近年、果物ギフト業界でも非常に高い人気を誇っているのがマンゴーです。マンゴーは、さまざまなフルーツの中でも、「高級」というイメージがあることから、フルーツギフトとしてメロンやブドウなどと並んでトップクラスの人気を誇るようになっています。

ただ、日本国内では、まだまだ歴史の浅いフルーツであることから、最も美味しく食べられる旬の時期などの基本的な情報を知らない方は少なくありません。マンゴーは、2002年にマンゴープリンが一時ブームになったことをきっかけとして、一気にその人気に火が付いた果物ですので、日本国内での流通に関しては、まだ20年ほどの歴史しかないのです。

そこでこの記事では、多くの方が好きな果物ランキングで上位に上げるようになったマンゴーについて、「マンゴーの旬の時期は?」という質問にお答えしてみたいと思います。

マンゴーの基礎知識

それではまず、日本でも人気が急上昇しているマンゴーについて、このフルーツの基礎知識を簡単にご紹介します。

マンゴーは、ウルシ科に属するフルーツで、主に気温の高い南国で栽培されています。ちなみに、詳細は後述しますが、マンゴーにもいくつかの種類が存在していて、日本国内でよく見かけるマンゴは、「アップルマンゴー」と呼ばれる種類で、赤身を帯びた見た目で芳醇な甘味と果汁が特徴となります。

マンゴーは、そのあまりの美味しさから、「チェリモヤ」「マンゴスチン」と並んで、世界三大美果の一つに上げられています。日本では、マンゴーそのものではなく、マンゴープリンが一時大ブームになったことから、その後、マンゴー味のスーツがどんどん増えていき、マンゴーの生食も定着したといった感じになっています。フルーツとしてのマンゴーの認知拡大は、宮崎県が特産フルーツとして全国的に一大PR活動を行ったのも大きな要因だと思います。

海外では古くから栽培されている

冒頭でご紹介したように、日本国内では2002年頃にマンゴー味のスイーツがブームになったことをきっかけに、生食用のマンゴーの認知が拡大していきました。つまり、日本では約20年ほどの歴史しかない、かなり新しいフルーツの一つなのです。

ただ、諸外国では、日本とは比較にならないほどの歴史があるフルーツとして有名です。例えば、原産地であるインドについては、なんと4000年以上前からマンゴーが栽培されていたという記録が残っているそうです。現在では、原産地以外のさまざまな国で生産が行われるようになっており、その品種の数も増えていて、500種類以上あるとされています。

ちなみに、日本国内では生食やジャムなど、マンゴーの甘さを生かす食べ方が主流となっています。しかし、東南アジアなどでは、スイーツ的な食べ方ではなく、漬物風に加工された塩漬けマンゴーという食べ方がされる場合もあるようです。

日本国内で流通するマンゴーの産地と旬について

近年では、スーパーなどでマンゴーが販売されているのを見かける機会も増えているなど、身近なフルーツになってきたように感じます。それでは、日本国内で流通するマンゴーは、どのような場所で作られているのでしょうか?

ここでは、日本国内で食べられているマンゴーについて、主な産地や産地ごとの旬の時期をご紹介します。

マンゴーの産地

皆さんが普段見かけているマンゴーについては、日本国内で栽培されたものだけでなく、海外から輸入されているマンゴーも少なくありません。国内に流通するマンゴーについては、以下のような場所で生産されています。

  • 日本国内の主なマンゴーの産地
    日本のマンゴーの産地と聞くと、宮崎県をイメージする方も多いとと思います。ただ、国産マンゴーの生産量については、沖縄県が圧倒的で、全国シェア率でも50%を超えていると言われています。宮崎県は、それに次いで第二位に位置していて、約3割ほどのシェア率になるそうです。ちなみに、鹿児島県でもマンゴーが栽培されており、約1割のシェア率です。つまり、国産マンゴーは、そのほとんどが九州地方で栽培されているわけです。
  • 輸入マンゴーの主な産地
    日本国内で流通するマンゴーは海外からの輸入品も多いです。輸入マンゴーの産地は、約50%をメキシコ産が占めていて、次いでタイやフィリピン、台湾などの物が続きます。ちなみに、世界のマンゴーの生産量では、原産国であるインドが圧倒的に多いです。次いで、中国、タイ、インドネシアなどとなります。

参照:農林水産省「果樹に関する統計データ

マンゴーの旬

次は、マンゴーが美味しく食べられる旬の時期についてです。一般的に、マンゴーの旬は「4月下旬頃~8月」にかけてと言われますが、輸入マンゴーや冷凍マンゴーなども含めると、年間を通してマンゴーを口にすることができるようになっています。

ここでは、国内で生産されるマンゴーと、輸入マンゴーに分けて、それぞれの旬の時期をご紹介します。

  • 国内産マンゴーの旬の時期
    日本国内で栽培されるマンゴーについては、4~8月頃に多く出回ります。なお、品種によって旬の時期が微妙に異なるのですが、一般的に出回っているアップルマンゴーと呼ばれる品種の場合、6~7月が旬です。これよりもサイズが大きいという特徴があるキーツマンゴーについては、8月下旬~9月頃が旬の時期になります。
  • 輸入マンゴーの主な産地
    国内産マンゴーの旬の時期は、3カ月程度となりますので、短い時期しか楽しめないと残念に感じる方も多いですね。ただ近年では、輸入品のマンゴーが多く出回るようになっているため、ほぼ一年中マンゴーを手に入れることができるようになっています。例えば、メキシコやオーストラリアからマンゴーが輸入されていますが、これらは日本とは気候が真逆になるので、日本では気温が低くなる10月頃から翌3月まで輸入することができるのです。この他、タイなどのマンゴーは、2月頃から7月に旬を迎えます。

