今回は、ビタミンCが多く含まれる食べ物について、可食部100g当たりに多くのビタミンCを含む食品をランキング形式でご紹介します。

皆さんは、「ビタミンCが多く含まれている食べ物は何?」と聞かれる、どのように答えますか?この問題については、ほとんどの方が「レモンでしょ」と答えると思うのですが、実はビタミンCがレモンよりも多く含まれる食べ物は意外に多いのです。「ビタミンC=レモン」というイメージは、サプリやジュースなどを販売する際、レモンをイメージした商品展開がなされていることから、多くの方が食品の中で最もビタミンCが豊富なのがレモンなのだ…と考えるようになったのだと思います。

そこでこの記事では、文部科学省が公表している、食品成分データベースを参考に、レモンよりもビタミンCを多く含む野菜や果物をランキング形式でご紹介します。

> 食品成分データベース

ビタミンCの効能とレモン100gに含まれている量

ビタミンCは、アスコルビン酸とも呼ばれる成分で、骨や腱などの結合タンパク質である、コラーゲンの生成に必須の化合物とされています。ビタミンCが不足してしまうと、コラーゲンが合成されなくなるため、血管が脆くなって出血を起こすと言われています。これが所謂「壊血病」と呼ばれるもので、大航海時代の船乗りたちを震え上がらせた病気です。某海賊マンガで、船の上にみかんの木が植えられているのは、ビタミンCの接種を意味しているのだと思います。

ビタミンCは、壊血病を防ぐほか、毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ働きがあり、さらに皮膚のメラニン色素の生成を抑える、日焼けを防ぐなど、女性に嬉しい効能が期待できます。さらに、よく言われるのは、風邪やインフルエンザの予防に効果的とされ、冬場にみかんなどを好んで食べる方が多いのは、風邪予防もかねての事という方も多いようです。

最近では、ビタミンCの抗酸化作用が注目されていて、がんや動脈硬化、老化予防などにもビタミンCが有効に働くと期待されています。そして、このビタミンCは、人の体内で作れないため、食事などで摂取するほかありません。

レモンに含まれているビタミンCの量とは

それでは、多くの方が「ビタミンCの源」と考えているレモンは、どれほどの量を含んでいるのでしょうか?

食品成分データベースによると、レモンに含まれるビタミンCの量は、可食部100g当たり「100mg」となっています。ちなみに、レモン一個で約120g程とされていて、果皮や種など、一般的には食べない部分を除いた部分が約100gとなります。したがって、分かりやすく言い直すと、レモン1個で約100mgのビタミンCが摂取できるということです。

なお、人は体内でビタミンCを作ることができないのですが、一日に推奨される摂取量は成人で100mg(レモン一個分)とされています。

レモンよりビタミンCが多く含まれる食べ物ランキング

ビタミンCが多く含まれる食べ物とえば、ほとんどの方がレモンをイメージするかと思います。しかし実は、レモン以上にビタミンCを含んでいる食べ物も意外に多いのです。

ここでは、食べ物の中でも、野菜や果物に注目して、可食部100g当たりでレモンよりも多くのビタミンCを含む食べ物をご紹介していきます。

第7位 パセリ(生)

第7位は、野菜のパセリです。洋食屋などで、彩りを添える目的で使われている場合が多いため、「パセリは食べずにそのまま残す」という方も多いです。しかし実は、パセリは、レモン以上のビタミンCを含んでいる非常に栄養価の高い野菜なのです。

パセリは、可食部100g当たり「120mg」のビタミンCを含んでいるとされます。ただ、パセリを100g食べるのはなかなか難しいかもしれません。

第5位 ブロッコリー(生)

ブロッコリーは、好みがわかれる野菜の代表かもしれませんねん。ただ、生のまま食べる場合、可食部100g当たりで「140mg」のビタミンCを含むなど、栄養価が非常に高い野菜です。

なお、ブロッコリーを食べるために茹でると、ビタミンCは55mgまで減少します。

第5位 キウイフルーツ(黄肉種)

