日本の秋の味覚の代表と言われると何を思いうかべますか?「食欲の秋」などとも言われるように、秋は美味しい食べ物が多い時期として有名で、松茸や秋刀魚、柿やぶどうなどをイメージする方が多いと思います。そしてこれらの味覚と並ぶほどの人気を誇るのが『栗』です。

栗は、ご飯として食べることができるだけでなく、ケーキや和菓子などのスイーツにも活用されることもあり、日本人にとっては非常になじみ深い食べ物です。最近では、子供のお菓子として、剥いた状態の甘栗が大手菓子メーカーから販売されているなど、幅広い年代の方から人気の食べ物となっています。

それでは、この栗という食べ物については、「果物なのか野菜なのか?」と聞かれると、どっちだと思いますか?栗は、スイーツなどに用いられるものの、多くの方は野菜の一種という認識が強いと思います。しかし、この答えは、「栗は果物」となり、多くの方を驚かせる情報として取り上げられています。そして実は、栗の雑学では「果物である」という情報よりも、さらに衝撃の事実があるのです。
この記事では、栗がなぜ果物として扱われているのか、またこれ以上の雑学とは何なのかについて解説します。

栗は果物?どう考えても野菜じゃないの?

それではまず、「栗は果物」と分類される理由について簡単に解説していきます。見出しにも記載しているように、栗はその他の果物とはかなりの違いがあるため、果物というよりは野菜に分類されるというイメージを持っている方が多いです。

多くの方の果物のイメージは、水分を多く含んでいて高い糖度を持っている農作物が「=果物」となっています。しかし実は、農林水産省などによる果物と野菜の分類では、水分量や糖度は関係がないのです。そもそも、農作物の中で、最も高い糖度を誇るのは、フルーツではなく「にんにく」と言われていますし、糖度が果物かどうかの分類には関係がないというのは納得していただけると思います。

それでは、果物と野菜は、どのような分類をなされているのでしょうか?これについては、農林水産省の公式サイトより引用してみます。

果樹とは
農林水産省では、園芸作物の生産振興を効果的に推進するため、概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。
従って、一般的にはくだものとは呼ばれていないと思われる栗や梅などを果樹としている一方で、くだものと呼ばれることのあるメロンやイチゴ、スイカ(いずれも一年生草本植物)などは野菜として取り扱っています。
引用:農林水産省公式サイト

上記の通り、農林水産省による分類では「木になる果実=果物」で「草になる果実=野菜」と分けられているのです。栗は、栗の木に実がなりますので、この分類方法で仕分けすると、完全に果物となります。
ちなみに、農林水産省による分類によると、イチゴやメロン、スイカが野菜に分類されているという情報の方が驚きかもしれませんね。

栗の雑学!実は私たちが食べているのは『種』

上述したように、多くの方が野菜に分類されると考えている栗は、実は分類上は果物に該当します。これだけでもそれなりに衝撃のある情報なのですが、栗の雑学の中にはもっと衝撃的な情報があるのです。

栗は、秋の味覚として有名ですが、栗の実が成熟する時には、イガが自然に割れて、中からかたい殻に覆われた果実が現れます。それでは、栗の果実については、どこからどこまでが『実』になるのだと思いますか?この質問に関して、栗好きで良く栗を食べている方でも、「剥いて捨てている硬い部分=皮」で「食べている黄色い部分=実」と考えているはずです。実際に、栗については、分厚く硬い部分を「鬼皮」、その下にある薄いものを「渋皮」と呼んでいます。しかし実は、我々が「皮」と呼んでいる部分が、栗の果実なのです。

それでは、栗として食べている部分は、何なのか?というと、あの部分は栗の「種子」になるのです。文章だと少しややこしいので、下にまとめてみます。

  • ・栗の堅い皮(鬼皮)・薄い皮(渋皮) ⇒ 果実
  • ・栗の食べられる部分 ⇒ 種子

栗に関する衝撃の雑学は、その他の果物とは異なり、果実を捨てるという部分です。一般的に、果物は「果実を食べて種子を捨てる」ものですが、栗はなんと「果実を捨てて種子を食べる」となるのです。「あれ、皮は?」と疑問に感じた方もいるかもしれませんが、栗の皮はイガイガが付いたものが本来の皮なのです。

どうでしょうか?「栗は果物」以上の衝撃の事実だったのではないでしょうか?

まとめ

今回は、秋の味覚として有名な栗の雑学について解説しました。栗は、農林水産省などの分類によると、野菜ではなく果物に属する食べ物です。農林水産省による、野菜と果物の分類は、「木になるか?草になるか?」で分類しており、木に実がなる栗は、この分類方法によると果物になるのです。

栗に関するさらに衝撃の情報は、私たちが食べている栗の実は、じつは種子を食べていて、いわゆる果実の部分を捨てているということです。栗はその他の果物と比較しても、少し考えられないおもしろ雑学があるので、皆さんにも覚えておいてほしいものです。

ちなみに、栗はいわゆる「ナッツ」に近い食べ物なのですが、栄養価としては脂肪分が少なくて、デンプンが多い風変わりな食べ物です。ただ、ミネラルなども豊富で、とてもヘルシーな食べ物なので、旬の時期は是非食べていきたいものだと思いますよ。

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