フルーツの中でも上位の人気を誇るぶどうは、夏場の贈答品としても人気です。実際に、お中元や残暑見舞いなどとして高級ぶどうを毎年頂いているという方も多いのではないでしょうか?

ぶどうは、品種によって異なる食感や味わいを楽しむことができますので、贈答品として頂いたときには誰もが嬉しく思うことでしょう。しかし、「豊かな実り」を象徴するフルーツのぶどうは、なかなか一気に食べることが難しいという方も多いのではないでしょうか?せっかくの頂き物なのに、食べきる前に傷んでしまい、泣く泣く捨てざるを得なかった…なんて経験がある方は意外に多いと思います。

そもそも、フルールなどの青果については、賞味期限が記載されるようなことが無いため、いつまで食べられるのか不安になってしまう人も多い事でしょう。そこでこの記事では、ぶどうの賞味期限に関する基礎知識などをご紹介します。

保存方法ごとのぶどうの賞味期限について

ぶどうは贈答品として頂くこともありますが、最近ではスーパーなどでも普通に取り扱われていますので、手軽に手に入れることが可能です。ただ、大粒のぶどう品種になると、それなりに食べ応えがありますので、購入(頂いた)したその日に全てを食べきる事が出来ないケースも珍しくありません。そのような場合に気になるのが、「いつまで保存しておけるのか?」という賞味期限です。

ちなみに、ぶどうの賞味期限については、保存方法やどの品種なのかによって異なります。ここではまず、保存方法ごとのぶどうの賞味期限の目安をご紹介します。

常温で保存する場合のぶどうの賞味期限

ぶどうは、新聞紙などにくるむなど、乾燥しにくい状態にすれば、常温でも保存することは可能です。ただ、ぶどうの旬は、7月頃から本格的になり、残暑が厳しい9月頃にピークをむかえます。したがって、常温保存の場合、地域によってはかなり高温になってしまうので、基本的には冷蔵庫などで保存するのがオススメです。

購入した、もしくは頂いたぶどうをすぐに食べるつもりという場合は、常温で置いておいても構わないでしょうが、常温保存の場合は賞味期限が短いです。基本的に、常温保存なら2日程度がせいぜいで、最長でも3日までが限界と考えましょう。

冷蔵庫で保存する場合のぶどうの賞味期限

ぶどうは、冷蔵庫の野菜室で保存するのが最も良い保存方法と言えます。したがって、すぐに食べるつもりでも冷蔵保存するのが基本と覚えておきましょう。

そして、冷蔵庫でぶどうを保存した場合、常温保存よりも賞味期限が長くなり、一般的には最大で5日程度は持つとされています。

冷凍庫で保存する場合のぶどうの賞味期限

ぶどうは、品種によっては冷凍保存も可能な場合があります。贈答品としてぶどうを貰ったけど、上で紹介した賞味期限ではとても食べきれない…という場合は、冷凍保存をすると良いでしょう。

冷凍保存が可能なぶどうであれば、冷凍保存することで3週間から1カ月程度まで賞味期限を延ばすことが可能です。

有名ぶどう品種の賞味期限について

ぶどうは品種が非常に多いフルーツとして有名で、日本国内で栽培されている物だけでも60種以上あるとされています。そして、品種によってぶどうの賞味期限が微妙に異なります。ここでは、購入する、もしくは頂く機会が多いぶどう品種の一般的な賞味期限をご紹介します。なお、以下で紹介する賞味期限は、冷蔵庫の野菜室で保存した場合を想定しています。

  • 大衆ぶどうの代表『デラウェア』・・・賞味期限:3~5日
  • ぶどうの王様『巨峰』・・・賞味期限:2~5日
  • 『ピオーネ』・・・賞味期限:2~3日
  • 『シャインマスカット』・・・賞味期限:3~4日

上記の賞味期限は、あくまでも一般論です。実際には、ぶどうの状態や冷蔵庫の環境などによって前後します。ぶどうの賞味期限については、実際に食べる際に、ぶどうの状態などもきちんと確認してください。

賞味期限が切れたぶどうはどうなる?

ここまでの説明で分かるように、冷蔵保存が基本のぶどうは、3~5日程度が賞味期限の目安です。それでは、賞味期限が切れてしまったぶどうは、どうなってしまうのでしょうか?また、どのような状態になったぶどうであれば、「食べない方が良い」と判断すれば良いか気になりますよね。

ここでは、賞味期限が切れたぶどうがどうなり、またどのような状態になれば「傷んだから捨てよう」と判断すれば良いのかをご紹介します。

賞味期限が切れたぶどうは味が落ちる

どのような食べ物でも賞味期限があるのですが、賞味期限は切れたら即座に食べられなくなる期限ではありません。東京福祉保健局の公式サイトでは、以下のように説明されています。