上記のように、国内産マンゴーと輸入マンゴーの旬の時期がずれていることから、1年中マンゴーを手に入れることができるようになっています。ちなみに、国内産マンゴーでも、沖縄県と宮崎県では旬の時期が微妙に異なります。これは、沖縄県はもともと気温が高い為、加温などをせずに可能な限り自然栽培がなされる、宮崎県は「加温栽培が主流」という栽培方法の違いがあるからです。

主なマンゴーの品種について

それでは最後に主なマンゴーの品種について解説します。日本国内では、アップルマンゴーと呼ばれる品種を見かける機会が多いですが、これ以外にもさまざまな品種が存在します。

ここでは、品種ごとの特徴についても簡単にご紹介します。

アップルマンゴー

アップルマンゴーは、上述しているように、日本国内で最もポピュラーなマンゴーです。ネット通販やスーパーなどで見かけるマンゴーの多くは、このアップルマンゴーと呼ばれる品種のはずです。アップルマンゴーは、果皮がリンゴのように赤いマンゴーの総称で、実はその品種はさまざまです。沖縄県や宮崎県などで栽培されているマンゴーは、アップルマンゴーの中でも「アーウィン種」と呼ばれるものです。

アップルマンゴーは、非常に濃厚な甘みを持っており、果肉が柔らかいのが特徴です。非常に味が良いことから、贈答用に栽培されている物になると一玉で1万円以上の値が付くことも珍しくありません。

グリーンマンゴー

グリーンマンゴーは、名前の通り、果皮が緑色をしたマンゴーです。一見すると、まだ熟れていないマンゴーのように感じますが、このタイプのマンゴーは完熟した状態でも果皮の色が緑色です。ちなみに、グリーンマンゴーは、キーツ種と呼ばれるマンゴーの一種です。

グリーンマンゴーは、アップルマンゴーよりも大ぶりで、甘みと酸味がまろやかなのが特徴です。主に沖縄県で栽培されていて、アップルマンゴーの旬が終わる8月頃から出荷され始め、9月にかけて見かける事が多いです。旬の時期が、お中元の時期を過ぎてしまうため、マンゴーの需要の問題などもあるのか、アップルマンゴーよりも生産量はかなり少ないです。完熟を迎える時期が、台風シーズンに入ってしまうことも栽培が避けられている理由かもしれませんね。

ペリカンマンゴー

ペリカンマンゴーは、面白い名前のマンゴーですね。この名前は、マンゴーの形状から来ており、ペリカンのくちばしの見た目によく似た形の実がなることからこう呼ばれているそうです。

ペリカンマンゴーは、主にフィリピンで栽培されている品種で、国内で栽培されているマンゴーが旬を迎える前の3~5月頃が旬となります。ペリカンマンゴーは、香りが控えめで、酸味と甘みのバランスが非常に良いのが特徴です。また、アップルマンゴーよりも繊維が少ないため、口当たりがなめらかです。マンゴーが苦手の方でも比較的食べやすい品種なのではないでしょうか?

ちなみに、ペリカンマンゴーは、国内で年間を通して流通していますが、旬の時期に収穫されたものは、より強い甘みを持つと言われていますので、ペリカンマンゴーを購入する時には収穫時期をチェックしましょう。

タイマンゴー

タイマンゴーは、マンゴーの品種を表すのではなく、タイで栽培されたマンゴーの総称です。タイでは、60品種以上のマンゴーが栽培されていて、その中のどれを「タイマンゴー」と指すのかは明確な定義がありません。日本では、マハチャノ、ナムドクマイなどの品種が流通しています。

タイマンゴーの特徴は、ペリカンマンゴーの形によく似ているものの、サイズが若干大きくなります。味はしっかりとしたコクがあるとされています。

ピーチマンゴー

ピーチマンゴーは、アップルマンゴーと同じように名付けられたマンゴーです。要は、果皮が桃のように色づくことからピーチマンゴーと呼ばれるようになったのです。ちなみに、正確な品種で言うと、オーストラリアなどで栽培されているケンジントン・プライド種を指していて、これの愛称がピーチマンゴーです。

まとめ

今回は、日本人にも非常に高い人気を誇るマンゴーについて解説しました。マンゴーは、2002年頃にマンゴープリンなどのスイーツが一大ブームとなったことをきっかけとして、生食用フルーツとしても人気が急上昇しています。現在のところ、日常的に食べる果物というよりは、贈答用の高級フルーツというイメージが強いかもしれませんね。

しかし、日本国内でもマンゴーを好む人が増えていることもあり、安価な輸入マンゴーも増えています。最近では、コンビニやスーパーなどで、安価なカットマンゴーが販売されていて、つい手に取ってしまうという方も多いのではないでしょうか?

ちなみに、国内産マンゴーと輸入マンゴーについては、基本的に国内産のマンゴーがおすすめですよ。というのも、輸入マンゴーは、長距離輸送が前提で収穫されていますので、完熟よりもかなり手前で収穫し、船の上で追熟させるのが一般的です。一方、国内産のマンゴーは、輸送距離が短いため、樹上でギリギリまで熟すのを待つことができ、より多くの栄養を取り込むことができるため、味が良くなるのです。もちろん、国内産マンゴーの方が高値をつけられている場合が多いので、悩ましいとこではありますが、「美味しいマンゴーを食べたい!」と考えるなら国産を選びましょう。

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