キウイフルーツは、さまざまあるフルーツの中でも特に栄養が豊富な果物として有名です。キウイは、ビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれていることから、毎日食べたい果物ランキングなどでは必ず上位に位置するなじみ深い果物です。

また、キウイフルーツが、毎日食べられるのは、一年を通してスーパーなどで普通に売られていることも大きな要因です。一般的に、どのようなフルーツにも『旬の時期』というものがあり、スーパーの店頭などで購入できる時期は限られています。ただ、キウイフルーツに関しては、年中手に入るイメージで「旬の時期がない果物なのかな?」と言ったイメージを持っている方までいるようです。

最初に言っておきますが、キウイフルーツにも『旬』の時期は当然あります。キウイが、年中手に入るのは、国内産の物と外国産の輸入品の収穫時期が綺麗にずれているのが要因なのです。日本国内でもキウイフルーツを栽培する農園は多いのですが、国内産のキウイの旬は「11月から4月頃」と言われています。そしてそれ以外にスーパーなどで見かけるキウイは、南半球で栽培されている物で、それらは「5月から12月頃」が旬となるのです。このように、国内産キウイと外国産キウイの旬が交互に並んでいることから、「キウイは一年中手に入る」という状況が出来上がっているわけです。
それでは、スーパーや八百屋さんなどでキウイフルーツを購入した時には、どのような保存方法が適切なのでしょうか?この記事では、日本人にもなじみ深いキウイフルーツの保存方法を解説します。

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キウイの保存方法は熟れ具合で変わる!?

「キウイの適切な保存方法は?」と言った疑問を持っている方に知っておいてほしいのは、キウイの保存方法は、状態によって適切な保存の仕方が変わってくるということです。これは、キウイフルーツが「追熟する果物だから」というのが要因です。

キウイのように、収穫後に追熟する果物は、まだ完全に熟れていない状態のものを収穫します。これは、果物が完全に熟れると、柔らかくなってしまうため、輸送性が極端に悪くなるからです。当然、実がまだ固い状態のものと、すぐに食べられるような柔らかくなったものでは、前者の方が輸送時に傷がつく可能性が少なくなります。現代社会は、輸送能力が飛躍的に向上していますし、果物なども地産地消されるわけではなく、外国にまで輸送して消費されるのが普通です。したがって、輸送中に果物がダメになってしまわないよう、まだ固いうちに収穫し、追熟させるという段階を踏むわけです。

また、スーパーなどで販売するための時間のことも考慮すると、完熟状態で収穫するわけにはいきませんよね。完熟してすぐにでも食べられるようになった果物は、それ以降はそこまで日持ちしません。そのため、お店まで運んで、店頭に並べ、お客様が購入し家に持ち帰るという段階を踏んでいる間に、食べられなくなってしまう可能性が生じるのです。

キウイフルーツは、追熟する果物の代表とも言って良く、消費者が購入後、家で追熟させてから食べるのが推奨されています。そして、「完熟前の追熟中のキウイ」と「完熟したキウイ」では、適切な保存方法が変わりますので、きちんと押さえておくべきでしょう。

ちなみに、「キウイが熟して食べごろを迎えているか?」を判断するためのポイントは、キウイのヘタやお尻の部分の感触で判断します。キウイを縦にもって、ヘタとお尻の部分を軽く押してみましょう。その時に、ヘタやお尻の部分がへこむぐらい柔らかくなっていれば、完熟したサインと言えます。その逆に、軽く押してみても、まだ固いと感じる場合、熟していないため追熟させる必要があるというサインです。

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完熟前のキウイは「常温保存」で追熟を

まずは、完熟前のキウイフルーツの保存方法からです。キウイは、スーパーなどで簡単に手に入れられる果物ですが、上で紹介したような理由から、ほとんどのキウイは完全に熟していない状態で店頭に並んでいると考えましょう。完熟前のキウイは、実がまだ固く果汁が少ない、酸味が強いため甘さを感じにくいなど、キウイ本来の美味しさを楽しむことができません。

