
あんずとすももの違いをご紹介!それぞれの特徴と見分け方
以前、すももと桃の違いをこのサイト内でご紹介しました。すももと桃は「スモモもモモもモモのうち」という言葉遊びがあるなど、同じ果物なのだと考えている方も多いのですが、実は異なるということをご紹介しました。
そして実は、すももとよく似た果物は他にもあり、すももとあんずの違いが分からない、どうやって見分ければ良いのだろうといった声を聞く機会が多いのです。そこでこの記事では、非常によく似た見た目の果物であるすももとあんずの違いをご紹介します。
すももの特徴
まずはすももの特徴から解説します。すももは、似ている果物が多いという点でややこしいと考えている方が多いのですが、実は他の果物との比較を抜きにしてもややこしい果物です。
というのも、日本国内でのすももの呼び方については、「日本すもも」「西洋すもも」「プラム」「プルーン」とさまざまな名称があるのです。一般的に、「すもも」と呼ばれる際は、日本すもものことを指していて、英名では「プラム」のこととなります。西洋すももについては、「プルーン」と呼ばれる紫色の皮に包まれた楕円型のフルーツを指しています。
なお、日本すもも(プラム)と西洋すもも(プルーン)は、おなじすももではあるものの、食べ方などが異なるので、「すもも=プラム=プルーン」という認識を持っていない方も多いです。日本すももと西洋すももの違いについては、以下の点が分かりやすいです。
- ・日本すもも(プラム)
日本すもも(プラム)は、丸型の果物で、縦筋の割れ目があるのが特徴です。この果物は、熟すとピンクや赤色に色づくのが特徴でパッと見では小さな桃に見えることから「スモモもモモもモモのうち」という言葉遊びが作られたのだと思います。ただ、すももと桃は別種の果物で、すももという名称は「酸っぱい桃」から来ているとされています。日本すももは、手で持ってみると表面に産毛などが無くつるりとしているので、桃とは異なる果物なのだということはよくわかると思います。日本では、6~8月頃に旬を迎え、生食用の果物として出回ります。甘酸っぱくて、爽やかな味わいを楽しめるため、気温が高い夏場にはうってつけの果物といえるでしょう。 - ・西洋すもも(プルーン)
西洋すももは、上述したように、紫色の果皮をしていて、楕円形の果物です。見た目からしてプラムとは違いがあるので、非常に分かりやすいです。さらに、日本すももと西洋すももは、食べ方にも違いがあります。日本すももは、生食用として市場に出回るのが一般的なのですが、西洋すももに関しては、生食用ではなく、ジャムやドライフルーツなど加工食品にされたものが出回ります。なお、西洋すももが生食できないというわけではなく、完熟したプルーンは、強い甘みと程よい酸味を持ち、濃厚な味わいを楽しむことができます。なかなか生食用のプルーンは見かけませんが、見つけた時は是非食べてみると良いでしょう。
このように、すももという果物は、それ単体で見ても意外にややこしい存在なのです。プルーンについては、テレビのCMなどでよく見かける健康食品の名前にもなっているため、日本すもも(プラム)の仲間であるという認識がなく、完全に別種の果物というイメージが強いと思います。
しかし実は、どちらもすももであることには違いないのです。
あんずの特徴
それでは次に、あんずの特徴について解説します。あんずは、すももと同じくバラ科サクラ属の落葉小高木で、英名ではアプリコットと呼ばれる果物です。
見た目は、すももによく似ていて、丸形で縦筋の割れ目があるという点は一緒です。ただ、あんずは、表面に産毛がある、果皮はオレンジや黄色に色づくという点が異なります。
あんずについては、「名前は聞いたことがあるけど、どんな果物かは分からない…」という方が多いです。というのも、あんずは生食されることが少なく、ジャムや洋菓子に加工されてから流通することが多いためです。要は、果物としてのあんずを目にする機会が少ないため、「名前は聞いたことがあるけど…」となってしまうのですね。
ちなみに、あんずは絶対に生食できないというわけではなく、生食用に向いた品種も開発されています。信州サワー、ハーフコットと呼ばれる品種で、通常のあんずは酸味が強いのですが、生食できるものは甘みが強くなっています。ちなみに、旬の時期については、すももと同じ時期で、6~7月頃に出回ります。
あんずの栄養素について
あんずは、βカロテンが非常に多く含まれていることで有名です。果物の中では、赤肉メロンに次いで、βカロテンの含有量が多いとされています。
βカロテンは、体内でビタミンAとして働く栄養素で、老化抑制や視力の保持のほか、強い抗酸化作用を持つことで、脳卒中や心筋梗塞の予防にも役立つとされています。このほか、チョコレートなどに含まれている「ギャバ(GABA)」も豊富に含まれているので、脳の活性化を促進して認知予防の効果が期待できるとされています。
あんずとすももの見分け方
あんずとすももは、それぞれの特徴から分かるように、異なる果物です。ただ、あんずは日本すももとよく似た見た目の果実なので、一緒に並べられると「どっちがどっちなんだ?」と迷ってしまう人が多いです。ちなみに、プルーンと呼ばれる西洋すももと比較した時には、果皮の色が大きく異なりますし、果実の形状も異なるため、見分けるのは簡単です。
ここでは、あんずと日本すももを見分けるためのポイントをご紹介します。あんずと日本すももは、以下のように分類しておけば、簡単に見分けることができます。
- ・あんず・・・表面に産毛が生えていて、果皮がオレンジから黄色の果実
- ・日本すもも(プラム)・・・産毛が無く表面がツルツルしている。果皮は赤やピンクに色づいている
このように、果皮の色や産毛の有無であんずか日本すももかは見分けることが可能です。
まとめ
今回は、非常によく似た見た目で、「同じ果物なのではないか?」と認識されてしまいがちなすももとあんずの特徴をご紹介しました。
記事内でご紹介したように、すももとあんずは異なる果物で、その特徴を知っておけば「どっちがすもも(あんず)なんだ?」と迷うことはほとんどないはずです。どちらも初夏に楽しめる果物なので、これから気温が上昇するとスーパーなどでも見かけることができるかもしれませんね。
なお、あんずに関しては、生食用として出回ることが少ないので、どうしても食べてみたいと考える方はネット通販などで購入すると良いでしょう。