今回は、普段ご紹介しているフルーツに関する知識ではなく、昔から多くの方に人気の家庭菜園に関しての情報をご紹介します。田中ぶどう園では、ぶどうやみかん、キウイフルーツだけでなく、毎年さまざまな野菜の栽培を行っているのですが、直売所に足を運んでいただいたお客様から「家庭菜園を始めたいのですが、どんな野菜がおすすめですか?」と言った質問を受ける機会が非常に多いです。そこでこの記事では、家庭菜園初心者の方がプランターでも簡単に育てられる野菜の種類をご紹介します。

家庭菜園と聞くと、お庭のスペースを活用して畑を作るイメージが強いですが、都市部ではマンションなどの集合住宅で生活する方や、戸建てでも狭小地に3階建て住宅を建築する場合が多くなっているため、住んでいる場所にお庭がない場合がほとんどです。そのため、近年の家庭菜園と言えば、ベランダにプランターを置いて、そこで野菜などを育てているという方が増えています。

それでは、家庭菜園初心者の方が、プランターでも簡単に育てられる野菜は、どのような物があるのでしょうか?以下で、比較的簡単に育てられる野菜の種類をご紹介します。

プランターで簡単に育てられる野菜について

それではプランターでも簡単に育てられる野菜の種類をご紹介していきます。大阪市内や東京24区内など、都市部に住んでいる方であれば、庭付き一戸建てを手に入れることが非常に難しい時代になっています。ただ、ホームセンターなどに足を運べば、すぐにでも家庭菜園を始められるようなアイテムが手に入るようになっています。ホームセンターは、プランターだけでなく、土や肥料、野菜の種や苗も手に入れることができますので、「思い立ったが吉日」と言った感じで家庭菜園を始めてみるのも良いのではないでしょうか?

ただ、野菜は種類によって育てる時にかかる手間が変わりますので、初心者の方はなるべく手のかからない野菜からスタートするのがおすすめです。ここでは、家庭菜園初心者の方でも比較的簡単に始められる野菜をいくつかご紹介します。

①ミニトマト

家庭菜園で育てる野菜の中でも特に人気が高いミニトマトですが、その人気の理由は、利用用途が多い事だけでなく、プランターなどでも育てやすいからです。実際に、小学生などがミニトマトを育て観察日記を作るなんてことも良く行われています。

ミニトマトは、3〜4月頃が種まき期間で、7〜10月が収穫期間となります。春に植えて育てると、夏から秋にかけて長い期間楽しむことができる点も人気の理由なのかもしれません。家庭菜園でミニトマトを育てておけば、お弁当などの一品としても使えますし、非常に便利な野菜の一つと言えます。

育てる際の注意点としては、ミニトマトは「暑さ」や「寒さ」に弱いという特徴がありますので、気温には十分に注意しましょう。基本的に、20~30℃の間が栽培に適した温度と言われていますので、真夏にベランダで育てる場合は、日よけをきちんとしてあげましょう。

②ラディッシュ

ラディッシュは、日本語で「二十日大根」とも呼ばれる野菜です。名称から分かるように、種をまいてから20日程度で収穫することができる点が特徴です。育成期間が短くなれば、失敗する可能性が低くなりますので、家庭菜園初心者の方がプランター栽培の楽しさを実感する野菜として非常におすすめです。自分で育てた野菜を収穫する瞬間の感動は格別で、これにより家庭菜園にはまる方が多いのです。

またラディッシュが家庭菜園で育てる野菜としておすすめなのは、温暖な地域なら1年を通して育てることができるからです。比較的小さめのプランターでも栽培可能なので、集合住宅のベランダなど、スペースがそこまで広く無くてもチャレンジすることが可能です。家庭菜園初心者の方が、植える野菜に迷った時は、ひとまずラディッシュに挑戦してみるのがおすすめですよ。

③小松菜

小松菜は日本原産の葉野菜で、栄養価が高いことから、家庭菜園で栽培する野菜としても人気です。小松菜がプランター栽培で人気なのは、一年を通して栽培できるうえ、栽培期間が短いという特徴があるからです。真冬を除けば、いつでも栽培が始められる強い野菜なので、初心者の方がチャレンジする野菜としてはオススメです。

さらに、小松菜は、種をまいた後、半日陰でも成長する野菜なので、初心者にありがちな「様子を見るのを忘れる」と言った場合でもきちんと育つ点が人気の理由です。栽培にそこまで気を回す必要がないので、忙しい方でも比較的容易に育てられる野菜としておすすめです。
注意点としては、虫に好まれる野菜なので、防虫ネットを用意するなど、害虫対策はきちんとしてあげる必要があります。

④キュウリ

キュウリもプランターで栽培されているのを見かける機会が多いですよね。春(4〜5月)に種をまけば、夏から秋(6~9月)にかけて収穫できる野菜です。

キュウリを栽培する時に注意点としては、寒さに弱い野菜なので、涼しい時期やエアコンの室外機の風が直接当たらないようにしましょう。また、「連作障害」が起こる野菜なので、繰り返し育てたい場合、新しい土に入れ替えてから植えるようにしましょう。

⑤ナス

日本の夏野菜の代表であるナスも家庭菜園で栽培される野菜として人気です。ナスは、高温多湿の場所を好む野菜なので、日本の夏は栽培に非常に適した季節となるため、家庭菜園初心者の方でも比較的容易に育てられます。

5月頃に植え付けを行えば、10月頃までと、長く栽培を楽しむことができる野菜です。その他の野菜と比較すると、収穫量が多いという特徴があるため、うまく育てられたらお得感もあるはずです。ナスは、水を好む野菜で、時期によっては乾燥しやすいので、水やりのタイミングには気を配ってあげる必要があるので注意しましょう。

⑥人参

さまざまな料理に利用される人参も、プランターで育てることができる野菜です。ただ、ここまでで紹介した野菜と比較すると、栽培がやや難しくなるので、初心者と中級者の間ぐらいの方におすすめの野菜かもしれません。

人参は、種から植えて育てるのですが、種まきは7月頃に行うのが適しています。収穫に関しては11月頃になるので、栽培期間は比較的長めですね。

人参の栽培は、発芽の時期に注意してください。発芽の時期は、とにかく水を切らさないよう、慎重に世話をする必要があり、ここが人参の栽培が少し難しいポイントです。なお、この発芽の時期さえ乗り切ることができれば、後は非常に育てやすい野菜なので、初心者でも比較的容易に育てられるはずです。

⑦ジャガイモ

意外に思う方も多いかもしれませんが、実はジャガイモはプランターで育てることができ、家庭菜園初心者の方でも育てやすい野菜です。なお、ジャガイモ用のプランターは、大き目で深さのある物を選ぶのがポイントです。

ジャガイモの栽培期間は、春と秋、2回あるのですが、このうち初心者の方におすすめなのは「春」に植え付けするパターンです。平均気温が10度ほどで、寒さが残る2月中旬~3月上旬にタネイモの植え付けを行えば、梅雨入り前後の5月下旬~6月上旬に収穫することができるでしょう。
ジャガイモは、日当たりと風通しのよい環境を好みますので、ベランダなどで育てる時には日当たりに注意しましょう。また、ジャガイモの栽培に失敗するケースでは、水のやりすぎという原因が多いです。水のあげすぎは生長中のじゃがいもが腐る原因となります。水やりの際は、土の中まで様子を見て乾いていることが確認できたら水やりをする感じにしましょう。

⑧ほうれん草

ほうれん草は、種まきから30日〜40日程度と、比較的短期間で収穫することができるため、家庭菜園初心者の方でも簡単に育てられる野菜です。栄養価が非常に高い野菜としても有名ですが、ほうれん草を嫌う子供は少なくありません。そのため、お子様に自分で育てさせ、収穫する喜びを与えて、ほうれん草嫌い克服にチャレンジするのも面白いのではないでしょうか?

