
すももとももの違いとは?すももの特徴や選び方もご紹介
皆さんは「すもも」と呼ばれる果物は、初夏を代表する果物の一つ『桃』の仲間という認識を持っているのではないでしょうか?日本には「スモモもモモも桃のうち」という言葉遊びがあることから、「すもも=もも」という認識をしている方が非常に多いです。
しかし、実際にすももを口にしてみた時には、桃を食べた時には感じられない酸っぱさを感じてしまうこともあり「本当に桃の仲間なのかな?」と疑問に感じてしまう人が多いようです。そこでこの記事では、すももが本当に桃の仲間なのかについて解説してみたいと思います。記事内では、すももの特徴や旬の時期、美味しいすももの選び方など、すももの基本情報も紹介するので、ぜひ最後まで読んでください。
すももとももの違いは?プラムやプルーンとの違いも紹介
それでは、すももとももの違いや、プラムやプルーンとの違いについて解説していきます。そもそも、皆さんは「すもも」という果物を漢字で書いた際、どのような文字が使われるのかご存知でしょうか?すももがももの一種と考えている方であれば「酢桃」など「桃」という漢字が使われていると考えがちですが、そうではありません。すももを漢字で書くときには「李」という漢字が用いられます。この文字を見て「すもも」と読める人はかなり少ないと思います。
すももとももの違い
それでは「すももともも」は同じ属性の果物なのか、それとも異なる属性の果物なのかについて解説します。
まず、すももの属性についてですが、すももは「バラ科サクラ属」の落葉小高木で、先ほど紹介したように和名は「李(すもも)」となります。ちなみに、英名では「アジアンプラム・ジャパニーズプラム」と呼ばれており、ピーチと呼ばれる桃とはこの時点で異なる果物なのだろうということが予想できるはずです。ちなみに、「すもも」という名称については、見た目が桃に似ていることから「酸っぱい桃」という認識をされ、そこから「すもも」になったと言われています。
次に、初夏の代表的な果物である桃についてですが、桃は「バラ科モモ属」に属しています。つまり、ももとすももは異なる属性の果物なのです。ちなみに、すももに近い属性の果物は、桃ではなく「さくらんぼ」「梅」「杏(あんず)」などがあります。すももは見た目だけで言えば桃に非常にちかいため「スモモもモモも桃のうち」という言葉遊びが作られたのでしょうが、果物の分類で考えると正しくない言葉遊びといえます。
なお、すももは万葉集の中におさめられている句の中にも登場することから、日本には古くから存在することが分かっています。しかし、現在、市場に出回っているすももについては、古くから日本に根付いている物ではなく、19世紀ごろにアメリカに渡った品種が、現地で改良され、プラムとして日本に逆輸入されたものとされています。すももの品種では、「大石早生」や「太陽」などの品種がありますが、これらは日本に逆輸入されたプラムから品種改良されたものです。
プラムやプルーンとの違い
すももは、桃とかたちが似ていることから「酸っぱい桃」⇒「すもも」となったと言われていることがわかりました。それでは、プラムやプルーンと比較した時には、何か違いがあるのでしょうか?
これについては、すももの英名が「アジアンプラム・ジャパニーズプラム」と呼ばれていることから分かるように、すももとプラムは同じ果物のことを指しています。また、プルーンについても、これは日本の呼び名で言えばすももです。
すももとプラムとプルーンの違いについては、和名かそうでないかが一番最初にあります。そして、中国原産のすももが一般的に「プラム(日本すもも)」と呼ばれています。プラムは、皆さんがイメージするすももの形で、丸く、赤く熟れるのが特徴で、主に生食用として栽培されています。
一方、プルーンはというと、西洋原産のすもものことを指しています。こちらは、少し細長い形状をしていて、紫色味がかっていることが特徴です。また、プルーン(いわゆる西洋すもも)の場合は、生食用だけでなく、ドライフルーツやジャムなど、加工品用としても栽培されていることが大きな特徴となります。
すももとプラム、プルーンについては、どれも「すもも」であることは違いないのですが、原産地によって呼び名が変わってしまうという感じです。
すももの基本情報
前項で、すももと桃は異なる果物なのだということが分かっていただけたと思います。見た目だけで考えると、非常によく似た果物なのですが、食べてみるとかなりの違いがあります。
桃については、日本人が好きな果物ランキングで毎回トップを争うような人気になっていますし、旬の時期や選び方など、基本的な情報は既に出回っています。しかし、すももに関しては、「今まで生きてきて食べた経験すらない…」という方も少なくないのではないでしょうか?
