赤系ぶどうの中でも、とてつもなく粒が巨大なのが『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の特徴です。このぶどう品種は、1980年代に「ゴルビー」という名称で生まれたのですが、2020年に「悟紅玉(ごこうぎょく)」という名称に改名されたという非常に珍しい経歴を持ったぶどう品種です。ちなみに、悟紅玉という名称はまだまだ浸透していない場所も多いので、旧称の「ゴルビー」として販売されているケースが多いです。

悟紅玉は、巨峰などと比較すると、生産量が非常に少なく、旬の期間も短いぶどう品種となります。そのため、手に入れたくてもなかなか手にれる事が出来ないプレミア物のぶどうでもあります。この記事では、赤系ぶどうの中でも特に粒の大きい『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の特徴をご紹介します。

『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の特徴

ゴルビーという品種は、2020年に「悟紅玉(ごこうぎょく)」に改名していますが、改名されてからまだそこまでの年数がたっていないこともあり、ゴルビーの名で覚えている方の方が多いでしょう。

ゴルビーは、1983年に山梨県の育種家である植原宣紘氏が植原葡萄研究所においてレッドクイーンと伊豆錦を交配させ生まれた実生を育成したぶどう品種です。1983年に生まれたゴルビーは、5年後の1988年にようやく結実したそうです。なお、「ゴルビー」という独特な名称については、このぶどうが初めて実をつけた1988年当時、旧ソ連(現ロシア)の国家元首として活躍していたゴルバチョフ書記長の愛称からとったとされています。ただ、2020(令和2)年に、ゴルビーという名称から「悟紅玉(ごこうぎょく)」という名称に改名されました、

ちなみに、「悟紅玉(ごこうぎょく)」という名称については、『悟(ゴ)』+『紅玉(ルビー)』の当て字からとっているみたいですね。

悟紅玉は希少性が高い

『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』は、赤みがかった果皮を持ち、一粒が非常に大きいぶどう品種であることが特徴です。大粒のぶどうですので、程よい歯ごたえがあるうえ、芳醇な甘さを持ちますので、多くの方に好まれるぶどうだと思います。

ただ、巨峰などと比較すると「知る人ぞ知るぶどう品種」と言った扱いで、「悟紅玉」や旧称の「ゴルビー」という名称を聞いたとしても、ぶどうを思い浮かべる方は少ないのが実情です。というのも、『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』は、非常に希少性が高いぶどう品種で、1988年に結実して以降も、日本国内の生産量は多くないうえ、旬の時期が短いという特徴を持っているのです。

そのため、手に入れたくてもなかなか手に入れることができない希少性の高さを持ち、贈答品として送れば必ず喜ばれる高級品種と言えるかもしれませんね。

『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の産地と旬

上で紹介したように、『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』は他のぶどう品種と比較すると、生産量が少なく、旬も短いのが特徴です。そのため、食べてみたいと思ってもなかなか見かけることすらできないという希少性の高さを持っています。

日本国内で『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の主要生産地は、山梨県です。日本全体で考えても、50%以上の『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』が山梨県で生産されていて、それに次いで山形県、愛知県、広島県、兵庫県で生産されています。

『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の旬

『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の希少性の高さは、旬が短いことも大きな要因になっています。基本的には、8月中旬から収穫が始まり、9月下旬ごろまで続きます。ただ、出盛りの時期は8月下旬から9月上旬までですので、見かけたらその場で購入しないと、翌週には店頭から姿を消しているなんてことも珍しくありません。

『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』は、この希少性の高さから、国内のぶどう品種の中でも高級品種に位置付けられています。店頭価格については、その年の収穫状況や大きさなどによって異なるのですが、一般的に、一房当たり4,000円前後の価格がつけられると考えておきましょう。
ちなみに、『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』は、最寄りのスーパーなどでは見かけることすら難しいので、食べてみたい人は、上述した出盛り期にネット通販で探してみるのがオススメです。

