍保存もOK

柿は、冷蔵だけでなく、冷凍保存することも問題なく可能です。

例えば、柿の皮を剥いて食べやすいサイズにカットしてから冷凍保存すれば、冷凍庫から出してすぐに食べることもできるので、とても便利です。さらに、皮を剥かずに、そのままフリーザーバッグに入れて冷凍保存すれば、最長で2カ月程度は風味をキープしてくれると言われています。

まるごと冷凍した柿は、へた部分を切り落としてから、スプーンでアイスのように食べることもできるので、お子様のおやつにちょうど良いですよ!

追熟を進めたいならリンゴと一緒に保存するのがおすすめ

ここまでは、柿特有のシャキシャキ食感を長持ちさせるための保存方法をご紹介しました。ただ、柿の好みは人それぞれで、熟して柔らかくなった柿を好む方も少なくありません。

それでは、青みがかったまだ硬い柿を早く食べたいと思った時には、どうすれば良いのでしょうか?実は、柿はリンゴと一緒に保存しておくと追熟が進み、早く実が柔らかくなるのです。柿の追熟は、エチレンガスの働きによって進むのですが、りんごは果物のなかでもエチレンガスを多く発生させるという特性を持っています。もちろん、柿自身もエチレンガスを発生させますので、リンゴと一緒にビニール袋などに入れておけば、より早く追熟が進みます。

したがって、柔らかく熟した柿が好みという方は、リンゴと一緒に保存するという方法を試してみてはいかがでしょう。

まとめ

今回は、柿を長持ちさせるための保存方法について解説しました。この記事では、シャキシャキ食感を長持ちさせる方法について解説していますので、ぜひ今年から試してみてはいかがでしょうか?

田中ぶどう園では、ぶどうだけでなく、柿やミカンなど、秋~冬にかけてのフルーツも栽培しています。旬の時期は、直売所などでリーズナブルな価格で販売も行っていますので是非お越しください。