近年では、スイーツ業界から非常に熱い視線を受けているのが「さつまいも」です。さつまいもは、ゆでたり焼いたりすれば、そのままおかずとして食べることができますし、スイーツにも使用することができるほどの甘さを持っています。最近では、焼き芋専門店が非常に人気になっていて、全国各地に出店が相次いでいるというニュースを見かける機会も多いですよね。

さつまいもは、栗などと並んで秋を代表する味覚の一つとされているのですが、ここで疑問に思う方が多いポイントとして「さつまいもは野菜なの?それとも果物なの?」という問題があります。また、さつまいもは、炭水化物も多く、以前は主食として食べられていたという歴史もあるため、「もしかするとさつまいもは野菜でも果物でもなく、他の分類をされているのでは?」と気になってしまっている方もいるかもしれません。

さつまいもは、焼き芋など、加熱しただけで驚くほどの甘みを感じることができる食べ物ですし、果物に分類しても良いのではと考えている方も多いでしょう。そこでこの記事では、さつまいもの分類や、野菜・果物の定義などについて簡単にご紹介します。

さつまいもの分類について

さつまいもの分類について、一般の人が「何に分類されるのか?」と迷うのは当然と言えます。というのも、さつまいもの分類については、国が行っている調査でも、何に属するのかの分類が定まっていないのが実情なのです。さつまいもの分類は、以下のように各省庁によって異なっています。

  • ・農林水産省の野菜生産出荷統計等・・・いも類
  • ・総務省の家計調査・・・生鮮野菜(根菜)
  • ・厚生労働省の国民健康・栄養調査・・・いも類

このように、国が行う調査でも、省庁によって分類が異なっているのです。さつまいもは、口にすると野菜とは思えないほどの甘みを感じますが、農作物の分類でいえば「野菜」に該当します。ただ、栄養面での分類を見ると「いも及びでん粉類」になるなど、他の農作物と比較しても、非常にややこしい存在なのです。

ちなみに、スーパーなどで販売される場合には、基本的に野菜コーナーに置かれていることが多いのですが、スーパーの規模によっては野菜コーナーと果物コーナーが非常に近くにあり、余計にややこしくなる場合もあります。

野菜や果物、穀物の定義を理解しよう

先ほどご紹介したように、さつまいもは、国が行う調査でもその分類は省庁によって異なるという非常にややこしい存在です。さらに、一般の方からは「さつまいもはスイーツに使えるほど甘いのだから果物だ!」という分類をされているケースもあるなど、一体に何に属するのかが本当にわからない農作物の一つなのです。

そこでここでは、さつまいもの分類を考えるためにも、代表的な農作物の分類の定義について解説します。

「いも及びでん粉類」の定義は?

「いも及びでん粉類」については、あまり聞き馴染みがないと感じた方が多いと思います。これについては、一般的な野菜と比較すると、炭水化物が多く、主食に準ずる食物が該当します。例えば、じゃがいもやサトイモ、ナガイモ・コンニャク・しらたきなどがいも及びでん粉類に該当し、さつまいももここに分類されるとしている省庁もあるのです。

日本では、さつまいもやじゃがいも、サトイモなどに関しては、あくまでも「おかず」という扱いですが、諸外国では主食として食べられていることも多いのです。

「野菜」の定義は?

次は「野菜」についてです。野菜は、食用とされている草本性植物の総称です。

草や地中になる食物が野菜に分類されていて、分かりやすく言うとホウレンソウやキャベツ、レタスなどが該当します。ちなみに、ほとんどの方が「果物」という認識を持ついちごやスイカ、メロンなどは、草本性植物なので日本国内での分類上は野菜になります。ちなみに、野菜も、根菜類・葉茎菜類・果菜類に分類されていて、いちごなどの果物に近いものは果菜類です。

「果物」の定義は?

次は果物です。果物については「糖度が高いものが果物」などと考えている方もいますが、糖度は関係ありません。そもそも、糖度の高さで言えば、ニンニクなどは通常の生にんにくで30~40度、熟成された黒にんにくはなんと50度もの糖度を誇るのです。ただ、にんにくに関しては、糖度が高くても「甘い」とは感じませんよね。

果物の分類は、糖度が高いかどうか、甘いかどうかで分類されているのではなく、主に「果樹になる果実」で食用となるものが定義となります。分かりやすい例をあげると、ぶどうや柑橘、リンゴなどをイメージしていただければ分かりやすいです。
さつまいもは、スイーツに使用されるほど甘い食べ物ですが、果樹になるのではなく、地中で成長し収穫される食物なので果物には該当しません。

「穀物」の定義は?

最後は「穀物」の定義についてです。先ほどご紹介したように、さつまいもは主食として食べられている場所もあります。そして、穀物の定義については「主食かどうか?」で分類されていると考えている方もいるようです。ただ、この考えは間違いで、穀物の定義は「食用になる種子」であることです。

分かりやすい例をあげると、米や麦が穀物に分類されるのですが、大きくとらえると、マメ科の大豆や小豆、トウモロコシやゴマなども、種子の部分が食べられていますので、穀物に入ります。珍しいところで言えば、ひまわりに関しても、食用となるのは種子の部分なので穀物に分類されます。

まとめ

今回は、意外に間違った分類をしている方が多いさつまいもについて、実際にはどのように分類されているのかについて解説しました。さつまいもは、スイーツ業界でも人気の食べ物になっていて、最近では全国各地に「焼き芋」専門店が出店されるようになっています。他にも、スーツの材料としてさつまいもが使われることも多いなど、口に含んだ時に感じる強い甘みのある食べ物として年々その人気が高くなっているのです。

ただ、さつまいもは非常に強い甘みを持っているということから、一部では「果物に分類される食べ物だ」と勘違いされることも増えています。もちろん、美味しければ分類なんてどうでも良いと考える方が多いと思うのですが、さつまいもは果物に分類されるのではなく、農作物上の分類は野菜で、栄養面での分類は「いも及びでん粉類」となります。

どちらにせよ、さつまいもは、非常に味が良く、さらに主食にされるほど栄養が豊富な食べ物ですので、ぜひ秋の味覚として楽しんでみてはいかがでしょう。

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