日本の冬に欠かせない果物と言えばみかんですよね。みかんは、皮を剥くだけで手軽に食べることができ、ビタミンCなど豊富な栄養素が含まれていることから、風邪やインフルエンザの予防にも効果的な食べ物と言われています。そのため、冬になると大量のみかんを箱買いして、毎日数個ずつ食べているという方は多いのではないでしょうか?

それでは、みかんを食べた後の『皮』は皆さんどのような扱いをしているでしょうか?ほとんどの方は、燃えるゴミや生ごみとして廃棄していると思うのですが、実はみかんの皮は捨てなくてもいろいろなところで活用することができるのです。特に、2023年も12月に入り、「そろそろ大掃除が必要かな?」とお考えの方については、みかんの皮が大掃除に活用することができることを知っておくべきでしょう。

この記事では、意外に知られていないみかんの皮の活用方法について解説したいと思います。

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みかんの皮を活用する時の注意点について

みかんの皮は、捨てる前に色々なことに活用することができます。ただ、実際に活用する時には、いくつかの注意点がありますので、以下のポイントは注意してください。

みかんの皮は、国産のみかんだけを使う

一つ目の注意点は、みかんの皮を何らかの用途に活用したいと思った時には、「国産」のみかんの皮のみを使用するというポイントです。

というのも、輸入品となる外国産のみかんについては、長時間の輸送が必要になることから、それに耐えられるよう、大量の農薬が皮の上からかけられている場合があるのです。したがって、外国産のみかんの皮を何らかの用途に使用した時には、表面の農薬まで使用してしまうことになります。国産のみかんは、農薬の基準などが厳しく設けられているため、安全に皮を活用することができます。

農薬が気になる場合はお湯で洗う

みかんを皮ごと調理して食べるという場合は、無農薬で栽培されたみかんを使用するのがおすすめです。ただ、無農薬のみかんは、なかなか手に入りませんし、多くの場合はスーパーなどで購入すると思います。こういったみかんは、農薬が必ず使用されていますので、その農薬が気になってしまう方がいるでしょう。

みかんの農薬が気になる場合、お湯を使って表面を洗ってあげると良いです。そうすると、みかん表面の農薬を綺麗に洗い流すことができます。

みかんの皮活用術① お掃除に活用する

みかんの皮は、お掃除に活用できるというのは皆さんご存知でしょうか?実は、さまざまな汚れを落とすのに役に立つ成分が含まれていて、大掃除の時期には大活躍するのです。最近では、オレンジオイルが含まれた洗剤が市販品でも多く販売されていますし、「みかんの皮も使えるのかな?」と考えていた人は少なくないのではないでしょうか?

ここでは、これから迎える大掃除の時期に向けて、皆さんが知っておきたいみかんの皮の活用術をご紹介します。

油汚れのお掃除に活用できる!

みかんの皮は、キッチンに付着した油汚れのお掃除に大活躍します。まずは、以下の手順でみかんの皮水を作成しましょう。

  • ①3〜4個分ほどのみかんの皮を鍋に入れる
  • ②皮がひたひたになるぐらい水を入れ、10分程度煮る
  • ③みかんの皮を取り出し、みかんの皮水を冷ます

冷ましたみかんの皮水を100均のスプレーボトルなどに入れ、油汚れ落としに活用しましょう。コンロの周辺にはねた油汚れや、魚焼きグリルのべとべと汚れまで、先ほど作ったみかんの皮水で綺麗にすることができます。
使い方は、気になる油汚れ部分にスプレーでみかんの皮水を吹きかけ、後はキッチンペーパーやウエスなどで拭きとってみましょう。そうすれば、皆さんが考えている以上にスッキリ綺麗になります。

床の掃除に使うと、ワックス掛け下みたいに!

先ほどご紹介したみかんの皮水は、フローリングのお掃除に使用すると、ワックスをかけたみたいにピカピカにすることもできます。

みかんの皮には、艶出し効果がある成分が含まれていますので、それを煮出したみかんの皮水は、ワックスのような効果が期待できるのです。活用方法は簡単で、フローリングにスプレーでみかんの皮水を吹きかけ、雑巾などで汚れを拭き取ればOKです。汚れを落とすのとワックスがけ、一度で二つの効果が得られます。

電子レンジの臭い消しに活用できる

電子レンジは、温めるものによって強いニオイが残ってしまい、それに悩んでいる方は多いと思います。実は、みかんの皮は、この電子レンジ内の臭い消しに活用することができるのです。

方法も非常に簡単で、ニオイが残った電子レンジの中に、みかんの皮を置き、600Wで2分ほど加熱しましょう。そうすると、みかんの皮から水蒸気が出て、レンジ内の臭いを消して、爽やかな柑橘の香りにしてくれます。その後、キッチンペーパーなどで電子レンジ内を拭けば、油汚れなども綺麗にできるので、一石二鳥です。

みかんの皮活用術② 乾燥させて入浴剤や肥料に活用する

みかんの皮は、乾燥させてから、入浴剤として使用して香りを楽しむなんて使い方もできます。柑橘類は、丸ごとお風呂に浮かせて使用するなんて場合もあるなど、お風呂との関連性が意外に高いです。もちろん、みかんは丸ごとお風呂に浮かせるなんて使い方をするケースは少ないのですが、食べた後のみかんの皮を乾燥させることで、さまざまな活用方法が広がるのです。