したがって、このような完熟前のキウイは、追熟を進めるために『常温』において保存するのが適切です。実は、果物の追熟は、冷蔵庫内のような低温環境に置くと、ストップ(限りなく遅くなる)するという特徴があるのです。つまり、冷蔵庫などで保存した場合、いつまでたってもキウイが美味しくならない、食べごろにならないなんてことになります。

キウイの品質を守りながら、追熟させるための環境については、「20℃前後の風通しの良い場所」で保存するのが望ましいです。なお、キウイは、キッチンペーパーや新聞紙にくるみ、ポリ袋に入れておきましょう。直射日光やエアコンの風が直接あたるのは良くないので、自然風がある20℃前後の冷暗所などがあればそこで保存しましょう。ちなみに、キウイは、比較的暖かい場所で育つ果物なので、夏場でも常温で保存することが可能です。ただ、温度が高すぎる、低すぎるという条件は、追熟が上手く進まない可能性があるため、先ほど紹介したように20℃前後の環境に置くようにしましょう。こういった環境においておけば、3~5日程度で完熟し、食べごろを迎えると思います。

※キウイは暖かい環境で育ちますが、25℃以上の暑い環境は、傷むのが早くなるので注意しましょう。

リンゴやバナナを袋に入れると追熟が早くなる

「追熟を早く進めるための裏ワザ」としてよく紹介されるのが、ポリ袋の中にリンゴを一緒に入れておくという方法です。リンゴは、熟成を促進するエチレンガスを多く放出するため、他の果物や野菜と一緒に保存すると、それらの成熟を促してくれるという効果が得られるのです。ちなみに、バナナにもこの効果があるとされています。

したがって、キウイを早く追熟させたいと考えた時には、ポリ袋にキウイを入れる際、一緒にリンゴもしくはバナナを入れておきましょう。キウイ4~5個に対して、リンゴ(もしくはバナナ)1個を入れておくと、エチレンガスによってキウイの成熟を早めてくれます。ちなみに、リンゴの品種によってエチレンガスの量が変わると言われています。

※追熟が始まらない時の対処

非常に稀ですが、キウイを常温で何日か置いたのに、なかなか追熟が進まない…なんてことがあります。実は、キウイは、果物の中でも追熟しにくいと言われていて、一般的に「果物が追熟する保存方法」を守っていたとしても、硬い状態のまま追熟しないケースがあるのです。
もし、キウイを購入して常温で保管していたのに、1週間以上も状態が変わらない…なんて場合、キウイに衝撃を与えてみると良いでしょう。キウイの果皮に少し傷がつく程度でよいので、テーブルなどに軽くぶつけてショックを与えてください。果物は、果実に衝撃を与える、果皮に傷をつけるといったショックを与えることで、追熟のスイッチが入るとされています。ちなみに、スーパーの店頭に並んでいるキウイについては、この追熟処理が既に施されているため、常温で何日も保存したのに追熟が進まない…なんてことになるケースはほぼないと思います。

ただ近年では、キウイを栽培している農園などで、直売所やキウイ狩りが開催されていて、そういった場所でキウイを手に入れることができるようになっています。そして、直売所のキウイや、自分で収穫したキウイについては、追熟処理がなされておらず、完熟しない状態になってしまうことがあるのです。農園の直売所や自分で収穫したキウイは、追熟処理が必要と覚えておきましょう。

熟したキウイフルーツは「冷蔵保存」

キウイフルーツを常温で保存しておけば追熟が進み、いずれ完熟状態の食べごろを迎えます。そして、熟したキウイについては、冷蔵庫に移して冷蔵保存に切り替えましょう。そうすることで、それ以上追熟が進みませんし、食べ頃状態を維持することがか可能です。

