昨今では、日本の夏が猛暑化しているという話を耳にする機会が増えています。毎年夏になると、「記録的な暑さを更新」といったニュースを見聞きするようになっていて、昼間はエアコンが効いている部屋から外に出ることさえ嫌だ…と思ってしまう人が多いのではないでしょうか?

2025年、今年に関しては、史上最速で梅雨があけ、6月の終わりごろから真夏のような暑さになっています。七夕も迎えていないのに、既に夏バテのような症状が出てしまっている…なんて方は多いのではないでしょうか?
夏の暑さは、食欲の減退を引き起こし、栄養バランスの良い食事を摂ることがなかなか難しくなってしまいます。そして、栄養バランスが崩れてしまうことで夏バテに発展するという悪循環に陥ってしまう訳です。

そのような時におすすめの食べ物が果物です。果物は、冷蔵庫などで冷やしておくことで、暑い夏い場でもおいしく食べることができますし、さっぱりした味で食欲が落ちている人でも食べることができます。さらに、果物の中には、夏バテ予防に効果的な栄養素が含まれているものも多いため、これからの時期にぜひ食べてほしいものが多いのです。そこでこの記事では、そもそも夏バテとはどのような症状なのか、また夏バテを防止するのに効果的な果物の種類などについて解説します。

そもそも夏バテってどんな症状が出る?

梅雨が過ぎて、気温が高くなってくる時期になると「夏バテ」という言葉をよく耳にするようになります。夏バテは、食欲不振や全身の倦怠感、疲労感、睡眠障害などの症状が出る現象なので、何らかの病気を指していると考えてしまう人も多いと思います。

しかし、夏バテは、正式な病名ではなく、一般的には暑さによって体調を崩した状態のことを指す俗称なのです。日本の夏は、単に気温が高くなるだけでなく、多湿状態が続きます。そして、この高温多湿によって身体に不調が出ることがあるのですが、それが所謂「夏バテ」と呼ばれる症状です。

なお、夏バテと呼ばれる不調が長引くと、心身ともに疲弊してしまい、症状が悪化して他の問題を引き起こす可能性があると言われているので、なるべく早く対策をとる必要があります。

夏バテの症状について

過去に、「自分は夏バテになったのではないか?」と感じたことがある人は非常に多いと思います。先ほど紹介したように、夏バテは正式な病名ではなく、暑さによる不調の総称なので、夏場に体調が悪いと感じた時には、夏バテといっても良いと思います。なお、一般的に言われている夏バテの症状は、以下のような物です。

  • ・全身の倦怠感や疲労感
  • ・食欲不振
  • ・睡眠障害 (寝つきが悪い、眠りが浅い)
  • ・めまいや立ちくらみ
  • ・頭痛
  • ・集中力の低下
  • ・吐き気、下痢
  • ・むくみ

上記のように、夏バテは集中力の低下やイライラなど、精神的な症状が出る場合もあります。精神的な症状については、「夏バテしている」ということを自覚しにくいこともあり、その状態でも頑張り続けてしまう人がいます。しかし、そのような状況で頑張り続けてしまうと、他の疾患に繋がる可能性があるため、暑さで身体に不調を感じた時には、早めに休息をとるのがおすすめです。

ちなみに、夏バテと熱中症を混同している方も多いです。どちらも夏の暑さが原因となる体調不良なので、同じものだと考えてしまうのも致し方ないかもしれません。しかし、この二つは、症状の現れ方や原因が異なります。熱中症は、高温多湿な環境により、体温調節機能が破綻して、体温の上昇や脱水症状を引き起こすものです。一方、夏バテに関しては、暑さによって自律神経の乱れや体温調節機能の低下など、より広範な体調不良を指しているのです。

夏バテ予防には果物がおすすめ!

