さまざまなフルーツの中でも、特に栄養素を多く含むと人気なのがキウイフルーツです。キウイフルーツは、ビタミンが豊富に含まれていることから、風邪予防や健康的な皮膚づくりに欠かせないと考え、毎日の朝食などでキウイフルーツを食べているという方も多いのではないでしょうか?

一般的に、フルーツは食べられる時期は限られているものが多いのですが、キウイフルーツに関しては、輸入される外国産の物と国産のキウイの収穫時期がちょうど良い感じにずれているため、スーパーなどでも一年中手に入れることが可能です。ちなみに、輸入物のキウイは、そのほとんどがニュージーランド産で、5~12月頃が旬とされています。その一方、国産のキウイは、10~11月頃に収穫され、12月~翌3月頃に市場に出回るようになります。これを見ても分かるように、日本では、毎日欠かさずにキウイフルーツを食べることができる下地が整っているのです。

ただ、毎日食べるフルーツだからと、一度の大量に購入してしまうと、食べきれずに腐らせてしまうことがあります。キウイは、その他のフルーツよりも傷みにくいと言われていますが、生ものなのは間違いないので、いずれ腐って食べられなくなってしまいます。そこでこの記事では、傷んだキウイを誤って口にしないようにするため、腐ったキウイに生じる症状について解説します。

キウイフルーツの日持ちについて

まずは、キウイフルーツがどの程度日持ちするのかについて簡単にご紹介します。キウイフルーツのような果物は、スーパーなどで購入する際も、明確な賞味期限が記載されているわけではありませんし、購入者が腐ったかどうかを見極める必要があります。

キウイフルーツが腐った際に生じるサインについては後述するとして、ここではまず、一般的なキウイフルーツの日持ちをまとめてみます。なお、キウイフルーツの日持ちは、保存方法(常温か冷蔵か冷凍か?)やキウイフルーツの状態などによって変わります。以下に大まかな目安をご紹介しますので、ぜひ覚えておくと良いでしょう。

  • ・未熟なキウイ・・・常温で3~5日
  • ・キウイ(完熟)・・・冷蔵の場合1週間
  • ・キウイ(完熟)・・・冷凍の場合は数カ月

キウイは、収穫後に追熟する果物です。まだ未熟な状態のキウイは、常温で追熟させる必要があるのですが、この場合の賞味期限は3~5日が目安となります。完熟した場合は、冷蔵庫に入れて保存するのが一般的で、1週間程度は日持ちさせることが可能です。なお、冷凍保存の場合は、1カ月以上とかなり長く保存できるものの、食感などが変わる可能性が高いため、その点は注意しましょう。

キウイフルーツは傷みにくい

キウイフルーツは、その他の果物と比較すると、長く保存することができると言われています。キウイの保存期間が長いのは、以下のような理由からです。

  • ①皮が厚いため、外部からのダメージや乾燥を防ぐことができる
  • ②キウイは、他の果物よりもエチレンガスの生成が少なく、熟成が遅い(=腐りにくい)
  • ③冷蔵など、低温環境に置くとエチレンの影響をさらにおさえられ、熟成が遅れる
  • ④ビタミンCを豊富に含んでいる(ビタミンCは酸化防止効果があり、劣化を遅らせる)
  • ⑤キウイは、果肉の水分がしっかりと細胞内に保持されています。そのため、腐敗菌やカビの繁殖を抑制できます

上記のような理由から、他のフルーツと比較すると、キウイは腐りにくく日持ちするとされます。ただ、あくまでも日持ちが良いだけで、腐らないわけではないので、傷む前に食べきりましょう。

キウイが腐るとどうなる?

それでは、キウイが腐った時に生じるサインについて解説します。先ほどご紹介したように、キウイは、他の果物と比較すると、日持ちが良いのは間違いないのですが、決して腐らないというわけではありません。したがって、誤って腐ったキウイを食べないようにするためにも、どのような症状が出るのかを知っておきましょう。

味の変化について

キウイフルーツが腐った時には、味に変化が生じます。キウイを口に入れた時、以下のような異変を感じた時には、すぐに吐き出し、廃棄するようにしましょう。

  • ・不自然なほど強く酸っぱい味がする
  • ・強い苦みがある
  • ・舌にピリピリした刺激を感じる

キウイは、完熟すると酸味が少なくなり、強い甘みを感じることができるようになります。しかし、完熟を通り過ぎ、腐ってしまったキウイは、甘味が抜けてしまい、不自然に酸っぱい味に変わるのです。したがって、未熟なキウイではなく、十分に完熟させたはずのキウイを口にしたとき、強い酸味を感じた場合は、腐っていると判断したほうが良いでしょう。また、腐ったキウイは、苦みやえぐみ、渋みなども強くなるので、そういったキウイも廃棄したほうが良いです。

見た目・色・感触の変化について

果物が腐った時には、見た目や手で触れた時の感触などに変化が生じます。以下のような状態のキウイフルーツは腐っている可能性が高いです。

  • ・キウイの表面にカビが生えている
  • ・皮が割れ表面から水分が出てきている
  • ・手で持つと潰れる、形が崩れる
  • ・ぐにゃぐにゃに柔らかくなっている
  • ・小さくしぼんでしまい、しわがある
  • ・切ってみると中心が赤茶色になっている

キウイは、傷んでしまい腐ると、本来は張りのある表面にシワなどができてしまい、しぼんでしまいます。その他にも、表面にカビが生えたり、実が崩れて水分が表に出てきたりするのですが、このような症状が出ているキウイは、既に腐っていると判断できるため、食べるのは控えましょう。キウイは、手で持った時、しっかりと固さを感じられる果物で、つぶれたり崩れたりするようなことはありません。完熟した時には、少し弾力を感じることはあると思いますが、不自然につぶれるほど柔らかくなっているものは腐っています。

なお、キウイを半分に切ってみた時、中心部分が赤茶色に変色している場合、傷み始めている証拠です。味や匂いなどに変化が生じていないか、よく確認して、食べられるかどうかを判断しましょう。

※キウイの中でも「レインボーレッド」と呼ばれる品種の場合、中心の種近くが赤くなっているのが通常の状態です。

ニオイの変化について

最後は、臭いの変化についてです。通常の食品の腐敗臭とは異なり、キウイが腐った際には、以下の様な臭いを発します。

  • ・アルコールのような発酵臭がする
  • ・酸っぱい匂いがする

キウイが腐った時には、酸っぱい臭いやアルコールに似たニオイを発します。これは、キウイの内部で、糖が酵母によりアルコール分解されるのが要因です。通常のキウイとは異なるニオイを感じた時には、食べずに処分するのが良いでしょう。

まとめ

今回は、その他の果物と比較すると、日持ちが良いとされているキウイフルーツについて、これが腐った時に生じる症状について解説しました。

キウイは、非常に豊富な栄養素を含んでいるため、毎日朝食などとして口にしているという方は多いはずです。キウイは、冷蔵庫などで保存すると、日持ちも良いため、スーパーなどでまとめ買いしても、傷んだ食べられなくなってしまう…なんてケースは少ないように思えます。ただ、あくまでも日持ちが良いだけで、腐らないわけではないので、その辺りは注意が必要です。

例えば、追熟させようと常温で保存していた際、想像以上の気温が高くなってしまう、常温保存していたのを忘れてしまっていた…なんて時には、食べごろを通り過ぎて腐らせてしまうこともあるでしょう。当然、腐ったキウイを食べてしまうと、腹痛や吐気など、食中毒の症状が現れてしまうので、記事内で紹介した状況のキウイは食べずに廃棄するようにしましょう。