今回は、一般の方が自宅でドライフルーツを作る方法をいくつかご紹介したいと思います。フルーツと言えば、生のまま食べる食品で、豊富な水分を含んでいて瑞々しさや爽やかさを楽しむことができます。ただ、多くのフルーツは、水分を豊富に含んでいることが要因で、その他の食品と比較しても日持ちがそこまで良くないという問題点が存在します。

特にフルーツに関しては、季節の贈答品として利用される機会も多く、時に賞味期限までに食べきることが難しいほど、大量のフルーツを頂く機会も珍しくありません。このような場合、もったいないと思いながらも食べきれなかったフルーツを廃棄せざるを得なかったり、ご近所さんにおすそ分けするといった対処が一般的ですが、ちょっとした工夫を施すことで、長持ちさせることができるのです。

それが、ドライフルーツにするという方法で、フルーツ内の水分を飛ばすことで、長期保存を可能にする加工方法となります。実は、ドライフルーツというのは、一般の方でも意外に簡単に作ることができますので、ここではいくつかの手法について解説したいと思います。

ドライフルーツを作る方法

ドライフルーツは、スーパーなどで購入する物で、自分で作ることはできないと考えている方が多いかもしれません。実際に、今までドライフルーツを食べたことはあっても、作ったことがあるという人はほとんどいないのではないでしょうか?

しかし、ドライフルーツは、フルーツに含まれている水分を飛ばすだけの加工食品ですので、製法はそこまで複雑ではなく、誰でも簡単に作ることができるのです。さらに、ドライフルーツは、特別な道具を用意しなくても作ることができますので、家に大量のフルーツがあるという方はぜひ試してみてほしいです。

ここでは、誰でも簡単にできるドライフルーツの製造方法をご紹介します。

①天日干し

古くからドライフルーツを作るために行われてきた王道の手法が「天日干し」です。ちなみに、ドライフルーツ以外の乾物も、天日干しで作られている食品が多いです。天日干しは、ザルや干し網を用意して、日当たりの良い干す場所さえあれば良いので、誰でも簡単に作ることができます。ザルや干し網はホームセンターなどで販売されていますし、道具についても特に困ることはないと思います。

天日干しによるドライフルーツを作る手順についてもとても単純で、以下の方法で作ると良いです。

  • ①お好みの果物をスライスする
  • ②スライスした果物を重ならないようにザルに並べる
  • ③日当たりと風通しが良い場所にザルを設置する
  • ④外に出す場合、朝にザルを出して夕方には取り込む

ドライフルーツを天日干しで作る場合でも、屋内で天日干しする場合と屋外で干す場合があります。屋内の場合、ザルの出し入れが必要ないので手間がかかりませんが、屋外よりも時間がかかります。屋外で天日干しする場合は、天気の変化などに注意しなければいけません。

【天日干しの注意点】
天日干しをする場合、以下のような点に注意しましょう。

  • ・悪天候(雨や強風)になってきた場合、速やかに屋内に避難させる
  • ・湿気が多い時期はカビが生えやすいので注意
  • ・果物の種類や天候、環境によってドライフルーツになるまでの期間が変わる
  • ・屋外に出す場合、鳥害に遭わないため必ず干し網の中に入れる

天日干しは、特別な道具は必要とせず、コストは最もかからない方法なのですが、ドライフルーツになるまでの時間は最もかかります。ドライフルーツは、果物に含まれる水分を飛ばすという加工なので、スライスの仕方や果物の種類、乾燥させている場所の気候条件などによって、出来上がるまでの時間が大きく変わります。

日本は、湿度が高い気候ですので、本来はドライフルーツの製造にあまり向いていないとされているのですが、好天が続く秋や真夏であれば天日干しでも美味しいドライフルーツを作ることは可能です。なお、条件が良い場合でも、2日程度は干す必要があるでしょう。

②電子レンジを使う

現在では、ほとんどのお宅で利用されている電子レンジですが、実は電子レンジを使ってドライフルーツを作ることができるのです。上で紹介した天日干しよりも短時間でドライフルーツになりますし、天候などにも左右されないという利点があるので、ぜひ試してみてはいかがでしょう。

電子レンジでドライフルーツを作る場合、以下の手順で進めると良いでしょう。

  • ①お好みの果物をスライスする
  • ②スライスした果物の表面に残る水分をキッチンペーパーでとる
  • ③大皿などを用意してクッキングシートを敷き、その上にスライスした果物を並べる
  • ④果物が焦げないよう、20から60秒で加熱する
  • ⑤加熱で果物表面に水分が出るのでキッチンペーパーでとる
  • ⑥クッキングシートが湿ってきたら交換する
  • ⑦4~6の工程を繰り返して乾燥させる
  • ⑧好みの状態を見極め、果物を取り出す
  • ⑨日当たりの良い窓際に果物を置き、ドライフルーツを完成させる

