果物を好んで食べる方でも、いざ食べようと思った時に「皮を剥くのがめんどくさい…」「カットするのが面倒だけど、丸かじりはちょっと…」と言った点に不満を感じる場合があります。

こういった時、非常にありがたい存在となるのが、コンビニやスーパーなどで販売されているカットフルーツです。最近では、一人暮らしの人でも、一度に食べられるような少量の果物を皮を剥いてカットしたものが容器に入れて販売されるようになっています。もちろん、果物そのものを購入するよりも割高な価格設定ですが、一人暮らしの場合、食べきれずに廃棄処分してしまう…なんてこともあり、皮を剥く手間もなく適量の果物を手に入れられるカットフルーツの存在は非常にありがたいと感じる方が増えているようです。

ただ、少し気になるのは、皮を剥いてカットされた状態で販売されている果物は、どれぐらい日持ちするのか…という点です。当然、切り口から水分が抜けてしまいますし、皮を剥いていない果物よりも早く傷んでしまうと考えられますよね。
そこで、お世話になっている方も多いと考えられるカットフルーツについて、一般的な賞味期限や長持ちさせるための保存方法などについて解説します。

カットフルーツの賞味期限について

それではまず、カットフルーツの賞味期限について解説します。当然ながら、カットフルーツは、皮がまだ剥かれていないそのままの果物と比較すると、日持ちは悪くなります。ただ、年々カットフルーツの人気が高くなってきた近年では、容器なども工夫が施されるようになっていて、皆さんが考えている以上に日持ちする商品もあります。

ここでは、いくつかの種類カットフルーツについて、一般的な賞味期限をご紹介します。なお、商品や店舗ごとに賞味期限の設定基準が変わりますので、スーパーやコンビニでカットフルーツを購入する際には、必ず容器に記載されている賞味期限を確認してください。

パック入りの場合

スーパーやコンビニなどで見かける機会が多くなっているパックに入っているタイプのカットフルーツですが、このタイプは、加工日から4日間が賞味期限の目安と言われています。注意しが必要なのは、スーパーやコンビニの店頭に並ぶときには、加工から1日が経過している場合がほとんどなので、購入してから翌々日までに食べきる必要があると考えましょう。

最近では、一口サイズにカットしたフルーツをカップなどに入れて販売しているケースも増えていますが、このタイプのカットフルーツは賞味期限が短く、加工日の翌日が賞味期限となっている場合がほとんどです。これは、一口サイズにカットすることで、空気に触れる断面が多くなってしまい、傷むのが早くなるからです、スーパーなどでは、店舗の厨房などでカットして、店頭に並べることができるため、わずか1日の賞味期限しかないカットフルーツでも販売することが可能です。

シロップ漬けカットフルーツ

シロップ漬けカットフルーツは、いわゆる缶詰のフルーツなどを指しています。フルーツ缶詰では、皮を剥いてカットした黄桃などをシロップと一緒に密閉した缶詰に封入して販売しています。缶詰にされたカットフルーツに関しては、密閉した状態で加熱殺菌されるため、容器内は滅菌状態になります。したがって理論上は、何十年も食べられる状態を保てるとされています。ただ、一般的には、2~3年程度の賞味期限が設定されています。

なお、缶詰め状態ではない、シロップ漬けのカットフルーツもありますが、そちらの場合は6~8カ月程度が賞味期限の目安となります。

コンビニのカットリンゴ

最近は、カットしたリンゴを専用の包装に詰めて販売するコンビニなどが増えています。このタイプのカットリンゴは、ビタミンC溶液を使って表面の酸化や変色を防止する対策が施されていて、鮮度が長持ちするようになっています。

鮮度が長持ちする専用のパックが使用されている、添加物によって早期劣化を防止するといった対策が施されているため、通常のカットフルーツよりは賞味期限が長く、加工日から11日程度が設定されている場合が多いです。

カットフルーツの保存方法について

それでは次に、スーパーやコンビニなどで購入したカットフルーツの保存方法をご紹介します。どのような食品でも同じですが、適した保存方法を守らなかった場合、設定されている賞味期限よりも早く傷んでしまうことになります。

ここでは、購入したカットフルーツを少しでも長持ちさせるための保存方法について解説します。

基本は冷蔵庫で保存

果物の保存方法については、「追熟が必要なものは常温で保存」など、全てにおいて冷蔵庫に入れれば良いわけではないと解説される場合が多いです。追熟が不要な場合でも、温暖な地域で栽培される果物は、冷蔵庫で保存することで、低温障害になるなど、逆効果になるものもあるのです。