特に、気温が高い時期については、どのような食品でも傷むスピードが速くなりますので、常温ではなく冷蔵庫での保存が望ましいです。注意が必要なのは、冷蔵庫で食品を保存する時には、乾燥に注意しなければならないということです。キウイをそのまま冷蔵庫に入れると乾燥しやすくなるため、キウイはキッチンペーパーで包み、それをポリ袋に入れてください。そして、キウイを入れたポリ袋を冷蔵庫のチルド室や野菜室に入れて保存するようにしましょう。

チルド室とは0~3℃ほどの、食材が凍る寸前の温度を保っている部屋のことで、ここで保存すると食べ頃をより長く保つことができるようになります。ただ、冷蔵庫によってはチルド室がない場合がありますので、この場合は野菜室に入れておきましょう。熟したキウイフルーツでも、この方法で保存しておけば、1週間程度は食べごろを維持することが可能です。

※野菜室でキウイを保管する場合、その他の食材の影響を受けないように、しっかりと密閉できる袋を使ってください。

キウイフルーツは冷凍で保存しても良いの?

食品の長期保存を考えた時には、誰もが「冷凍保存」を検討するはずです。ただ、キウイなどの果物の保存に関しては、冷凍すると食感などが変わる可能性が高いことから、「冷凍保存はしない方が良いのかな?」と考える方が多いです。

結論から言いますが、キウイを冷凍保存した場合、果物特有の新鮮さは失われてしまいます。ただ、冷凍保存してはいけないわけではなく、「大量に頂いたから消費できない…」なんて場合には冷凍保存すると良いでしょう。冷蔵庫で保存するよりも、確実に長持ちさせることができます。

キウイフルーツの冷凍保存については、フリーザーバッグを用意しておきましょう。まずは、キウイを水洗いして、水気をよく拭き取ってください。そして、水気のとれたキウイをラップで包み、フリーザーバッグに入れて冷凍庫に入れましょう。なお、スムージーの材料にキウイを使いたいなんて場合であれば、皮を剥いて適度な大きさに切った状態のキウイをラップに包み、重ならないようにフリーザーバッグに入れると良いでしょう。皮を剥いた状態のキウイであれば、朝一に冷凍庫から出せば、そのままミキサーにかけることが可能です。もちろん、冷凍庫から出したキウイを細かくカットして、ヨーグルトにトッピングして食べるなんてことも可能です。

キウイフルーツは、冷凍庫で保存することで、1カ月程度保存することが可能ですので、消費しきれないほどのキウイがある場合は試してみましょう。

まとめ

今回は、キウイフルーツの適切な保存方法について解説しました。記事内でご紹介したように、キウイフルーツは、追熟する果物ですので、「熟したキウイ」と「完熟前のキウイ」と言った感じに、キウイの状態によって適切な保存方法が変わります。例えば、まだ熟していないキウイを、長く保存したいからとそのまま冷蔵庫に入れてしまうと、追熟がストップしますので、美味しい状態になることもなく、傷んでしまう可能性があるのです。

スーパーなどで販売されているキウイについては、完熟はしていないものがほとんどですので、購入後「常温で3日ほど置く必要がある」と考えておきましょう。そして、キウイのヘタやお尻の部分が柔らかくなったら、冷蔵庫に入れるという保存方法に変更すると良いです。そうすると、1週間ほどは食べごろをキープすることが可能です。

なおキウイは、冷凍なら1カ月程度持つなど、非常に長く保存することが可能です。そして、自分でドライフルーツに加工することができれば、さらに保存期間を延ばすことも可能です。果物などにカビが生えるなど傷んでしまう原因は、果物に含まれる水分です。ドライフルーツにしてしまえば、カビなどの繁殖に必要な水分が少なくなりますので、非常に長い間保存することができるようになるとされています。水分をしっかりと乾燥させ、パリパリになったキウイのドライフルーツは、最長で1年程度持つとも言われています。ただ、一般の方がドライフルーツを作る際には、「どれぐらい水分が残っているのか?」を判断するのが難しいですし、1年以上絶対に保存できるとは考えない方が良いです。

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