高級フルーツの代名詞と言えるのがメロンです。メロンにもいくつかの種類があり、比較的お手頃な価格で手に入れることができる物もありますが、一般の方のイメージからするとメロンは高級なフルーツで贈答品などに用いられると言った感じなのではないでしょうか?

それでは、メロンを購入した、もしくは頂いたとき、出来るだけ美味しく食べるために注意しなければならないポイントとは何が考えられると思いますか?こう聞かれると、「メロンは特別なことをしなくても十分甘くて美味しいでしょ!」と感じてしまう方が多いかもしれませんね。
しかし実は、メロンは追熟が必要な果物で、収穫したてで未熟な状態の物を口にしたときには、本当のメロンの美味しさを楽しむことができないのです。果物の中には、追熟など不要で、新鮮なうちに食べた方が美味しく食べられるものもありますが、メロンはその逆に、新鮮な物ではなくしばらく追熟させた方が圧倒的に美味しくなる果物です。

そこでこの記事では、メロンを追熟させる時に適した条件や、完熟したメロンの見極め方などについて解説します。

メロンは追熟させることで芳醇さが加わる

一般的に、メロンは収穫してすぐに食べるのではなく、3~7日ほど経過した頃が食べごろとされています。特に、マスクメロンに関しては、収穫したてのものは、本当の美味しさを感じることができないとされています。

皆さんも、メロンの食べごろのサインとして「メロンの下部を指で押して、少し弾力を感じるようになった時」というのを聞いたことがあると思います。収穫したメロンを、この状態まで置いておくことを追熟と言います。なお、あまり知られてはいないのですが、メロンは追熟すること糖度自体が変化するわけではありません。ただ、追熟が進むことで、芳醇さが加わりますので、食べた時に驚くほど濃厚な味わいを堪能できるようになります。

ここではまず、メロンを追熟させるときに適した条件などについて解説します。

メロンを追熟させるときのポイント

収穫したばかりのメロンは、美味しそうな香りを感じることができず、青臭さなどが残っていることから、美味しく食べることはできません。しかし、収穫から時間が経過するにつれ、追熟が進んで青臭さがなくなり、だんだんメロン特有の甘い香りが立っていきます。

メロンを追熟させるときのポイントとしては、以下の点を抑えておくと良いでしょう。

  • ①常温(20~25℃位)で追熟させる。冷蔵庫に入れると追熟が止まるのでNG
  • ②直射日光が当たらない冷暗所などが望ましい。しかもよく見えるところで香りを感じられる場所が良い
  • ③完熟の目安は収穫から1週間ほどを目途に。個体差があるので注意してください

メロンを追熟させる場合、上記のような点がポイントとなります。どのような果物でも同じですが、追熟に適した条件は「常温」というところがポイントです。食品の保管を考えた時には、冷蔵庫に入れた方が傷むのが遅くなると考える人が多いため、追熟させる際も冷蔵庫の中で…と考える人がいます。しかし、低温環境に置くと、追熟はストップしてしまいますので、冷蔵庫の中に保管してしまうと、完熟することなく果物が傷んでしまいます。

メロンなどを追熟させる場合、20℃前後の温度帯を維持でき、直射日光が当たらない場所に置くのが最も良いです。また、毎日メロンの様子を確認できるような場所に置けば、香りが立ってきたことをすぐに感づくことができ、完熟を見落とす危険も少なくなります。したがって、台所やリビングの中の日の当たらない場所で追熟させるのが良いかもしれませんね。

ちなみに、メロンの追熟期間は、収穫から一週間程度が目安とされています。ただ、これについては個体差がありますので、何のチェックもせずに一週間放置するというのはオススメできません。追熟させ始めて三日ほど経過したら、下で紹介する完熟を見極める方法で、毎日食べごろを迎えたか確認するようにしましょう。

完熟メロンの見極めポイント

それでは、追熟させているメロンが、食べごろ(いわゆる完熟)を迎えたと判断する時のポイントについてもご紹介していきましょう。メロンが完熟したかどうかを見極めるポイントは、「①色」「②香り」「③柔らかさ」の3つです。

それぞれのポイントについて、「そろそろ食べごろかな」と判断するには、以下のような状態を迎えたかどうかで見極めてください。

  • ①色について・・・メロンの青みがぬけて、黄色っぽくなってきたら食べごろ
  • ②香りについて・・・メロンから強い甘みを感じる香りが漂ってきたら食べごろ
  • ③柔らかさ・・・メロンの下の方(お尻と表現される部分)を指で押した時、適度に凹むぐらいになれば食べごろ

完熟したメロンは、上記のような変化があります。台所やリビングなどで追熟させていれば、甘い香りを感じることができると思いますので、すぐに気づくと思います。メロンから強い香りを感じるようになったら、お尻の部分を指で押してみて、柔らかさをチェックしてみましょう。少し弾力を感じるぐらいの軟らかさになっていれば、食べごろです。

一般的には、収穫から一週間程度追熟させる必要があると言われますが、個体差があるので、上で紹介したようなポイントに注意して、自分の五感で完熟の判断をするのがおすすめです。

完熟メロンをよりおいしく食べるには?

それでは最後に、完熟したメロンをよりおいしく食べるための工夫についてご紹介します。追熟させる時には、冷蔵庫に入れずに、常温で置いておく必要があると説明しましたね。どのような果物でも、低温環境に置くと追熟が止まってしまうため、未熟な状態の物を完熟させるときは冷蔵庫で保存してはいけないのです。ただ、食べることを考えると、少し冷やしてから食べる方が果物の甘さを引き出すことができます。

したがって、メロンを追熟させ、完熟状態を迎えたのであれば、食べる時間から逆算して約二時間ほど前に冷蔵庫に入れて冷やすと良いでしょう。メロンの甘みは、果糖ではなくショ糖が含まれている事が要因なので、冷やすことで甘みが強くなるわけではありません。しかし、冷やすことで口当たりが良くなりますので、常温のまま食べるよりも少し冷やしてから食べる方がよりおいしく感じられるとされています。注意が必要なのは、どのような果物でも、必要以上にキンキンまで冷やしてしまうと、本来の甘さを感じられなくなってしまいます。したがって、冷蔵庫で冷やすにしても、1~2時間程度に収めて、程よく冷たさを感じる程度で食べるのがおすすめです。

関連:果物は冷やすと甘くなる?冷やして食べるのがおすすめの果物と常温がおすすめの果物の違い

まとめ

今回は、高級フルーツとして有名なメロンについて、メロンの本当の美味しさを引き出すための追熟のポイントと、完熟を迎えたことを見極めるためのポイントについて解説しました。

記事内でご紹介したように、メロンは追熟する果物であり、収穫後しばらく置いておくことで美味しさが増します。果物の中には、追熟することがなく、収穫後すぐに食べるのが最も美味しい物もあるのですが、メロンを一番美味しい状態で食べたい方は「追熟させなければならない」ということを覚えておきましょう。

なお、追熟する果物全てに言えますが、追熟とは収穫後、単に置いておけば良いというわけではありません。追熟させるときにも好ましい条件というものがあり、低温環境に置くと追熟がストップしてしまうのです。したがって、まだ未熟で追熟が必要な果物については、冷蔵庫などに入れるのではなく、常温環境(20℃前後)で保管するようにしましょう。そして食べる少し前に、冷蔵庫に入れ、適度に冷やすことで甘さを強く感じられたり、口当たりが良くなります。