今回は、果物の中でも日本人にとって最もなじみ深いのではないかと考えられるイチゴについて、新鮮で甘くて美味しいイチゴを見分けるためのポイントを解説していきます。

イチゴは、冬から春にかけてが旬の果物で、一般的には12~2月頃が旬(ハウス栽培)の果物となります。ただ、近年では、ハウス栽培が盛んになっていることから、イチゴはかなり長い期間楽しめる果物になってきており、11月頃から4月頃まで店頭に並んでいるのを見かけるようになっています。ちなみに、いちご狩りを開催している観光農園の中には、ゴールデンウィークを過ぎる5月頃までイチゴを楽しめるような場所もあるようです。しかし、本来は冬が旬の果物でありますので、寒い時期に収穫されるイチゴが最も美味しいと言われています。

これは、気温が低い時期は適度な寒暖差の中、完熟するまでじっくりと日数をかけてイチゴが育つことから、味や栄養素が多く含まれるようになるからです。気温が高い時期になると、生育が早くなりますので、見た目には美味しそうなイチゴに見えても、食べてみると「そこまで甘くない…」「味が薄い…」となることが多いようです。
そこでこの記事では、スーパーなどでイチゴを購入しようと思った時、出来るだけ甘くて美味しいイチゴを選ぶために確認したいポイントをご紹介します。

> 農水省「イチゴの豆知識

美味しいイチゴを見分けるポイント

それでは早速、新鮮で甘くて美味しいイチゴを見分けるために確認したいポイントをご紹介します。イチゴは、スーパーの果物コーナーにも並んでいるポピュラーな果物ですが、「どれが一番美味しいイチゴなの?」と言った見分け方がわからないという人は多いです。農園の直売所などに足を運べば、農園のスタッフさんに選んでもらうこともできるのですが、スーパーなどで購入する時には、自分で美味しいイチゴを選べるようになっておかなければいけません。イチゴを選ぶときには、以下の3つのポイントに注意して選ぶと良いです。

  • ・イチゴの色で見分ける
  • ・イチゴの大きさと形で見分ける
  • ・イチゴの鮮度(新鮮さ)を見分けるポイント

それぞれのポイントについて、もう少し詳しく解説してみます。

「色」で美味しいイチゴを選ぶ

美味しいイチゴを選ぶための一つ目のポイントは、イチゴの色をよく確認するというものです。イチゴは、赤色の果物というイメージで、どれを見ても濃い赤色の果実で、とても美味しそうに見えるはずです。しかし実は、一つ一つのイチゴを注意深く確認すると、色づきが微妙に異なるのです。

美味しいイチゴを選ぶためには、以下の二つのポイントに着目しましょう。

  • ヘタ付近までしっかり赤く色づいたものを選ぶ
    まず分かりやすい「色」にまつわるポイントとしては、イチゴの果実の色づきをよく確認して、ヘタ付近までしっかりと赤く色づいているイチゴを選ぶと良いです。ヘタ付近までしっかりと赤くなっているイチゴは完熟している証拠ですので、口に含むとしっかりと甘いはずです。逆に、ヘタの周りに白い部分が残っているイチゴは完熟手前の状態です。なお、イチゴの色づきについては、赤色が濃く、光沢や艶のある物ほどおすすめです。
  • つぶつぶまで赤く色づいているイチゴを選ぶ
    イチゴの表面には、種のような「つぶつぶ」がたくさんついています。ちなみに、このつぶつぶは、厳密に言うと種ではなく果実です。そして、イチゴの表面についているつぶつぶは、一般的には黄色っぽい色をしているのですが、完熟した際にはつぶつぶまで赤色になるのです。したがって、スーパーなどでイチゴを購入する時には、よくイチゴの実を確認して、つぶつぶの色づきを見ましょう。

イチゴは、上記のように色づきを確認することで美味しいものを選ぶことができます。なお、イチゴは傷みやすい果物なので、色づきを確認する場合でも、果実には触れないように注意しましょう。

「大きさ」と「形」で美味しいイチゴを選ぶ

美味しいイチゴを見分ける二つ目のポイントは、果実の大きさと形を確認することです。イチゴは、先端が尖がっているイメージが強いかもしれませんが、実は美味しいイチゴの特徴としては、実が大きくて先端が平たいというものがあります。

