昨今のぶどう業界では、シャインマスカットが美味しいぶどうの代表格として、世界的に人気になっています。古くは巨峰やピオーネが大粒で美味しいぶどうの品種として人気でしたが、近年のトレンドは種無しで皮ごと食べられるということが人気になっていて、シャインマスカット人気は不動のもののようになっています。

ただ、ぶどうの品種改良は現在でも行われており、現在の王者であるシャインマスカットの存在を脅かすような味の良い品種が続々と登場しています。皆さんも、インターネットで美味しいぶどうを探している時には、耳にしたことがないと感じるぶどうの品種を見かけ、これらがシャインマスカット以上に美味しいのかな…と気になった経験はあるのではないでしょうか?

そこでこの記事では、ぶどう業界でシャインマスカットの次に来ると予想されている新たな品種のぶどうたちをご紹介します。

シャインマスカットを親とするぶどう品種が続々と登場している

シャインマスカットは、美味しいぶどう品種の代名詞のようになっています。現在では、多くの農園がシャインマスカットを栽培するようになっていて、ここ10年程度でシャインマスカットの栽培面積は10倍にもなるとされています。実は、新しい品種と言うイメージの強いシャインマスカットですが、誕生してからはや30年が経過していて、現在では比較的安価に購入できるようになっているのです。

シャインマスカットがこれほどまでの人気を誇るようになったのは、濃厚な甘さとマスカットのさわやかさが同居するなど、その味の良さが大きな要因ではあります。ただ、今までのぶどうとは異なり、皮ごと食べられるという手軽さや、その皮がパリッとした食感で、今までのぶどうにはない楽しみ方をできることが非常に大きかったように思えます。そしてさらに、シャインマスカットは、その他のぶどう品種と比較しても、育てやすいという特徴があり、多くの生産者が異例のスピードで市場に参入したというのが最も大きな要因となっているのです。

そして、昨今のぶどう業界では、業界で一大ブームとなったシャインマスカットを親とした新しいぶどう品種の開発が盛んに行われるようになっています。実際に、鮮やかなグリーンが特徴のシャインマスカットですが、近年ではブラックシャインマスカットと呼ばれる、紫色の品種なども登場していて、ぶどう業界の新たなスター候補として注目を浴びるようになっています。

このほかにも、ライチのような風味を感じるぶどうや、まるでシロップを食べていると感じるほどの甘さを持つぶどうなど、シャインマスカットにかわる新たな品種が続々と開発されているのです。もちろん、味の好みは人それぞれなので、全てがシャインマスカットよりも美味しいと感じるわけではないとは思いますが、ぜひ皆さんにも新たなぶどうのスター候補を知っておいてほしいので以下でご紹介していきます。

新たなぶどうのスター候補をご紹介

それでは、シャインマスカットにかわるぶどう業界の次世代スター候補とみなされている品種をいくつかご紹介します。

ブラックシャインマスカットと呼ばれる「富士の輝」

まずは、ブラックシャインマスカットとも呼ばれる「富士の輝」です。この品種は、シャインマスカットとウィンクを交配してできたもので、シャインマスカット同様、種なしで皮ごと食べられるのが特徴です。ただ、シャインマスカットとその見た目が決定的に異なり、富士の輝は従来のぶどうに似て濃い紫色をしています。

口にすると、シャインマスカットと同じようにシャクシャク、パリッとした食感を楽しむことができます。また、非常に強い甘みを持つことが特徴ですが、その甘さは癖のないスッキリとした甘さなので、いつまでも食べ続けられると感じるほど美味しいと言えます。

富士の輝は、全国のブドウ農家の集まり(JVC)でも「最も栽培してみたいブドウ」に選ばれるなど、まさに次世代のスターぶどう品種と言っても良いと思います。

マスカ・サーティーン

マスカ・サーティーンは、シャインマスカットと上品な甘さを持つ「ロザリオロッソ」を交配した品種です。このぶどう品種は、シャインマスカットの美味しさを凌ぐと言われていて、その濃厚な甘さはまるではちみつのようだとも言われています。

マスカ・サーティーンも、シャインマスカット同様、皮ごと手軽に食べられる品種ですが「シャインマスカットより皮ごと食べ易い」と言われています。この品種は、大粒で食べ応えがあるうえ、いくらでも食べられるような味の良さから生産者の間でも大注目となっています。現時点では、開発されてまだ間もないことかった、苗木が手に入りにくく、栽培している農家が非常に少ないです。

一般市場にはなかなか出回らない希少な高級品種ですが、多くの農家が栽培を望んでいるため、今後栽培面積は一気に拡大していくのではないかと予想されています。

クイーンセブン

クイーンセブンは、シャインマスカットとマヌキュアフィンガーを交配した品種で、皮ごと食べられるトレンドのぶどうとなります。

クイーンセブンの特徴は、なんといってもその甘さで、フルーツの中でもトップクラスの糖度を誇り、最大で27度にも達すると言われています。そのため、クイーンセブンは世界一甘いぶどうとも言われているなど、果物の甘みを楽しみたいという方には非常におすすめの品種と言えます。

まとめ

今回は、ぶどう業界で注目されている時代のスター候補品種について解説しました。

ぶどうと聞くと、シャインマスカットをイメージする方が多くなっている昨今ですが、ぶどうは現在でも品種改良が続けられています。特に現在の品種改良の現場では、世界的な人気を誇るシャインマスカットを親とした改良がおこなわれるようになっていて、ぶどうを栽培する農家も新たなスター品種の登場に期待を寄せている状況です。

記事内で紹介した品種については、既に「シャインマスカットよりも美味しいのではないか…」と言われ始めています。ただ、これらの新しい品種が一般市場に出回るのはまだまだ時間がかかると思うので、いち早く食べたいと考える人は、ネット通販サイトを8月頃より小まめに確認するのがおすすめです。