『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の食べ方と保存方法

『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の果実は一粒が20g前後もある、大粒のぶどう品種です。果皮は、「甲斐路」や「安芸クイーン」のような美しいワインレッドが特徴です。上述しているように、『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』は見かけることが珍しいほどの希少性の高さを持ちますので、選ぶ際にはハズレのない選び方をしましょう。このぶどう品種は、全体が濃い赤色に色づいていて、粒が大きめのものほどおススメです。鮮度の良さについては、果皮に張りがあるかどうか、軸が枯れていないか、表面にブルーム(白い粉)がしっかりついているかをチェックすると良いでしょう。

なお、『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の数少ない欠点は、皮を剥いて食べなければならないのですが、皮と実がはがしにくい点です。最近では、大粒のぶどうは皮ごと食べられる品種が増えていますが、悟紅玉は皮が厚めで剥いて食べなければいけません。大衆ぶどうとして有名なデラウェアは、口の中に粒を入れてから簡単に皮をはがせますが、悟紅玉の場合、皮が厚いためその食べ方が難しいです。したがって、口の中に粒を入れる前に、手で皮を剥いて食べなければいけません。ただ、種はないので皮さえ処理してしまえば、後は芳醇な甘みを楽しむことができます。

『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』の保存方法

悟紅玉の美味しさや形を損なわないためのは、正しい保存方法に関する知識を持っておくのが大切です。他のぶどう品種でも同じですが、味を損なわないように保存しておくためには乾燥を避けることが大切です。

まず、悟紅玉を保存する場合、涼しい冷暗所か、冷蔵庫の野菜室、冷凍庫などで保存するようにしましょう。冷暗所で保存する時には、水洗いなどをしないまま、一房ずつ新聞紙などにくるんで保管してください。保存する前に洗ってしまうと、表面のブルームが落ちてしまいます。ぶどう表面のブルームは、乾燥を避けてくれる効果もありますので、すぐに食べない場合は水洗いなどはしないでください。冷蔵庫などに入れない時には、通気性が良く直射日光が当たらない場所に保管するのが基本です。これは、ぶどうに限りません。

次に、冷蔵庫にいれて保存する場合です。上述しているように、悟紅玉の旬は、真夏もしくは残暑が厳しい時期ですので、基本的には冷蔵庫で保管するのが無難です。冷蔵庫で保存する場合も房のまま保存してください。なお、冷蔵庫で保存する時でも、基本的には5日以内に食べるのが理想です。もう少し長持ちさせたい場合、一粒ずつ切り離して、保存バッグなどに入れて冷蔵庫に入れると良いです。房から切り離すときには、軸を数mm残しておきましょう。この方法であれば、一週間ほどは冷蔵保存可能です。

ちなみに、一粒ずつ切り離した状態であれば、冷凍庫で保存することも可能です。冷凍保存であれば、1カ月程度は保存可能ですので、少しずつ長く楽しみたい人は冷凍保存でも良いでしょう。暑い日に、悟紅玉をシャーベットのようにして食べるだけで、高級スイーツになります。

まとめ

今回は、名称が途中で改名された珍しいぶどう『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』についてご紹介しました。ただ、悟紅玉については、改名されてまだ2年余りということもあり、旧名のゴルビーの方が認識されやすいのが実情です。実際に、ぶどうを販売する店舗などを見回してみると、悟紅玉ではなくゴルビーの名称のまま販売している場合の方がかなり多いです。

このぶどう品種については、日本国内での生産量が少ない、旬の時期が短いなどと言った理由から、一般のスーパーなどで見かける機会はほぼないと断言できるほど希少性が高いです。実際に、ぶどうがフルーツの中でも特に好きだという方でも、悟紅玉やゴルビーは食べたことが無いという人の方が多いぐらいだと思います。なかなか出会うことができない高級品種ではありますが、ぜひ一度は口にしてみてほしいです。

田中ぶどう園では、非常に希少性の高い『悟紅玉(旧称 ゴルビー)』も作っていますので、興味がある方は、ぜひ通販サイトからご購入ください。