りんごは、さまざまな果物の中でも特に高い人気を誇ります。りんごは、苦手とする方が少ないうえ、他の果物と比較しても、お手頃な価格帯で手に入れられることもあり、バナナと並んで大衆フルーツの代表格という立ち位置を獲得しています。一般的には、秋から冬(10~2月頃)が旬の果物として有名ですが、物流網が発達した現在では輸入物のりんごも出回るようになったことから、もっと長い期間スーパーなどで見かけることができるようになっています。

りんごは、正しい保存方法を守っていれば、その他の果物と比較しても長持ちさせることができるため、お供え物やお見舞いの品としても活用されるケースが多いです。ただ、正しい保存方法を知らない人の中には「いつの間にかリンゴの瑞々しさがなくなって、食感が悪くなっている…」なんて失敗をしてしまうケースも多いようです。
そこでこの記事では、正しいりんごの保存方法と、りんごを長持ちさせるための保存手順について解説します。

そもそもりんごの保存手順とは?

りんごは、秋から冬にかけてが旬の果物なので、気温の影響を強く受けてしまいます。そのため、保管場所の環境によって保存期間がかなり変わってきます。一般的には、「りんごは常温保存が可能」とされているのですが、この常温に関しては「冬場の気温」が基本になっています。例えば、残暑でまだ気温が高い時期に常温で保存していると、傷むのが早くなってしまうのです。秋や冬のように、外気温が低くなり、暖房などが効いていない部屋で保存する場合に限り常温保存が可能と考えておきましょう。

りんごの保存期間に関しては、季節や保存場所の環境に合わせて適切に保存することで、長くりんごの美味しさを保つことができるようになります。ちなみに、保存環境ごとのりんごの保存期間は以下の通りです。

  • ・常温保存(秋~冬):1カ月弱
  • ・冷蔵保存:1カ月
  • ・冷凍保存:3カ月程度

このように、りんごは低温環境で保存することで保存期間を長くすることが可能です。りんごは、秋から冬にかけてが旬の果物なので、涼しい場所を好む傾向にあるのです。したがって、冬場でも暖房が良く効いた部屋で保存するのは望ましくありません。冷暗所など、低温環境が保てるパントリーなどがない場合は、冷蔵庫の中で保存するのがおすすめです。

りんごを保存する際のポイント

りんごを長持ちさせたい場合には、いくつかのポイントを押さえて、適切な保存方法を守らなければいけません。ここでは、りんごを保存する際に注意してほしいポイントをいくつかご紹介します。

りんごは「涼しい」場所で保存する

先ほどご紹介したように、りんごは気温が低くなる秋から冬にかけてが旬の果物なので、涼しい場所を好むという特徴があります。一般的に、りんごの保存に適した温度帯は、0~5℃程度とされていて、出来るだけ涼しい環境で保存することが美味しさを長持ちさせるコツとなるのです。

りんごは、常温保存が可能な果物と紹介される事から、暖房の効いた暖かい場所で保存しているケースをよく見かけます。しかし、部屋の温度が高い環境で保存した場合、傷みやすくなるので注意しましょう。
冬場であれば、りんごを常温保存することは可能ですが、その場合、暖房を使用していない部屋で保存するようにしましょう。また、春や夏など、気温が高い季節は、常温保存ではなく、冷蔵庫などで保存してください。

りんごは乾燥に弱い

二つ目のポイントは、リンゴを保存する場合、乾燥対策を行うことです。方法は単純で、りんごを保存する時には、新聞紙やキッチンペーパーで包んであげるだけでOKです。

先ほど、涼しい環境なら1カ月程度保存可能と紹介しましたが、乾燥対策をしていない場合、りんごのみずみずしさが失われてしまう可能性があります。乾燥対策をせずに長期間保存した時には、ボソっとした食感の悪いりんごになってしまう可能性があるのです。

りんごを保存する際に、新聞紙やキッチンペーパーで包んであげれば、りんごから水分が蒸発するのを防ぎ、ボソボソになるのを防止してくれます。ちなみに、キッチンペーパーや新聞紙で包んでおけば、急激な温度変化の影響を軽減することもできますので、美味しさをより長く保つことができるようになります。

ラップやポリ袋に包む

りんごは、エチレンガスの発生量が多い果物として有名です。追熟が必要な果物があった場合、りんごと一緒にポリ袋に入れて保存することで、追熟が早く進むとされているほどなのです。