ただ、カットフルーツに関しては、それ以上追熟するようなことはありませんし、切り口が多く空気に触れる場所が多くなるため、常温で保存した場合には傷むのが早くなってしまいます。したがって、スーパーなどで購入しカットフルーツは、保存容器に入れて冷蔵庫で保存するのが望ましいです。
なお、皮を剥いていない状態の果物は、冷蔵庫に入れる場合「野菜室」に入れる方が良いとされます。しかし、カットフルーツの状態になると、野菜室よりも低温で品質を維持しやすくなる冷蔵室で保存するのが望ましいです。この他、フルーツの中には触れあっている部分から傷んでいくものがありますので、少しでも長もちさせたいと考える場合、容器に入れる際は、一つ一つの果物のピースを離しておくようにしましょう。

なお、カットフルーツは、そのままの状態の果物と比較すると、どうしても傷みやすくなりますので、基本的には「購入後すぐに食べる」という扱いがベストです。

食べきれない場合はシロップ漬けにする

カットフルーツを購入したものの、短期間に食べきれない…なんて場合もあるかと思います。その場合は、自宅でシロップ漬けにして長期保存を可能にするという方法が有効です。上述したように、シロップ漬けにしたカットフルーツは、通常のカットフルーツよりも賞味期限がかなり長くなります。これは、砂糖が持つ食品の保存性を高める性質によるものです。

シロップ漬けにすることで食品が長持ちする詳細は省きますが、簡単に言うと、フルーツに含まれる水分と砂糖が結びつくことで、菌が繁殖するための水分が減少し、傷みにくくなる効果が得られるといった感じです。ヨーロッパなどでは、フルーツを長持ちさせるためにジャムにするといった文化があるのですが、これも大量の砂糖を投入することで、長期保存を可能にしています。ジャムは、単に甘くて美味しい加工食品にする目的ではなく、保存食にするという目的もあるのです。

スーパーなどで購入したカットフルーツをシロップ漬けにする場合、以下のような手順で可能です。

  • ①鍋に砂糖と水を入れて加熱し、シロップ状にする(砂糖1/2カップに対し水1カップの割合)
  • ②密閉容器にカットフルーツを入れ、①で作ったシロップをフルーツ全体が浸かるまで入れる(容器も煮沸消毒しましょう)
  • ③粗熱が取れたら、レモン汁を加えて、蓋をしっかり閉めて冷蔵庫に

上記の手順で簡単にフルーツのシロップ漬けを作ることができます。カットフルーツをそのまま冷蔵庫に入れるよりも長持ちしますし、甘みの少ないカットフルーツに当たった時には、よりおいしく食べることができるようになるでしょう。

冷凍保存する

最後は非常に単純で、冷凍庫に入れて保存するという方法です。どのような食品でも、冷蔵庫で保存するよりも冷凍庫に入れて凍らせておく方が長く保存できます。

なお、冷凍保存する際の注意点としては、カットフルーツをいくつか食べてみて、甘さが足らない…と感じた場合、砂糖を少しまぶして冷凍すると良いでしょう。

冷凍したカットフルーツは、そのまま食べても良いですし、牛乳などと一緒にミキサーにかけたり、炭酸水やお酒の氷として利用するなど、さまざまな活用方法があります。特に、夏場の暑い日のおやつなどとしては非常に重宝するかもしれませんよ。

まとめ

今回は、コンビニやスーパーなどでよく見かけるようになったカットフルーツについて、一般的な賞味期限と保存方法についてご紹介しました。

記事内でご紹介した賞味期限は、あくまでも目安程度に考え、実際には商品に記載されている賞味期限を守るようにしましょう。ただ、カットフルーツは、空気に触れる面積多いため、賞味期限内でも傷むのは早いです。基本的には、調理などに利用するのではなく、そのままフルーツとして味わう場合、購入後数時間以内に食べることが想定されていますので、「数日以上にわたって保存する」ような物ではありません。缶詰などは、長期保存を目的に作られていますが、開封後はそこまで長持ちする物ではないですよね。

どうしても購入したカットフルーツを長持ちさせたい場合、シロップ漬けや冷凍するほかないでしょう。ただ、この場合は、そのままフルーツを食べる味わいとは全く違うものになるので、その点は注意しましょう。