今回は、果物に関する皆さんの素朴な疑問についてお答えしていきたいと思います。

果物に関しては、食後のデザートとして毎日食べている方も多いと思うのですが、意外に「果物は太るのでは?」と言った不安を感じている方も多いようです。果物については、「健康に良い食品」と「果物は太る」という相反する意見を持つ方も多いように、「美味しい」以外の部分では意見の不一致が少なくないようです。

そこでこの記事では、果物全般に関して多くの方が疑問に思っているのではないかと思えるポイントについてお答えしていきたいと思います。

疑問①果物にはどんな栄養がある?

果物は、健康に良いという話をよく耳にするものの、具体的にどのような栄養素が含まれているのかは分からないという方が多いですよね。当然、果物の種類ごとに含まれている栄養素は異なるのですが、多くの果物は「ビタミンC、カリウム、食物繊維」を豊富に含んでいます。この他には、糖質や有機酸、ポリフェノール類を含んでいます。ちなみに、果物の多くに含まれる栄養素は、以下のような健康効果が期待できるとされます。

  • ビタミンC
    抗酸化作用を持ち、老化や病気を防ぐ、鉄の吸収を高める効果が期待できます。また、皮膚や粘膜、骨を丈夫に保つコラーゲン合成に関わるとされています。
  • カリウム
    ナトリウムの排泄を促し、血圧の上昇を抑制する、筋肉の収縮・神経伝達に関わる栄養素とされています。
  • 食物繊維
    人の消化酵素では消化できない植物成分、腸内環境を整えることで、便秘の予防などに効果的とされます。なお、多くの果物は、皮の部分に食物繊維が含まれています。

疑問②どの果物が多くの栄養素を含んでいるの?

どうせ果物を食べるのであれば、より多くの栄養素を含んでいて、健康的なものが良いと考える方は多いです。当然のことですが、果物に含まれている栄養素の量は、種類によってかなり違いがあるのです。一般的に、キウイフルーツや柿、いちごなどが多くの栄養素を含む果物として有名です。なお、先ほどご紹介した果物に含まれる主な栄養素を多く含む果物の種類を以下でご紹介しておきます。

■ビタミンCを多く含む果物ランキング

  • 1位:キウイフルーツ(71mg)
  • 2位:柿:(70mg)
  • 3位:いちご(62mg)
  • 4位:グレープフルーツ(36mg)
  • 5位:パイナップル:(35mg)

■カリウムを多く含む果物ランキング

  • 1位:バナナ(360mg)
  • 2位:メロン(340mg)
  • 3位:キウイフルーツ(300mg)
  • 4位:さくらんぼ(210mg)
  • 5位:もも(180mg)

■食物繊維を多く含む果物ランキング

  • 1位:キウイフルーツ(2.6g)
  • 2位:柿(1.6g)
  • 3位:りんご(1.4g)
  • 3位:いちご(1.4g)
  • 5位:もも(1.3g)

上記のランキングは、可食部100gあたりに含まれる栄養素の量でランク付けしています。皆さんのイメージ通り、キウイフルーツは多くの栄養素を含んでいます。柿については、栄養価が高いというイメージを持つ人が少ないのですが、実は美味しいだけでなく、ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれているのです。

疑問③果物は血糖値を上げやすいって本当?

果物は「血糖値を上げやすい」という話を耳にしたことがある人が多いと思います。そして、これは正しい情報で、果物は血糖値を上げやすいので注意が必要です。

果物に含まれている糖質は、果糖やショ糖、ぶどう糖などなのですが、ショ糖、ぶどう糖は吸収が非常に速いため、血糖値を急激にあげるという特徴があるのです。したがって、もともと血糖値が高めの人は、空腹時に果物を摂取するのは避け、食後に適量を食べるようにしましょう。

果物が「食後のデザート」として提供されることが多いのは、これが理由かもしれませんね。

疑問④果物は太るって本当?

果物は健康に良いという意見と反対で、「果物は太る!」のであまり食べたくないという意見を持っている方も多いです。それでは、果物を食べることで本当に太るものなのでしょうか?

これについては、果物を適量の範囲で食べているのであれば太りにくい可能性があるが、食べ過ぎると太る原因となってしまう可能性があるというのが答えです。つまり、その他の食品と同じく、食べ過ぎは良くないということです。

果物が、一般の方から太るというイメージが持たれているのは、カロリーや糖質の高さが要因になっているのだと思います。確かに、果物のカロリーや糖質の部分だけを見ると、果物を食べると太ると思ってしまってもおかしくないかもしれません。しかし、先ほどご紹介したように、果物には、ビタミンやミネラル、食物繊維など、豊富な栄養素が含まれているため、本来はダイエット中の方にも積極的に取り入れてほしい食品と言えるのです。

もちろん、食べ過ぎるとカロリーオーバーになり、中性脂肪の増加や血糖値の上昇を招いてしまいますので、食べ過ぎに注意して適切な量を摂取するようにしましょう。なお、国が推奨する一日に摂取すべき果物の量は、一日おおよそ200gとされています。

疑問⑤ドライフルーツや缶詰は生の果物を食べるのと一緒?

果物には、生のもの以外にも、ドライフルーツや缶詰に加工された商品が販売されている物があります。そのため、「生の果物は皮を剥いたり切ったりするのが面倒だし、缶詰でも良いのかな?」と考える方も少なくありません。ドライフルーツに関しては、通常は足が早い食品の代表である果物を数カ月以上保存することができるようになるといったメリットもあります。

ただ、生の果物とドライフルーツ・フルーツ缶詰は異なる食品で、摂取できる栄養素なども変わるので注意が必要です。それぞれがどのように変わるかを以下で簡単にご紹介します。

■ドライフルーツ
ドライフルーツは、果物を乾燥させることで水分を少なくした加工食品です。果物の足が早いのは、水分が豊富に含まれるからで、乾燥させることで長持ちさせることができるようになるのです。ただ、生の果物と同じ量のドライフルーツを食べてしまうと、カロリーや糖分、栄養の過剰摂取になってしまうので注意が必要です。
生の果物とドライフルーツを比較した場合、ビタミンCの摂取量は少なくなるものの、エネルギーや糖質、食物繊維の摂取量は多くなってしまいます。これは、生の果物の場合は、水分が多く含まれているので、同じ量を食べると、水分が抜けているドライフルーツの方が多くの栄養素を摂取する結果になるからです。

■フルーツ缶詰
缶詰の場合、ドライフルーツ以上に注意が必要です。例えば、みかんや桃の缶詰が人気ですが、皮を剥かれた状態で砂糖漬けにされて缶詰の中に入っていますよね。逆に言うと、多くの糖質を含む果物に、さらに糖分を加えて長期保存をする食品がフルーツ缶なのです。つまり、生の果物と比較した時には、糖分やエネルギーの過剰摂取になってしまう可能性があります。
また、皮が剥かれる、加熱されるといった製造工程を経るので、生の果物と比較すると、ビタミンCや食物繊維などの栄養素はかなり少なくなってしまいます。

まとめ

今回は、果物に関するよくある疑問についてお答えしてきました。記事内でご紹介したように、果物は健康に良いというイメージがある一方で、果物を食べると太るという情報を見かける機会も多いです。「身体に良い」と「食べると太る」は明らかに真逆の効果と言えますので、果物は一体どっちの話を信じれば良いのだ…と迷ってしまう方が多いのです。

記事内では、果物に関するさまざまな疑問にお答えしていますので、是非覚えておきましょう!