エチレンガスは、植物に必要なホルモンの一種なので、近くにある野菜や果物の成長を促進してしまうようになります。そのため、冷蔵庫などの密閉空間にりんごを保存する際、発生するエチレンガスの対策をしなければ、他の野菜・果物が早く傷んでしまう可能性があるのです。

したがって、ラップやポリ袋に包むことで、エチレンガスが周囲に影響を与えないようにしましょう。

【番外編】カットしたりんごの変色を防ぐ方法

りんごの保存方法については、カットした後のりんごを保存する方法について知りたいという方が多いのではないでしょうか?というのも、カットした後のりんごは、少し置いておくだけで茶色く変色してしまい、見た目が美味しくなさそうに見えてしまう…ということに悩む方が多いです。りんごはお弁当に入れる果物としてもよく採用されますが、食べる頃には変色するのではないか…と考え、お弁当に使うのを控える方も少なくないようです。

ちなみに、カットしたリンゴが空気に触れることで茶色く変色するのは、りんごに含まれているポリフェノールが原因です。そして、以下の対策を施すことで、リンゴの変色を防ぐことができるようになります。

  • ・塩水(水400cc、塩ひとつまみ)に浸す
  • ・はちみつ水(水400cc、はちみつ大さじ2)に浸す
  • ・砂糖水(水400cc、砂糖大さじ2)に浸す
  • ・レモン水(水400cc、レモン汁小さじ2)に浸す

上記の内、どれでも良いのりんごを5分ほど浸すことで、茶色く変色するのを防ぐことができます。お弁当などにリンゴを入れる際には、試してみると良いでしょう。なお、カットしたリンゴを長期保存したい場合には、フリーザーバックなどに入れ、きちんと空気を抜いて冷凍保存するのが良いです。

正しいりんごの保存手順

それでは、りんごを長持ちさせるための適切な保存手順についてもご紹介しておきます。これから、りんごを食べる機会が増えていく季節なので、以下で紹介する保存手順は是非おさえておきましょう。

常温もしくは冷蔵庫で保存する場合

まずは、常温保存もしくは冷蔵庫で保存する際の手順についてです。なお、低温環境が維持される冷暗所などがない場合は、冷蔵保存をしましょう。暖房が効いている部屋で常温保存しているケースをよく見かけますが、りんごは低温環境を好みますので、傷むのが早くなってしまいます。

りんごを保存する時の流れは以下のような感じです。

  • ①りんごを新聞紙またはキッチンペーパーで一個ずつ包む
  • ②りんごをポリ袋などに入れる
  • ③冷暗所があれば冷暗所で、無ければ冷蔵庫の野菜室に入れましょう。なお、春や夏は、冷暗所でも気温がそれなりに高くなるので冷蔵庫の野菜室に入れましょう。

冷暗所や冷蔵庫の野菜室で保存すれば、1カ月程度は美味しい状態を保つことができます。

りんごを冷凍庫で保存する場合

りんごは、冷凍庫で保存することで、保存期間をより長くすることが可能です。なお、一度冷凍したりんごは、繊維がほぐれて食感が柔らかくなるので、その点は注意しましょう。シャキシャキとした固い食感が好みという方の場合は、あまりおすすめではないかもしれません。

りんごを冷凍保存する場合の手順は以下の通りです。

  • ①りんごを水洗いして、表面の水気を拭き取る
  • ②新聞紙またはキッチンペーパーで包む
  • ③フリーザーバッグに入れて冷凍庫に入れる

りんごは、冷凍保存することで3カ月程度保存することが可能になります。ただ、食べる際、完全に解凍すると水分が出てべちゃッとするので、半解凍状態で食べるのがおすすめです。なお、カットしたりんごを冷凍する場合は、変色を防ぐために塩水などに浸けてから袋に入れ、冷凍保存しましょう。

まとめ

今回は、大衆フルーツの代表格となるリンゴの保存方法について解説しました。リンゴは、他の果物と比較しても、非常に保存期間が長いという特徴を持っています。しかし、低温環境を好むという性質上、冬場に暖房の効いた部屋で常温保存すると、傷むのが早くなるので注意しましょう。

記事内では、出来るだけりんごを長持ちさせるための保存手順などもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。