そこでここでは、すももの基本情報として、旬の時期やおいしいすももを選ぶポイント、保存方法などを解説します。
すももの旬について
すももの旬は、一般的に6月中旬から9月ごろとされています。ただ、品種や育て方により旬の時期は変わるので、その点は注意しましょう。例えば、日本国内に出回るすももの代表的な品種では、以下のように収穫時期が異なります。
- ・大石早生(おおいしわせ)・・・6月中旬~
- ・ソルダム・・・7月中旬~
- ・太陽・・・8月上旬~
なお、日本国内におけるすももの栽培については、山梨県が収穫量No.1で、長野県、和歌山県が続きます。ちなみに、大阪府では、枚方市がすももを特産品としています。
すももの選び方
新鮮なすももを選ぶときのポイントは、以下を参考にしてください。
- ・果皮全体が色鮮やかに色づいている(紅色のすももなら、果皮すべてが紅色になっているものが食べごろ)
- ・表面に傷がなく、ハリと弾力がある
- ・形は円形で、切れ込みに対して左右対称
- ・持った時、ずっしりと重みを感じる
- ・表面にブルーム(白い粉状のもの)が付着している
上記のような特徴を持つすももを選ぶと良いです。
なお、すももは収穫後に追熟する果物なので、皮が緑色だったり、果肉が硬かったりするものも店頭に並んでいます。これらの未熟なすももは、酸味が強く酸っぱく感じてしまうので、常温でしばらく追熟させると良いです。追熟期間は、品種や収穫時の状態、室温などによって変わりますが、3~7日を目安に追熟させましょう。果皮の色や果肉の柔らかさなどで、食べごろを判断すると良いです。
すももの保存方法
すももの保存方法については、果実の状態によって適切な保存方法が変わると考えてください。食べごろを向かえているすももの場合、熟しすぎないように低温での保存が望ましいのですが、未熟なすももの場合は追熟を進めるために常温で保存するのがポイントになります。
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まず、適度に熟して食べごろを向かえているすももですが、この場合は、紙袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存するようにしましょう。紙袋が無ければ、新聞紙やキッチンペーパーで果実を包むという方法でも構いません。新聞紙などで包んだすももをポリ袋や保存袋に入れてから野菜室の中で保存しましょう。
一方、果皮がまだ黄緑色である、果肉が硬いなど、未熟なすももの場合、追熟させる必要があります。この場合は、果実の乾燥を防ぐため新聞紙などで包んでから、風通しの良い冷暗所などで保存しましょう。好みの状態まで追熟が進めば冷蔵庫で少し冷やしてから食べましょう。
なお、すももは、皮の部分に多くのポリフェノールが含まれているため、栄養素を余すことなく摂取したいと考える場合は、皮ごと食べるのがおすすめです。
まとめ
今回は、名前が非常に似通っているすももと桃の違いについて解説しました。すももと桃の名前が似ているのは、姿が似ていることが大きな要因です。パッと見た時には『桃』にみえるものの、口にしてみると「酸っぱさ」を感じてしまう果物であることから「酸っぱい桃⇒すもも」と呼ばれるようになったとされています。
なお、すももに関しては、プラムやプルーンと呼ばれた方が、どのような果物なのかがイメージしやすいという方も多いと思います。プラムとプルーンは、原産地による分類で、果物的にはすももと同じなのです。
すももは、6月頃よりスーパーなどでも見かけることが増えると思うので、是非今年は口にしてみてはいかがでしょう。桃にはない、爽やかな酸っぱさを楽しむことができるはずですよ!