今回は、意外に知られていない果物の豆知識として、あまり良くないとされている果物の食べ合わせや組み合わせをご紹介します。

果物は、食事のデザートやおやつなどとして食べられるだけでなく、近年ではスムージーやフルーツジュースなど、健康目的に取り入れている方も増えています。果物は、単に美味しいだけでなく、さまざまな栄養素を含んでいることから、毎日の食卓で適量の果物を摂取するだけで、生活習慣病の予防など、さまざまな健康効果が期待できるとされています。実際に、果物の摂取は、国も推奨しており、現在では「毎日くだもの200グラム!」と名付けられた運動が農林水産省などでも推奨されています。

ただ、果物の中には、特定の食材との食べ合わせ、組み合わせが良くないとされるものも多く、中には間違った食べ合わせをするだけでお腹を下してしまう…なんてこともあるとされているのです。そこでこの記事では、果物好きの方もそうでない方も、皆さんが知っておきたい果物のオススメできない組み合わせをご紹介します。

果物は良くない組み合わせがある

それでは意外に知られていない、果物の良くない組み合わせについて解説します。果物は、食後のデザートとして食べる機会が多いですし、良くない組み合わせがあると聞くと、少し驚いてしまう…という方もいるかもしれませんね。もちろん、食べ合わせ次第で『毒』になる…とまではいかないので安心してください。

しかし、場合によっては美味しく食べられなくなる…、お腹を下してしまう…など、意外にデメリットが大きい組み合わせもあるので、しっかりと押さえておきましょう。

牛乳(乳製品)と組み合わせるのが良くない果物がある

果物と牛乳は、非常に相性の良い組み合わせと考えている方が多いと思います。実際に、フルーツジュースやミックスジュースを作る際には、必ず牛乳が水分として使われているようなイメージがあります。しかし実は、牛乳と組み合わせるのがオススメできない果物も少なくないのです。例えば、以下のような果物は、牛乳との組み合わせが良くないとされています。

  • ・パイナップル
  • ・パパイヤ
  • ・メロン
  • ・キウイフルーツ

上で紹介した果物については、どれも牛乳との組み合わせが悪いようには思えないかもしれませんね。しかし、これらのフルーツと牛乳を組み合わせるのは注意が必要です。

上で紹介した果物には、それぞれブロメリン、パパイン、ククミシン、アクチニジンというたんぱく質分解酵素が含まれています。そして、これらの成分は、牛乳などの乳製品のたんぱく質を、ペプチドと呼ばれる成分に分解してしまうのです。ペプチドは、強い苦みのある成分として有名です。
つまり、先ほど紹介した果物と牛乳を組み合わせた場合、果物本来の美味しさが失われ、苦みを感じるようになってしまう訳です。なお、タンパク質の分解速度は、熟れ具合によって変わり、果物と乳製品を組み合わせると、混ぜた直後から30分くらいで苦みが出るとされています。牛乳以外では、ヨーグルトに果物を混ぜて食べる場合も多いですが、その際も注意しましょう。
混ぜてすぐに食べれば苦みを感じずに食べられますので、乳製品と組み合わせる場合は、早めに食べるようにしましょう。

スイカ

夏を代表する果物のスイカは、注意しなければならない組み合わせが二つあります。スイカは、多くの水分を含む果物として有名で、暑い夏場には「水分補給」を目的に食べるという方も少なくありません。栄養素と一緒に水分も補給できる果物なので、まさに夏にピッタリの食べ物と言えるでしょう。

しかし、多くの水分を含むスイカは、ビールやお茶など、利尿作用の強い飲み物との相性が悪いとされているのです。先ほどご紹介したように、多くの水分を含むスイカは、水分補給を目的に食べる人が多いです。しかし、スイカはカリウムを多く含む果物として有名で、このカリウムが利尿作用を持っているのです。そして、そこに同じような利尿作用を持つビールなどの飲み物を組み合わせると、摂取した水分以上に尿として排出してしまう恐れがあり、水分を補給しているのに脱水症状になる…なんてリスクが生じるのです。

また、スイカは、油分の多い食べ物との組み合わせが良くないとされています。これは、水分が多いスイカを食べた場合、胃の中の胃液を薄めてしまう効果があるからです。要は、胃液が薄められ消化能力が落ちてしまうため、油物を食べると、消化しきれずに胃もたれしてしまう可能性があるのです。