まずは、食べた後のみかんの皮について、乾燥させて水分を飛ばしましょう。時間に余裕があれば、風通しの良い日陰で1週間ほど干すと良いです。すぐに使用したい場合は、みかんの皮を電子レンジで加熱(600Wで3分程度)して乾燥させるでも良いです。みかんの皮を乾燥させるときには、様子を見ながらみかんの皮がパリパリになるまで待ちましょう。

入浴剤として利用する

みかんの皮を乾燥させれば、入浴剤として活用できるようになります。なお、乾燥させたみかんをそのまま湯船に浮かせると、みかんの皮がバラバラになってゴミが浮いたような湯船になるので、目の細かい薄手の洗濯ネットなどに入れてから湯船に入れましょう。

みかんの皮を湯船に浮かせると、柑橘類特有の爽やかな香りが浴室に広がり、リラックスできる空間になります。なお、みかんの皮は、敏感肌の方には合わない可能性があるので、何らかの違和感を感じた時には、すぐに湯船から出て、シャワーなどで洗い流しましょう。

肥料として活用する

乾燥させたみかんの皮は、家庭菜園やプランターを使ったベランダ菜園で活用することができます。みかんの皮を細かく砕き、菜園の土に混ぜ込むことで、肥料として働いてくれるのです。

なお、みかんなど、柑橘類の香りは、アブラムシ除けにも効果があると言われていますので、ベランダで野菜を育てている人にとっては非常にありがたい効果になると思います。

みかんの皮活用術③ みかんを皮ごと食べる

最後は、みかんの皮を「そのまま食べる」という活用方法です。一般的には、みかんの皮は剥いて食べるものというイメージが強く、「皮ごとはちょっと…」と気が引けてしまう人が多いと思います。ただ、みかんの皮は、乾燥させることで「陳皮(ちんぴ)」と呼ばれる漢方としても活用されているのです。みかんの皮は、漢方薬になるほど栄養素が豊富に含まれているという意味ですので、可能であれば皮ごと食べるのがおすすめです。

ただ、なんの加工もせずにそのままみかんの皮を食べるのはなかなか難しいですし、美味しくないのできちんと調理する必要はあります。ここでは、みかんを皮ごと食べるための工夫についていくつかご紹介します。

陳皮茶としていただく

一つ目は、漢方として楽しむという方法です。先ほどご紹介した方法で、みかんの皮を乾燥させれば、「陳皮(ちんぴ)」と呼ばれ、漢方としても使用されるものとなります。そして、これにお湯を注げば、「陳皮茶」として楽しむことができるようになります。陳皮茶は、弱った胃腸を助ける働きがあると言われています。

なお、陳皮茶は、そのまま飲むと柑橘の香りがするお茶なので、お好みで生姜やハチミツなどを加えてみるのも良いのではないでしょうか。

みかんを丸ごと焼く「焼きみかん」

みかんは、オーブントースターやグリルなどで丸ごと焼けば、焼きみかんとして皮ごと美味しく食べられます。表面にこんがり焦げ目がついたら食べごろです。

みかんは、火を入れることで、皮の苦みや渋味が消えますので、皮ごとでも美味しく食べることができます。また、果実についても、焼くことで平均糖度が1%ほど高くなるなど、より甘くなると言われています。ただ、もともと甘みが強いみかんは、味がぼやけてしまう恐れがあるため、酸味が強いみかんをよりおいしく食べる方法という側面が強いです。焼きみかんの作り方は、以下のサイトで詳しく解説されているので、そちらもご確認ください。

参考:三ヶ日みかん公式サイトより

みかんの皮で作る「みかんピール」

最後は、みかんの爽やかな香りと皮が持つ独特なほろ苦さを楽しめる「みかんピール」です。みかんの皮を活用するレシピでは、みかんピールが非常に有名で、大手レシピサイトなどにもたくさんのレシピが並んでいます。簡単に言うと、みかんの皮の砂糖漬けのことなのですが、そのままおやつとして食べるのも良し、スイーツのアクセントに使うでも良しなど、さまざまな活用用途があるのでおすすめです。

みかんピールの作り方については、レシピサイトに手順が乗っていますので、そのリンクをご紹介します。作ってみたい方は、以下のレシピを参照しましょう。

参考:みかんピールの作り方

まとめ

今回は、冬が旬の果物として有名なみかんについて、みかんの皮の活用方法について解説しました。みかんは、日本の冬を彩る果物としてリンゴと並んでトップクラスの人気を誇っています。毎年冬になると、こたつに入ってみかんを食べるのが当たり前になっているという方は非常に多いはずです。

それでは、みかんを食べる時に出てくる「みかんの皮」は皆さんどのように扱っているでしょうか?一般的に、みかんを食べる時には、皮を剥いて果実だけを食べる方が多く、みかんの皮は「食べられない部分」として捨てられています。この記事を読んでいただいた方の多くも、今までは、何も考えずにみかんの皮を捨てていたという方が多いことでしょう。

しかし実は、みかんの皮は、ちょっとした工夫を加えることで美味しく食べることもできますし、さらにお掃除やお風呂のリラックスアイテムとして活用することも可能な非常に便利なものなのです。みかんの皮の活用については、特別なアイテムを用意する必要もありませんし、本当にちょっとした工夫を凝らすだけで非常に便利に使うことができるようになります。これから年末に向けて、お家の大掃除を始める方が多いと思いますが、そのような時にもみかんの皮がとても活躍しますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか!