
「コンビニの千切りキャベツは体に悪い」は本当?
最近は、コンビニやスーパーなどでカット野菜が販売されているのを見かける機会が増えています。既にカットされていて、洗わずにそのまま食べることができるため、忙しい現代人にとっては手軽に栄養が取れる食品として非常に重宝されるようになっています。実際に、仕事に帰りにコンビニによって千切りキャベツなどのカット野菜を良く購入しているという方は非常に多いのではないでしょうか?
しかし、カット野菜の存在感が増す一方で、インターネット上では「コンビニのカット野菜は栄養がない」「カット野菜は逆に健康に悪い」なんて情報が出回るようになっていて、本当にカット野菜を購入して食べても良いものなのだろうか…と不安に感じている…という方も多いようです。
コンビニやスーパーで販売されているカット野菜は、製造工程で薬品による洗浄や食品添加物などの使用が考えられるため、それらが健康に悪影響を与えるのでは…と考えている人が多いわけですね。そこでこの記事では、コンビニなどで販売されている千切りキャベツなど、カット野菜は本当に身体に悪いのかについて解説します。
カット野菜のメリット
日々の健康な生活を考えた時には、バランスの良い食事が非常に重要になります。しかし、コンビニやスーパーなどで購入できるお弁当を見ると、野菜の量が非常に少なく、一人暮らしで自炊がなかなか出来ない…なんて方の場合、どうしても栄養が偏ってしまいがちです。
実は、このような方におすすめできるのが、コンビニやスーパーで販売されているカット野菜です。カット野菜には、以下のようなメリットがあるため、「野菜がなかなか摂れない」という方には非常におすすめできる商品といえます。
- ・皮むきやカット、洗浄が不要でそのまま食べられる
- ・コンビニで販売されているため、購入がしやすい
- ・味付けがされていない
コンビニやスーパーで販売されているカット野菜は、塩分などの味付けがなされていないため、自分好みに味に調理することも可能です。また、忙しくて調理が難しい…なんて方の場合は、そのまま食べることができ、コンビニ弁当などでは摂取しにくい栄養素を手軽に摂取できる点が大きなメリットになるのです。
カット野菜がおすすめなのは、あくまでも忙しくて野菜がなかなか摂れない…と悩んでいる方です。普段から自炊をちゃんとしていて、野菜も摂っているという方であれば、わざわざカット野菜に切り替える必要はありませんよ。
コンビニのカット野菜が健康に悪いと言われる要因
それでは、手軽に野菜を摂取することができるコンビニのカット野菜などについて、「健康に悪い」という意見が出回っている要因についても解説します。現在では、コンビニやスーパーなどで千切りキャベツなどのカット野菜が当たり前に並んでいますが、これらの商品は、以下のような処理がなされているため危険視する方がいるのです。
薬品を使って洗浄するから
コンビニやスーパーなどで販売されるカット野菜については、食品事故を防止する目的で、次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品を使って洗浄します。次亜塩素酸ナトリウムは、カビや細菌を殺すための強力な消毒剤で、カビキラーなどの主成分となっているものです。
当然、カビキラーを飲むと人命にかかわる問題に発展することは分かると思うのですが、コンビニなどのカット野菜は、その薬品を利用して洗浄を行っているわけです。ちなみに、洗浄に用いられる薬品については、加工助剤として扱われるため、食品表示には記載されていません。このことから、「隠れて次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品を使っている=危険な食べ物だ!」というイメージが広がったのだと思います。
誰でも、カビキラーやハイターを使って野菜を洗っていると聞くと、危険なのではないか…と感じてしまいますよね。しかし、カット野菜に使用される洗浄剤は、きちんと国が基準を設けていて、それを守った状態で使用されているため、薬品を使って洗浄しているということが、人体に危険をもたらすことに繋がらないので安心しましょう。
薬剤を使って洗浄した後、その薬剤を洗い流すための洗浄も行われるため、基本的に人体に危険を及ぼす心配は少ないです。
表示されない添加物が使用されているから
カット野菜は、見た目や食感を保つため、いくつかの添加物が使用されています。ただ、この添加物については、パッケージなどには表示されないことが多いため、危険視する人がいるのです。
そもそも、購入してきた野菜について、自宅でカットした場合、しばらく冷蔵庫に入れていると、しなしなになったり、切り口が変色したりしますよね。しかし、コンビニなどで販売されているカット野菜については、数日経過しても切り口の変色なども少なく、不思議に感じたことがあるという人も多いのではないでしょうか?実は、カット野菜には、パッケージなどには表示されていなくても、以下のような添加剤が加えられています。
- ・シュガーエステル
洗浄剤や農産物の鮮度保持などに利用されます。 - ・pH調整剤
切り口の変色を防ぐために使用されています。 - ・次亜塩素酸ナトリウム
殺菌・消毒に使用されています。
コンビニやスーパーなどで販売されるカット野菜は、上記のような添加剤が使用されています。カット野菜に使用される添加物については、パッケージに表示されるものとそうでないものがあるため、商品購入時に安全かどうかを確認することが難しいと考える人がいて、「カット野菜は危険だ!」という意見になっているのだと思います。
ちなみに、カット野菜については、食べる前に「洗浄してください」と記載されているものがあると思います。これらは、PH調整剤などの添加物の残留が考えらるタイプなので、必ず洗浄してから口にするようにしましょう。
産地が不明だから
カット野菜は、産地表示義務がない場合があります。そのため、殺菌による危険性だけでなく、「野菜自体の産地が分からない」ことを要因として危険視する人がいるのです。
カット野菜でも、複数の野菜がまざったカット野菜の場合、含有量が50%未満の場合、産地表記がされないのです。例えば、キャベツとニンジン、玉ねぎが入っているミックス野菜で、それぞれの含有量が「40%:30%:30%」だった場合、いずれも50%未満なので産地表記がされません。また、キャベツと玉ねぎが入っているミックス野菜で、含有量が「70%:30%」の場合、30%しか含まれていない野菜の産地は表記されないのです。
国産野菜の場合、国が定めた農薬の使用量などが守られているため生食用の野菜でも安心ですが、外国産の場合、どのような農薬が使用されているか分かりませんよね。そのため、産地が表記されていないカット野菜については危険と判断する人もいるのです。
ちなみに、千切りキャベツなど、1種類のみの野菜が入っているカット野菜については、生鮮食品と扱われるため、産地も記載されます。
カット野菜は栄養がないは本当?
コンビニやスーパーで販売されているカット野菜については、健康に悪い以外にも、「栄養がない!」という情報を見かけることも多いですよね。これについては、次亜塩素酸ナトリウムなど、強力な薬品を使って洗浄しているため、栄養素も流出してスカスカになっているという意見があるためです。特に、野菜に多く含まれているビタミンCなど、水溶性の栄養素が、しっかりと洗浄されることで流れ出てしまう…と言われているのです。
それではこの情報については、正しいのでしょうか?
野菜に含まれている水溶性の栄養素が洗浄時に流出することは間違いありません。しかし、薬剤を使用して野菜を洗浄する場合と、一般住宅のキッチンで水道水で野菜を洗浄するのでは、ビタミンなどの流出量に大きな差はないという調査データがあるのです。
つまり、コンビニやスーパーのカット野菜について「栄養はない!」という情報は間違いです。もちろん、いくらかの栄養素の流出はあるのですが、全てが無くなるわけではなく、2~4割が失われる程度とされているので安心しましょう。そもそも、自分で野菜をカットして調理する際も、水洗いをしっかりとするわけですし、その時に流出する水溶性の栄養素のことを考えると、格差は1割程度しかないと言えるかもしれませんね。
ちなみに、野菜の水溶性の栄養素については、「ゆでる」際に最も多くの流出があるとされています。したがって、野菜の栄養素を余さず摂取したいと考えるなら、調理方法もよく考えると良いですよ。
まとめ
今回は、忙しい現代人にとって、非常にありがたい商品になっているカット野菜について、ネット上で指摘されている危険、栄養がないという情報が本当なのかについて解説しました。
記事内でご紹介したように、カット野菜は、薬品を使ってしっかりと洗浄されているため、水溶性の栄養素が流出してしまうことで、食べても栄養が摂取出来なくなると考えている人がいます。しかし、この考えは大きな間違いで、一部の栄養素が流出するのは確かですが、多くの野菜に含まれている栄養素は摂取できるのです。
したがって、普段忙しくてなかなか自炊ができない…なんて方がコンビニやスーパーでカット野菜を購入し、食べるという行為は健康維持の面でも非常に効果的といえるでしょう。もちろん、添加剤が含まれているのは確かなので、余計なものは摂取したくないという方は、頑張って野菜を調理して食べるようにすれば良いと思います。