消費期限は安全に食べられる期限で、賞味期限はおいしさなどの品質が保たれる期限です。
引用:東京福祉保健局

これからも分かるように、賞味期限というのは、あくまでも「美味しさ」を保てる期限であり、これを過ぎた場合でも、味は落ちるのですが食べることは可能です。そもそもぶどうは、収穫後から劣化していくものですので、日数が経過するごとに味や風味が落ちていくのは致し方ない事です。したがって、賞味期限が切れたとしても、ぶどうの外観や臭いなどを確かめて、ぶどうの状態に問題が無ければ、食べることは可能です。

「傷んだ」と考えるべきぶどうの状態

どのような食べ物も、冷蔵保存・冷凍保存していても、いずれ食べられなくなる時が来ます。これがいわゆる『消費期限』と呼ばれるもので、人が安全に食べられる期限の事です。もっと簡単に言うと、その食べ物が傷んでしまい、食べた人に健康被害を引き起こす危険が生じる期限ですね。

それでは、ぶどうはどのような状態になれば「傷んでいる」と判断すべきなのでしょうか?まず、外観で分かりやすいポイントは、「果実部分がぶよぶよして形をなさなくなった」場合です。この他にも、ぶどうからアルコール臭など、いつもとは異なる臭いを感じる時や、口に入れた時に刺激的な酸味がある場合、そのぶどうは傷んでいるので食べるのはやめましょう。
冷蔵保存の場合でも、2週間程度放置すると、こういった状態になります。

ぶどうの賞味期限を延ばす保存方法

ぶどうは水分が多いフルーツですので、そもそも賞味期限は長くないと考えてください。ただ、何も考えずに冷蔵庫に入れるのと、ちょっとした工夫を行うのでは、賞味期限の長さが変わります。

ここでは、冷蔵保存と冷凍保存について、少しでもぶどうの賞味期限を延ばすための工夫をご紹介します。

冷蔵保存する場合の工夫

冷蔵保存する場合、水気が劣化を早めてしまう要因となります。意外に多い間違いが、冷蔵庫に入れる前に水洗いし、容器に入れて保存するというやり方です。この方法で保存している人は多いと思いますが、劣化を早めてしまいます。

ぶどうは、表面に白い粉(ブルームと呼ばれます)のようなものがついていて、これを農薬と勘違いして洗う人がいるそうです。しかし、この白い粉は、ぶどうが自ら生成した天然成分が浮き出たものです。この果粉は、雨や朝露などをはじいて病気を防いだり、水分蒸発を防いで鮮度を保ったりする働きがあるので、生産者は果粉が落ちないよう丁寧に扱うほど大切なものです。果粉は、新鮮なぶどうの証拠ですので、洗い流さないようにしましょう。

これからも分かるように、ぶどうを冷蔵保存する時には、水洗いなどはせずに、そのままキッチンペーパーなどで優しく包んでください。そして、外部衝撃などから守るため、容器などに入れて野菜室で保存するのが最適です。こうすることで、湿度や乾燥から守ることができ、通常よりも長持ちさせることができます。

参照:農林水産省公式サイト

冷凍保存する場合の工夫

次は冷凍保存する場合です。なお、冷凍保存する時には、巨峰のような大粒のぶどうとデラウェアのような小粒のぶどうでは少々扱いが変わります。

大粒のぶどうに関しては、水洗いした後、軸から実を外していきましょう。この時に、手で引きちぎるように外すと皮がむけてしまうことがあるので、軸を数mmだけ残してハサミなどで切り落としてください。そして、バラバラになったぶどうは、水気をきちんと切り、ジップロックなどに入れ平らな状態になるようにして冷凍庫に入れてください。

小粒のぶどうについては、水洗いした後に水分をしっかりと除去し、ラップでしっかりと包んでからジップロックなどの専用袋に入れ、冷凍庫に入れましょう。ちなみに、小粒のぶどうは、解凍する必要もなくそのまま食べられるので、保管目的ではなく「美味しく食べるため」に冷凍保存する方も多いようです。

まとめ

今回は、ぶどうの賞味期限について解説しました。この記事でご紹介しているように、水分が多いぶどうは、果物の中でも賞味期限が短めの食べ物です。さらに、旬を迎えるのが、高温多湿の夏場ですので、冷蔵保存が基本となる果物と考えておいた方が良いでしょう。ただ、冷蔵庫に入れていれば、いつまでも長持ちするというわけではなく、冷蔵保存したぶどうでも5日以内に食べるようにしましょう。

ちなみに、ぶどうは加工することで、非常に長持ちするものがあります。例えば、干しブドウ(レーズン)などは、賞味期限が数カ月以上になりますし、ワインなどになると、実質賞味期限がなくなるような加工食品まであります。注意が必要なのは、100年以上寝かせたワインなどが存在するものの、全てのワインが長期間の熟成に適しているわけではないという点です。日本でも人気のボジョレ・ヌーボーや白ワインなどは、1年を目安にして早めに飲んだ方が良いとされるものもあるので「全てのワインはいくらでも長期保存できる」とは考えないでください。さらに、一度開封したワインは、早めに飲み切らないと味が落ちてしまいます。