ほうれん草は、温暖な地域であればほぼ一年を通して、どの時期からでも栽培をスタートする事が可能です。ただ、暑さに弱い品種が多いため、初心者の方であればほうれん草の夏場の栽培は避けた方が良いかもしれませんね。品種によっては、暑さに強いものがあるので、どうしても夏場に栽培したい場合は、暑さに強い品種を選びましょう。

初めてのプランター栽培のポイント

プランターでも比較的容易に育てられる野菜の種類がわかったところで、家庭菜園初心者の方がプランターで野菜を育てる際のポイントをいくつかご紹介します。初めてプランター栽培にチャレンジするという方は、以下のような点に注意しましょう。

必要な道具について

プランターで野菜を育てる時には、まず道具をそろえなければいけません。最近では、ネット通販やホームセンターなどで家庭菜園キットが販売されていますので、必要な物を揃えましょう。

なお、初めて家庭菜園に挑戦するという方であれば、ネット通販ではなくホームセンターなどに足を運ぶのがおすすめです。ネット通販の方が手間を省けますが、ホームセンターならスタッフさんにアドバイスしてもらいながら道具を用意することができます。プランターで野菜を育てる場合、以下のようなアイテムが必要になります。

  • ・プランター
  • ・スコップ
  • ・土
  • ・肥料
  • ・野菜の種or野菜の苗

ちなみに、ホームセンターのカインズでは、プランターや土、種などがセットになった栽培セットなるものも販売されています。

参照:カインズ「栽培セット

育てやすい野菜を選ぶ

家庭菜園初心者の方が、初めてプランター栽培に挑戦する場合、「好きな野菜を選ぶ」のではなく、「育てやすい野菜を選ぶ」のがポイントになります。野菜は、種類によって栽培にかかる手間が変わりますし、中にはプランターで栽培するのが難しいものもあります。

したがって、初めてプランター栽培に挑戦するという方であれば、上で紹介したような栽培しやすい野菜がおすすめです。なお、トマト、キュウリ、ナスなどの夏野菜は、初心者でも育てやすいですし、ホームセンターなどで苗が販売されているので非常におすすめです。

育てる野菜に合った栽培環境を確認する

初心者の方でも栽培しやすいと言われる野菜にも、「適切な栽培環境」や「苦手な環境」というものがあります。特に、プランターで野菜を育てる時には、日当たりが大切なポイントになります。

野菜の中には、日当たりが悪い場所で育てると生育が遅くなってしまい、病気にかかる可能性が高くなるものもあるのです。したがって、野菜を育てる時に、育てようとしている野菜に適した育成環境は、事前に確認してから栽培を始めましょう。いくら「育てるのが簡単」と言われている野菜でも、何もせずにきちんと育つわけではありません。

プランターのサイズについて

プランターと聞くと、長方形でパンジーなどの花が植えられている底が浅いものをイメージする方が多いと思います。しかし、近年では、ベランダでプランター栽培に挑戦する方が増えていることから、さまざまな大きさ、深さのプランターが販売されるようになっているのです。

これは、野菜によって好ましいサイズのプランターが変わるからです。例えば、キュウリなど、根が広く浅く張る野菜は、深さは気にせずに幅広のプランターを選ぶのがおすすめです。ただ、ミニトマトなど、根が深く伸びる野菜を育てたい場合、丸型の深鉢タイプのプランターがおすすめです。

野菜とプランターの形状に関しては、ホームセンターなどに行って店頭スタッフの方に質問するのがおすすめです。そうすれば、栽培を考えている野菜に最適な大きさのプランターを紹介してくれるはずです。ホームセンターなど、店舗に足を運ぶメリットは、正確な知識を持った方からアドバイスを受けながら必要な道具を集められることですので、このメリットは最大限生かすと良いでしょう。

まとめ

今回は、これから家庭菜園にチャレンジしてみたいと考えている方に向け、プランターでも比較的容易に育てられる野菜の種類について解説しました。

家庭菜園と聞くと、お庭の片隅に畑を作り、そこで野菜や果物を育てることをイメージする方が多いです。しかし近年では、プランターをベランダなどにおいて、そこで野菜の栽培にチャレンジしてみるという方が増えているのです。都市部では、マンションなどの集合住宅で生活する方が多いですし、戸建てでも庭がない住宅が当たり前になっています。

このような状況になると、「家庭菜園は無理かな…」と考えるかもしれませんが、皆さんが普段よく食べている野菜の中には、プランターでも普通に栽培できる物も多いのです。この記事では、プランターでも育てられる野菜の中でも、初心者の方も栽培に失敗しにくい野菜の種類をご紹介していますので、興味がある方は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、今回はプランターで育てられる野菜に着目しましたが、近いうちにプランター育てられるフルーツについてもまとめてみたいと思います。

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