果物は、食後のデザートとして食べているという方が多く、基本的には「美味しいから」という理由で口にしている場合が多いはずです。

しかし、果物は、どのような栄養素が含まれているのかを考えながら、食べる物を決めるようにすれば、単に美味しいデザートとしてだけでなく、健康効果も期待できるようになるのです。特に、これから迎える冬については、乾燥や気温の低下による体調不良などが心配になると思いますし、ビタミンCが豊富に含まれている食べ物を摂取するのがおすすめです。

ビタミンCは、風邪予防などにも効果が期待できるとされているため、まさに冬にうってつけの栄養素なのです。ビタミンCが豊富に含まれている果物を食べることは、美味しさと健康効果の一石二鳥の結果が得られるので、記事内で紹介する果物を食べるようにしてみてはいかがでしょう?

ビタミンCを摂取することで期待できる働き

それではまず、適切な量のビタミンCを摂取することで期待できる効果について簡単にご紹介します。昨今では、食事でとり切れない栄養素をサプリメントで補給するなんて方も多いのですが、果物はサプリに頼らなくてもさまざまな栄養素を補給するための食べ物として非常におすすめです。

ここでは、ビタミンCが豊富な果物を食べることで期待できる効果を簡単にご紹介します。

  • コラーゲン合成
    ビタミンCは、コラーゲンを作り出すために欠かせない栄養素と言われています。コラーゲンは、美容に関する物というイメージが強いのですが、実は皮膚などの美容だけでなく、骨や筋肉、血管など、体のいたる部分でも必要なものです。したがって、健康な体を維持するためにも、ビタミンCは欠かせない栄養素と言えます。
  • 免疫力UP
    ビタミンCが風邪予防に役立つと言われるのは、免疫力UPという効果があるからです。ビタミンCは、白血球の働きを助ける栄養素です。白血球は、体内に侵入するウイルスや細菌と戦ってくれるものなので、その働きを助けるビタミンCは、人の健康にとても大切な栄養素と言えます。
  • 抗酸化作用
    抗酸化作用も有名な効果ですね。体に取り入れられた酸素が活性化したものを活性酸素というのですが、これが増えすぎると、自分の身体にもダメージを与えます。ビタミンCは、AやEとともに、活性酸素を取り除く抗酸化作用があるとされ、がんや老化、動脈硬化などを予防する効果が期待できるとされています。
  • ストレスの緩和
    人は、ストレスを感じると、特定のホルモンを分泌する仕組みになっています。そしてビタミンCは、それらのホルモンを作る際に、必要不可欠な栄養素とされているのです。人がストレスを感じた時には、ホルモンを作ることになるため、ビタミンCが大量に消費されます。逆に言うと、きちんとビタミンCを摂取していれば、その影響を和らげるためのホルモンを作れるのです。

ビタミンCは、上記のような効果が期待出来ます。そして、果物は、このビタミンCを多く含むため、昨今では、国も毎日の食事て果物を積極的に摂取することを推奨するようになっています。例えば、毎日くだもの200グラム運動が有名です。

> 毎日くだもの200グラム運動

ビタミンCが豊富な果物

それでは、ビタミンCを豊富に含んでいる代表的な果物をご紹介していきます。ビタミンCを豊富に含んでいる果物と聞くと、レモンが真っ先に思い浮かぶという方が多いかもしれません。ただ、レモンに関しては、そのまま食べるのではなく、果汁を料理のアクセントとして利用するなんてケースが多いため、ここでは省きます。

食後などに、そのまま食べることができる果物の中で、ビタミンCを多く含むのは以下の様な果物です。

キウイフルーツ

ビタミンCを多く含む果物としてまず挙げられるのがキウイフルーツです。キウイは、ビタミンC以外にもさまざまな栄養素を含む、とても健康的なフルーツとして有名です。

そして、ビタミンCに関しては、可食部100gあたり「69 mg」と、非常に豊富に含んでいます。ちなみに、このビタミンCの量は、レモンの約4倍の量と言われています。さらに、キウイの中でも、果肉が黄色のゴールデンキウイについては、一般的なキウイの2倍のビタミンCを含んでいるとされます。ゴールデンキウイであれば、人が1日に必要とするビタミンCを、1個で賄うことができるそうです。

柿もビタミンCを多く含む果物として有名です。柿については、可食部100g当たり70mgのビタミンCが含まれているされていて、この量は、成人が一日に必要とする量の約70%に相当します。ちなみに、柿100gというのは、一般的な大きさの柿を半分程度食べた量に相当します。

実は、柿は栄養素が非常に豊富な果物としても有名で、美肌や風邪予防に効果を発揮するビタミンC以外にも、ポリフェノールをぶどうの約5倍程度含有しているとされます。柿は、さまざまな栄養素を多く含んでいるということから、「柿が赤くなると医者が青くなる」というような逸話もあるほどです。

いちご

美味しいフルーツとして、果物の中でもトップクラスの人気を誇るいちごですが、ビタミンCの含有量も非常に多いです。いちごは、可食部100gあたり、62mgのビタミンCを含んでいて、ビタミンCを多く含むと有名なレモンと比較しても、変わらないレベルの含有量となるのです。

日本人の食事摂取基準(2020)によれば、人が1日に必要とするビタミンCの量は100mgとさえています。これは、いちごを10個程度摂取することで達する数値です。ちなみに、ビタミンCは、体内中にいっぱいになると、尿として排泄されてしまうため、いちごなどで補おうと考えているなら、1度に10個食べるのではなく、数回に分けて食べるのがおすすめです。

なお、いちごの赤い色素は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンなのですが、この成分は、眼精疲労を和らげる、体内に溜まった活性酸素を除去するなどの働きをきたいできます。

マンゴー

最後に紹介する果物はマンゴーです。マンゴーは、可食部100g当たり20mgのビタミンCを含んでいるとされます。上で紹介した果物と比較すると、そこまで含有量が多いように感じないかもしれません。しかし、マンゴーは、ビタミンCに加えて、βカロテン、葉酸の含有量が非常に豊富です。βカロテン、葉酸の含有量について、他の果物の何倍にも達するとされます。

また、ビタミンA、C、Eも摂取できることから、ビタミンCに加えて、いろいろな栄養素を豊富に摂取できる点でおすすめできる果物なのです。

まとめ

今回は、ビタミンCを豊富に含んでいる果物をご紹介しました。ビタミンCは、美肌など美容に欠かせない栄養素と考えられていますが、これ以外にも、抗酸化作用による老化防止、免疫力UPによる風邪予防など、健康効果を期待できる栄養素なのです。

ビタミンCは、新鮮な野菜などを食べることで摂取することが可能なほか、最近ではサプリメントで補給する方も増えています。ただ、果物であれば、美味しく食べながらビタミンCをたくさん補給することが可能です。もちろん、果物はビタミンC以外にもさまざまな栄養素を含んでいますので、それらの摂取もできることを考えると、非常に優れた食べ物と考えられるのではないでしょうか?

国も、適切な量の果物を毎日食べることで、健康を維持できると考え、「毎日くだもの200グラム運動」など、果物の接種を推奨しています。自分や家族の健康を維持するためにも、小まめに果物を食べる習慣をつけてみると良いのではないでしょうか。