果物の中でも、特に栄養価が高いと有名なのがキウイフルーツです。キウイフルーツは、さまざまな栄養素が含まれている果物として有名ですが、ビタミンCも非常に多い食べ物です。キウイフルーツの中でも、黄肉種(ゴールデンキウイ)については、可食部100gあたり、ブロッコリーと並ぶ「140mg」のビタミンCが含まれています。キウイは、茹でて食べることなどなく、生のまま食べるのが一般的ですので、ビタミンCの摂取が目的ならとてもおすすめ出来ます。

ちなみに、緑肉種のキウイフルーツは、可食部100g当たり「71mg」のビタミンCなので、黄肉種の半分程度になります。

第3位 黄ピーマン(生)、オレンジピーマン(生)

第3位は、黄ピーマンとオレンジピーマンの生食が同率でランクインします。ピーマンと聞くと、子供が苦手とする緑色の野菜をイメージする方が多いですが、実は、カラー違いのピーマンがいくつかあります。ちなみに、食品成分データベースでは、赤や黄色のパプリカは「赤ピーマン」「黄ピーマン」と表記しています。

肝心のビタミンC含有量ですが、黄ピーマン(生)、オレンジピーマン(生)どちらとも、可食部100g当たり「150g」含まれているとされています。実は、ピーマンは、ビタミンCを多く含む野菜で、一般的な緑色の物でも「76g」と豊富なビタミンCを含有しています。

第2位 芽キャベツ(生)

あまり馴染みがないかもしれませんが、芽キャベツは非常に栄養素が豊富な野菜として有名です。ちなみに、芽キャベツという名称から、一般的なキャベツの子どものように思われていますが、キャベツの「若芽」ではありません。芽キャベツがキャベツの仲間だという点は確かなのですが、頂芽が結球する一般的なキャベツとは異なり、わき芽が結球する野菜という違いがあります。

芽キャベツ可食部100g当たりに含まれるビタミンCは、なんと「160mg」でその他の野菜と比較しても非常に含有量が多いです。そして、その他の栄養素も非常に豊富で、一般的なキャベツと比較すると、可食部100g当たりでは、食物繊維が約3倍、ビタミンB2は約7倍、β-カロテンはなんと約14倍にもなるそうです。

第1位 赤ピーマン(生)

いよいよビタミンCが最も多く含まれる野菜・果物の種類となります。第一位は、赤ピーマン(赤パプリカと表記される場合もある)で、可食部100g当たりのビタミンC含有量は「170mg」になります。

ピーマンは、苦手という方も少なくないのですが、ここで紹介したランキングからも分かるように、非常に栄養が豊富な野菜と言えます。レモンよりもビタミンCが多い果物・野菜を7種類紹介していますが、その中に3つもピーマンが登場するほど栄養素が豊富なのです。

まとめ

今回は、風邪予防などにも効果的と言われるビタミンCが豊富に含まれている食べ物をランキング形式でご紹介しました。記事内でも言及しているように、ビタミンCが豊富に含まれている食べ物と言えば、多くの方がレモンをイメージすると思います。実際に、レモンには、可食部100g当たり100mgのビタミンCが含まれており、一個食べれば成人の一日の摂取量に達するほどの含有量になっているのです。

ただ、ビタミンCが豊富な食べ物は、レモン以外にもたくさんの種類があり、特にピーマンは「赤ピーマン」「黄ピーマン」「オレンジピーマン」と3種がレモンを超えるビタミンC含有量となるのです。なお、果物で言えば、ゴールデンキウイがレモン以上のビタミンCが含まれているので、誰でも美味しくビタミンCを摂取することを考えると、ゴールデンキウイがオススメかもしれません。

なお、ビタミンCの摂りすぎについては、健康な人であれば重篤な副作用などはないものの、下痢・便秘・腹痛などの症状が出る場合があると言われているのでその辺りは注意しましょう。

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