電子レンジを使えば、短時間でドライフルーツを完成させることができます。ただ、焦げないように小まめに水分を拭き取るなど、手間は少しかかります。

【電子レンジの注意点】
電子レンジを利用してドライフルーツを作る場合、以下のような点に注意しましょう。

  • ・果物が焦げないように、小刻みに加熱する
  • ・電子レンジの場合、乾燥具合にムラが生じる

電子レンジは、小まめに加熱しながら水分を拭き取る必要があります。この手間を省いてしまうと、果物が焦げてしまい、とても食べられないような状態になってしまうのです。また、長時間電子レンジにかけると、果物が発火する恐れがあるため、必ず20~60秒程度で小まめに加熱していきましょう。
電子レンジの大きさによっては、一気に大量のドライフルーツを作れませんが、短時間で作ることができるので、「ちょっとだけ果物が余った…」なんて時に試してみてはいかがでしょう。

③オーブンを使う

自宅にオーブンがある方は、オーブンを使ってドライフルーツを作ることが可能です。電子レンジよりもかなり手間なくドライフルーツを作ることが可能なので、オーブンを持っている方は是非試してみましょう。

オーブンでドライフルーツを作る方法は、以下の手順です。

  • ①お好みの果物をスライスする
  • ②オーブン用の皿にクッキングシートを敷き、スライスした果物を並べる
  • ③オーブンを100℃に設定し、余熱無しで60分を目安に加熱します(スライスの仕方などで時間は変わるので様子は小まめに確認しましょう)
  • ④果物の表面が乾燥したら裏返して30分を目安に加熱する

オーブンを使えば、上記の手順でドライフルーツを作ることが可能です。電子レンジのように、小刻みに加熱するといった手間がないので、非常に簡単にドライフルーツを作れます。

【オーブンの注意点】
オーブンでドライフルーツを作る際は、以下のような点に注意しましょう

  • ・オーブンの機種、果物の種類・状態により加熱時間が異なる
  • ・ドライフルーツに焼き色がつくようならアルミホイルを被せる(焦げ付き防止)

上記でご紹介した加熱時間はあくまでも目安です。果物の種類やオーブンの機種によっては、もっと短時間で乾燥する場合もありますし、その逆に60分以上加熱しなければならない場合もあります。
したがって、様子を見ながら焦げ付きや発火をしないように、加熱時間を調節しましょう。何度かドライフルーツを作っていれば、自分なりの最適な加熱時間が分かってくると思いますので、最初は失敗しても良いので挑戦してみましょう。

④フードドライヤーを使う

フードドライヤーは、年々その人気が高くなっている家電製品で、ドライフルーツを始めとした食物を乾燥させることに特化した調理器具です。ドライフルーツ以外にも、乾燥野菜やビーフジャーキーなど、ドライフードを作ることができるアイテムとして注目されています。

まだ持っているという方の割合はそこまで多くないと思いますが、これを用意するとドライフルーツを失敗せずに作れる可能性が一気に高くなります。

フードドライヤーを使ったドライフルーツの作り方は以下の通りです。

  • ①お好みの果物をスライスする
  • ②フードドライヤー内の食物を載せるスペースにスライスした果物を並べる
  • ③時間と温度を設定し加熱開始(機器ごとにドライフルーツ用の設定があると思うので取扱説明書などで確認しましょう。)
  • ④様子を見ながら加熱し、程よいところで果物を裏返す
  • ⑤水分が十分に抜けたらドライフルーツ完成

フドードライヤーを使ってドライフルーツを作る場合、機種の取り扱い説明書などに手順が記載されていると思います。したがって、それに従って作れば、失敗する可能性を限りなく低くすることができます。

【フードドライヤーの注意点】
フードドライヤーの注意点は、機器を購入するために初期費用がかかるという点です。天日干しであれば、特別な機器は必要ありませんし、電子レンジやオーブンなども、ドライフルーツ専用に用意しているわけではなく、普通にもっている方が多いはずです。

しかし、フードドライヤーに関しては、一般の方であれば持っていないケースの方が多いですし、食物の乾燥に特化した家電なので、活躍できる場面もそこまで多くありません。今後、頻繁にドライフルーツや乾燥野菜を作りたいと考えているのであれば、手に入れるのも悪くないと思いますが、そうでない方の場合、たいして使わない家電を購入しなければならないという点は注意が必要でしょう。

なお、フードドライヤーは、5,000~10,000円程度でそれなりの物が購入できるので、そこまでコスト的な負担が大きいわけではありません。

まとめ

今回は、果物を長期保存するための加工方法である、ドライフルーツの作り方を解説しました。記事内でご紹介したように、ドライフルーツはさまざまな方法で作ることが可能で、時間がかかってもコストをかけたくないというのなら、天日干しで自然乾燥させるのが良いでしょう。ただ、電子レンジやオーブンなど、一般家庭にも普通に導入されている家電がドライフルーツ作りに役立ちますので、こういった家電を使って手早くドライフルーツを作るのがおすすめです。

フードドライヤーに関しては、用途がどうしても限られてしまうため、積極的に購入することはあまりおすすめではありません。ただ、普段からフルーツをたくさん食べている方の場合、食べ方を変えることができ、飽きが来なくなると思いますのでフードドライヤーを用意するのもおすすめです。

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