イチゴ

次は、果物の中でもトップクラスの人気を誇るイチゴについてです。実は、イチゴは、バナナやキュウリとの組み合わせが良くないとされています。

まずバナナとの組み合わせについてですが、バナナが持つ酵素の働きを、イチゴの酸が妨害してしまうことで、消化に必要以上の時間がかかるようになるとされています。当然、消化に時間がかかれば体に負担がかかってしまうことになります。一説によると、体内にガスが溜まったりするという弊害が考えられるようです。

次は、キュウリについてです。イチゴは、キュウリなどに含まれるアスコルビナーゼ(アスコルビン酸酸化酵素)と呼ばれる酵素との相性が悪いとされています。イチゴは、さまざまな果物の中でも、ビタミンCが非常に豊富な果物として有名です。しかし、アスコルビナーゼは、このイチゴのビタミンCを破壊してしまうとされているのです。したがって、ビタミンCを目的にイチゴを食べようと考えている人は、アスコルビナーゼを含む食品と組み合わせないようにしましょう。アスコルビナーゼは、バナナやリンゴにも含まれていますので、フルーツサラダを作る際は注意が必要です。

※近年では、アスコルビナーゼにより一度破壊されてしまっても、体内で再びビタミンCに戻るという実験データもあるようです。

バナナ

次は、大衆フルーツの代表バナナです。バナナは、単に味が良いフルーツとしてだけでなく、栄養価が高く安価に購入できる点から、その他の果物と比較しても、特に身近に感じるという方が多いのではないでしょうか?中には、毎日の朝食としてバナナを食べているという方も多いかもしれません。

実は、特に口にする機会が多いと考えられるバナナにも、あまり良くないと言われる組み合わせがあります。バナナと食べ合わせが悪いと言われているのは、所謂スロー食材と言われる、消化に時間のかかる食材たちです。例えば、以下のような食べ物はあまり良くないとされています。

  • ・小麦粉(パン)
  • ・肉魚
  • ・ナッツ

バナナは、消化が早いファスト食材と言われていて、消化に時間がかかるスロー食材との組み合わせが良くないのです。消化スピードが異なるものを一緒に食べると、長時間胃腸が働き続けなければならなくなるため、体の負担が大きくなってしまうとされているのです。

特に注意しておきたいのは、小麦粉とナッツとの相性があまり良くないとい点です。これらの食材は、バナナと組み合わせられる機会が意外に多いです。例えば、バナナのケーキやパンなどを見かける機会は多いですし、ミックスナッツにはバナナのドライフルーツが混ざっていることも多いですよね。体調不良の時や消化機能が弱る夏場などは、こういった組み合わせを控えた方が良いかもしれませんね。

りんご

リンゴは、日本の冬を代表する果物の一つです。サラダなどにもリンゴが使われることも多いですし、デザートとしてだけでなく、食事の中の一品にリンゴが登場する機会も多いですね。

リンゴの注意点としては、他の食品のビタミンCを破壊してしまう酵素が含まれている点です。特に、体に悪影響を与えるような問題を引き起こすわけではないのですが、せっかく摂取できる栄養素が壊されてしまう訳ですので、あまり良い組み合わせとは言えないでしょう。したがって、柑橘類やキウイなど、ビタミンCを多く含む果物との組み合わせは、栄養効果を減らしてしまうという点で良い食べ合わせとは言えないでしょう。例えば、「リンゴ+ビタミンCを多く含む果物」のミックスジュースなどに注意が必要です。

まとめ

今回は、さまざまな果物について、食べ合わせや組み合わせが悪い食品について解説しました。記事内でご紹介した組み合わせについては、意外に知らずに行っていたという方も多いのではないでしょうか?

特に、果物と牛乳やヨーグルトなどの乳製品を組み合わせるという行為は、当たり前のように行っている方が多いと思います。しかし、中には、果物本来の美味しさが失われてしまう場合があるので注意しましょう。
なお、果物の良くない食べ合わせについては、「腹痛」や「嘔吐」などの症状の他、本来得られるはずの栄養素が得られなくなるといったケースがあるので注意しましょう。果物は、健康目的に口にする方が増えているのですが、間違った組み合わせで食べてしまうと、体調不良は起こさないものの、目的が果たせなくなってしまう恐れがあります。