夏バテは、室内と室外との温度差による自律神経の乱れや、寝苦しさによる睡眠不足、高温多湿による発汗異常により体温調整が上手くいかなくなることが主な要因とされています。そして、夏バテ気味になってくると、食欲不振も引き起こし、栄養バランスが崩れてしまうことで、さらなる体調不良に繋がっていくという悪循環に陥るわけです。

逆に考えると、暑さなどに負けず、しっかりと食べることで栄養を摂取しておけば、夏バテの悪化を防げるという効果が期待出来ます。しかし、そうは言われても、食べることがなかなか難しい…なんてことも多いですよね。そのような時におすすめな食品が果物で、特に抗酸化作用のある果物は、夏バテ予防に効果的とされているのです。

抗酸化作用とは、体の害となる活性酸素を取り除き、酸化を抑える作用のことを指しています。果物の中には、この抗酸化物質を多く含むものがあり、夏場に食べることで夏バテを予防してくれるという効果が期待できるのです。
この他、果物はカリウムを多く含むものがあり、カリウムによって体の浸透圧調整や水分調整を行ってもらうことができます。この効果により、脱水や熱中症の予防効果が期待できるなど、夏場に果物を食べるのは非常に有効な健康対策なのです。果物は、胃腸の働きを促進する消化酵素なども含まれているので、消化なども助けてくれるため、体の負担を軽減して夏バテの予防が期待出来ます。

夏バテ予防におすすめの果物

それでは、夏バテ予防に効果が期待できる果物の種類についてもご紹介していきます。夏バテ予防のことを考えると、抗酸化物質やカリウムなどを含む果物がおすすめといえます。特に、以下のような果物は、夏バテ予防に最適といえるでしょう。

  • スイカ
    夏が旬の果物と言えば、多くの方はスイカをイメージすると思います。このスイカは、90%が水分とされているため、夏場に食べると、水分と栄養素を同時に摂取できる非常に優れた食品となるのです。特に、体を冷やす作用などを持っているとされるので、熱中症対策の点でも有効です。スイカは、カリウム、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどの栄養素を含んでいるため、弱った体の代謝を手助けしてくれることから、夏バテ予防効果が期待出来ます。

  • 桃も夏が旬の果物です。水分を多く含むだけでなく、糖分を豊富に含んでいるため、疲れた時のエネルギー補給に最適な果物と言われています。さらに、桃に含まれているペクチンと呼ばれる食物繊維は、腸の働きを整える効果が期待出来ます。この他、ミネラル(マグネシウム、鉄分、カリウムなど)やクエン酸と呼ばれる抗酸化物質を含んでいるため、夏バテによる疲労感を軽減してくれるという効果が期待できるでしょう。
  • キウイフルーツ
    キウイフルーツは、果物の中でも特に栄養価が高いと有名ですね。キウイは、ビタミンC、ビタミンE、ミネラル、クエン酸といった栄養素がバランスよく含まれているため、健康な生活を維持するためには非常に有効な食品といえます。特に、ビタミンCについては、成人が一日に必要とする量をキウイフルーツ1個(約100g)で摂ることができると言われているほどなのです。この他、消化酵素「アクチニジン」が含まれているので、消化を助けてくれ、体の負担を軽減してくれます。

夏バテ予防を考えた時には、上記のような果物を摂取すると良いです。

まとめ

今回は、これから迎える本格的な夏に向けて、皆さんにもおさえておいてほしい夏バテ予防に役立つ果物をご紹介しました。

夏バテは、暑さによる食欲の減退で、栄養バランスが崩れてしまうことも大きな要因です。連日暑い日が続くと、食べなくてはいけない…と思っても、なかなか食べ物を口に運ぶことが出来なくて、その結果夏バテしてしまう…なんてことが多いのです。
このような場合、冷やした果物を食べることで必要な栄養素を摂取するようにしてみるという方法が夏バテ予防として効果的です。果物は、さっぱりした味で食べやすく、冷やした状態の物を食べると体内から涼しさを感じることができるようになります。暑い夏の日は、「冷たいものなら食べられそう」などといったことが増えていくと思うので、ぜひそのような時は果物を口にしてみてはいかがでしょう。