日本人にとって最もなじみ深い果物の一つがバナナです。バナナは、スーパーの店頭などで一年中購入することができますし、さらに他の果物と比較すると、かなり安く手に入れることができるため、毎日の朝食としてバナナを食べているという方も多いと思います。

それでは、日本国内どこにいても一年中手に入れることができるバナナという果物には、「旬の時期」というものはないのでしょうか?どのような季節でも見かけることができ、気軽に手に取れる果物であることから、バナナには旬がないのではないか…と考えてしまっている方が多いと思います。しかし、当然のことながら、他の果物同様に、バナナにも旬の時期というものが存在します。

どのような果物でも、一番美味しく食べることができるのが旬の時期のものと言われていますので、バナナ好きの方はこの果物の旬は知っておきたい物なのではないでしょうか?そこでこの記事では、年中お手頃価格で手に入れることができるバナナについて、美味しく食べられる旬の時期や適切な保存方法を解説したいと思います。

バナナにも旬の時期はあるのか?

バナナは、冒頭でご紹介したように、スーパーや八百屋さんで一年中手に入れることができる果物として有名です。他の果物よりもお手頃な価格で販売されていることもあり、まさに大衆フルーツの代表と言っても良い存在になっています。

ただ、バナナが一年中手にはいる果物だとは言え、他の果物のような「旬の時期」が無いわけではありません。日本国内で、一年中店頭に並ぶバナナですが、これはフィリピンやエクアドル、メキシコなど、年中温暖な気候の地域から輸入していることが要因です。ちなみに、日本における果物の輸入量ランキングでは、バナナが約106万トンと一位になっています。また、2位であるパイナップルは約16万トンですので、どれだけ圧倒的な輸入量なのかはよくわかっていただけると思います。

バナナは、マレー半島が原産の果物ですが、現在は熱帯地方を中心に世界中で栽培されています。そして日本国内でも、比較的温暖な地域ではバナナの栽培がおこなわれており、国産のバナナには旬の時期が存在します。

参考:主要輸入果物の輸入数量(2020年)

バナナの旬の時期は?

スーパーなどで販売されているバナナについては、そのほとんどが輸入品であるため旬はありません。しかし、上述のように、日本国内でも沖縄県や奄美大島、石垣島など、比較的温暖な気候の地域ではバナナの栽培がおこなわれており、この地域のバナナは収穫時期が限られています。

日本国内で栽培されるバナナの旬は、早いもので5月下旬ごろから、遅いものになると10月頃まで収穫が可能とされています。旬の時期というのは、一般的に収穫のピークの時期を指していますので、国産バナナの旬は7月~9月までと言えるでしょう。

旬のバナナは、美味しいうえに栄養満点

バナナは、一年中手に入れることができるうえに、安価で栄養価が豊富と、毎日食べる果物としては正にうってつけと言えるのではないでしょうか。食べる際も、手で皮を剥けばそのまま口に入れることができますし、手が汚れることもないため、どこでも気軽に食べられる果物として、私たちの生活にとてもなじみ深い果物となっています。

そして、バナナの中でも旬の時期に収穫されたバナナは、味が濃厚で甘みと酸味のバランスが非常に良いと言われています。スーパーなどで手に入れられる輸入品のバナナは、なめらかでさっぱりとした味わいのものが多いのですが、国産の旬の時期に収穫されたものは、より濃厚な味ともっちりとした食感を楽しむことができると言われています。

ちなみに、バナナが朝食などとしても適しているとされるのは、非常に豊富な栄養素が含まれているからです。バナナは、便秘の改善や血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維が豊富に含まれていますし、むくみや高血圧の改善が期待できるカリウム、たんぱく質や糖質、脂質の代謝を助ける働きがあるビタミンも多く含まれています。さらに、ミネラルや葉酸などもバランスよく含まれていることもあり、毎日の習慣として口にする果物に適していると考えられているのだと思います。他にも、果物の中では安価に購入できる、適度な満腹感を感じられるボリュームがあるなども人気の理由なのではないでしょうか。

バナナの保存方法について

それでは次に、スーパーなどで購入したバナナについて、出来るだけ良好な状態を長く保つために知っておきたい適切な保存方法をご紹介していきます。バナナは、複数本が一塊になった「房」単位で購入する場合が多いため、短期間に食べきることが意外に難しいです。

そのため、せっかく購入したバナナについて、最後の方は「バナナの実が黒く変色している…」なんて残念な事になる場合が多いです。ここでは、せっかく購入したバナナについて、出来るだけ長く良い状態を保つためのポイントや、季節ごとの保存時の注意点をご紹介します。