イチゴの大きさに関しては、大きいものほど甘くて美味しい傾向にあります。これは、大きく育ったイチゴの実は、一番最初に実ったもの(一番果と呼ばれます)が多く、その分、栄養や糖分が多く含まれるようになるからだそうです。一番果は、12月~1月頃の物で、それ以降は春に向けてイチゴの実のサイズが多少小さくなっていくとされています。
またイチゴの形についてですが、イチゴは先端部分の方が甘みが強いとされていて、さらに先端が尖がっているのではなく平らになっている物の方が甘い傾向にあると言われます。

イチゴの鮮度を見分けるポイント

多くの果物は、収穫されたばかりで新鮮なものほど美味しいとされています。特に、イチゴは収穫後に追熟することがないため、時間を置いても味が良くなることはありません。したがって、スーパーなどで購入する時には、新鮮なものを選び、出来るだけ早く食べるようにしましょう。

イチゴの鮮度を見分けるポイントとしては、「ヘタ」部分を見ると良いです。イチゴのヘタを確認し、ヘタが元気に反り返っているものほど新鮮な証拠です。その逆に、イチゴのヘタが下を向き始めている、完全に下を向いているものは、収穫からそれなりの日数が経過していると考えられます。なお、ヘタの色も確認し、濃い緑色をしたものが新鮮なイチゴです。

美味しいイチゴを食べたいならいちご狩りがおすすめ

ここまでの内容で分かるように、出来るだけ甘くて美味しいイチゴに出会いたいと考えている方は、「12~2月頃に収穫されたものを選ぶ」「新鮮なものを選ぶ」「完熟状態のものを選ぶ」ことが重要です。それでは、このようなイチゴに出会うためには、どうすれば良いのでしょうか?現在では、食品の輸送体制もしっかりと構築されているため、離れた場所で収穫されたイチゴを近所のスーパーで手に入れることができるようになっています。ただ、このようなイチゴは、収穫からある程度の日数が経過しているため、美味しく食べられはするでしょうが、イチゴの味を最大限引き出せていない可能性もあるのです。

実は、イチゴ好きの方が、最も美味しい状態のイチゴを食べたいと考えた場合、いちご狩りに足を運んで食べるのが最もオススメです。いちご狩りであれば、収穫したてのイチゴをその場で食べることができますし、自分の目で完熟したイチゴを見分けることができます。特に、12月~2月頃の時期を選んでいちご狩りに行けば、最も美味しい状態のイチゴを食べることができるでしょう。

もちろん、スーパーなどに並んでいるイチゴが「美味しくない」と言っているわけではなく、こういったイチゴも十分な美味しさを保っています。ただ、イチゴは追熟する果物ではないという特徴がありますし、収穫から消費者が手にするまでに最低でも3日程度はかかってしまう問題から、農園で収穫した物をそのまま食べられるいちご狩りよりは、どうしても味が落ちてしまう可能性が高くなるのです。また、スーパーなどに並ぶイチゴは、輸送性のことも考慮して、完熟の少し手前に収穫しているため、イチゴの甘さを最大限引き出しているとは言えない点もいちご狩りがおすすめの理由です。(それでも十分に美味しいです。)

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まとめ

今回は、さまざまな果物の中でも、日本人からの支持が最も高いのではないかと言われているイチゴについて、甘くて美味しいイチゴを選ぶためにおさえておきたいポイントを解説しました。

イチゴは、冬が旬の果物なのですが、ハウス栽培の技術が進化した現在では、春ごろまでいちご狩りを楽しめる場所も出て来ています。ただ、どのような果物でも、本来の旬の時期に食べるのが最も味が良いと言われていますので、美味しいイチゴを食べたいと考えている方は、12月~2月頃のイチゴを選ぶと良いでしょう。

ちなみに、イチゴは家庭菜園などでも人気の果物で、集合住宅に住んでいる方がベランダでプランター栽培をしているケースも増えているようです。意外に簡単に育てられる植物ですので、家庭菜園初心者の方にもおすすめですよ。ちなみに、記事内ではフルーツとしてご紹介していますが、日本の農林水産省の分類方法では、イチゴは野菜に分類されます。

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