基本的なバナナの保存方法について

まずは、バナナの保存に関しておさえておきたい基本事項をご紹介します。バナナの美味しさをできるだけ長く楽しみたいと考えるのなら、以下のような点に注意して保存しましょう。

  • 常温で風通しのよい場所で保存
    バナナは、包装袋から取り出し、直射日光が当たらない場所で保存しましょう。保存環境としては、14~20℃くらいの気温で、風通しの良い場所が理想です。
  • 吊り下げて保存
    バナナの房を、仰向け状態にして保存しておくと、房全体の荷重がテーブルなどと接しているバナナそのものにかかってしまいます。そして、その部分が早く傷んでしまい、黒く変色する原因となります。こういったことを避けるためには、バナナスタンドを用意して、吊り下げ状態で保存するのが良いです。果物や野菜は、生育する姿に近い状態を保ってあげることが良好な状態を保つコツになります。なお、吊り下げできるスタンドが無い場合、カーブしている部分が上に来るように置くのがおすすめです。
  • 1本1本切りはなして保存
    バナナは追熟する果物で、房のまま保存しておくと、バナナ同士のエチレンガスによって追熟が早く進みます。したがって、美味しく食べられる状態になったバナナは、房から外し、1本1本保存しておく方が長持ちします。
  • 好みの状態になれば冷蔵庫で保存
    バナナは、温暖な地域で栽培される果物なので、低温に弱いです。実際に、冷蔵庫の中で保存すると、低温障害で皮が真っ黒になり見た目が悪くなります。しかし、低温障害により黒くなったとしても、食べられなくなるわけではありません。冷蔵庫での保存の良いところは、それ以上追熟が進まなくなるという点ですので、常温保存で好みの状態になったバナナが残っていれば、追熟を止めるためにも冷蔵庫に入れて保存するのがおすすめです。なお、冷蔵庫に入れる際には、新聞紙で包みビニール袋などに入れて、野菜室を選びましょう。新聞紙で包んでおけば、冷気が直接バナナに当たるのを防げますし、湿度を程よい状態で保つことができます。なお、冷蔵庫で保存した場合、しばらく常温で放置してから食べる方が甘みを感じることができます。

バナナの基本的な保存方法は上記の通りです。

季節ごとのバナナ保存時の注意点

バナナは、温暖な地域で育つ果物なので、四季のある日本は季節ごとに保存に関する注意点が変わります。春や秋など、極端な高温や低温にならない季節は問題ないのですが、真夏や真冬はいくつかの注意点が存在しますので以下でご紹介します。

  • 夏場のバナナの保存について
    気温が高い夏場は、バナナの追熟が早く進みます。したがって、その他の季節と同じように、ゆっくりと食べていると想定以上に傷むのが早く、数本のバナナをダメにしてしまう…なんてことになりかねません。こういったことを防ぐには、食べごろになったバナナについて、すぐに食べないものは冷蔵庫の中で保存するという方法です。冷蔵庫に入れれば、追熟が止まりますので、食べごろの状態を幾分長く保つことができます。
  • 冬場のバナナの保存について
    バナナは、気温が13.5℃以下になると追熟が止まります。したがって、スーパーなどで購入したバナナを何も考えずに寒い場所に放置してしまうと、追熟が進まず好みの状態にならない…なんてことになります。したがって、冬場のバナナは、リビングやダイニングなど、室温がある程度高く維持されている場所で保存するようにしましょう。

上記の通り、バナナは季節によって保存時の注意点が変わります。きちんとポイントを抑えて保存するようにしましょう。

まとめ

今回は、日本人に最も馴染みのある果物と言っても良いバナナについて、バナナの旬や美味しさを長く保つための保存方法をご紹介しました。

バナナは、スーパーなど身近な店舗で一年中販売されていることもあり、「バナナは旬の時期はないのかな?」と不思議に感じる方が意外に多いようです。当然、バナナにもその他の果物と同様に旬の時期は存在します。ただ、日本国内で流通するバナナのほとんどは、温暖な地域からの輸入品となっているため、季節に関係なく店頭に並べることができるのです。

そしてバナナは、温暖な地域で栽培される果物という特徴があることから、寒さに弱いということも覚えておきましょう。何も考えずに冷蔵庫で保存してしまうと、バナナの皮が真っ黒に変色してしまうなんてことになります。ちなみに、冷蔵庫にバナナを入れて黒く変色した状態は、腐ったというわけではありません。これは、低温障害によりバナナの皮が変色しているだけで、実の部分は何の影響も受けていない場合がほとんどです。ただ、低温環境に置くと、バナナの追熟が進まなくなりますので、その点には注意してください。

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