さまざまなフルーツがある中でも、トップクラスの人気を誇るのがぶどうです。ただ、一口にぶどうと言っても、さまざまな品種が存在していて、それぞれの品種によって味わいがかなり異なります。一般的には、デラウェアや巨峰、ピオーネなどのぶどう品種が有名ですが、これらはスーパーなどでも手に入れることができることから多くの人にとってなじみ深いのだと思います。

ただ、美味しいぶどう品種は、これら以外にもたくさん存在していて、中にはインターネット通販などで探さなければ出会う事すら難しい品種もあるのです。特に、今回ご紹介する『ルーベルマスカット』は、栽培が非常に難しく農家泣かせなぶどう品種であることから、一般にはほとんど出回ることがありません。
ルーベルマスカットは、ぶどう通に「おいしいぶどうは?」と尋ねた時、このぶどうの名前をあげる方が多いと言われるほど美味なのですが、その希少性の高さからなかなか口にすることができないぶどうです。この記事では、非常に希少性の高いぶどう品種のルーベルマスカットについてご紹介します。

ルーベルマスカットの特徴

ルーベルマスカットは、1987年に品種登録されたぶどう品種ですので、それなりに歴史のあるぶどうと言えます。ただ、冒頭でご紹介したように、巨峰やピオーネなどと比較すると、ルーベルマスカットはそのぶどう品種の存在すら知らない人も多いなど、知名度的にはあまり高くないのが実情です。これは、その他のぶどう品種と比較しても、栽培方法が非常に難しいことから、ルーベルマスカットを栽培している農家が少ないのが要因です。生産数が少ないため、一般の市場に出回ることが少なく、ぶどう通の方にしか知られていないといった感じです。

ルーベルマスカットは、雨などに弱いということから、ハウス栽培、簡易ハウス栽培を行わなければいけません。また、色が入りにくいという特徴があるため、ぶどうの育成時に房の大きさや樹勢などを考えて作らなければ、良い色のぶどうに成長しません。そのため、ルーベルマスカットは、「農家泣かせのぶどう」などとも言われています。

ルーベルマスカットの味に関しては、さっぱりとした味のマスカットをイメージしていただければ良いでしょう。近年では、シャインマスカットの人気が非常に高くなっていますが、ルーベルマスカットは、シャインマスカットのような甘さではなく、もっとさっぱりとしたさわやかな味わいが特徴です。

ちなみに、マスカットと聞くと多くの方は黄緑色をイメージすると思うのですが、ルーベルマスカットは、赤系品種のぶどうです。シャインマスカット同様に、皮ごと食べられる品種となりますので、色違いのシャインマスカットと言った感じです。しかし、ルーベルマスカットの生産量はシャインマスカットとは比較にならないほど少なく、出盛り期でも見かけるのが難しいほどの希少性を持ちます。

ルーベルマスカットの産地と旬

ルーベルマスカットは、「甲斐路」×「紅アレキ」が親のぶどう品種で、見た目は甲斐路によく似たぶどう品種です。初めて栽培されたのはぶどうの産地として有名な山梨県です。ただ、ルーベルマスカットは、他のぶどう品種と比較すると、栽培方法が難しいことから、生産量がかなり少ないのが実情です。そのため、一般市場に出回ることはほとんどなく、手に入れるには栽培農家の直売サイトなどになるでしょう。ちなみに、田中ぶどう園では、ルーベルマスカットの栽培、販売も行っていますので、ぜひ旬の時期にお問い合わせください。

ルーベルマスカットの旬は、九月上旬~九月中旬で、他のぶどう品種よりもかなり短めなので注意してください。また、非常に希少なぶどう品種ですので、一房当たりの価格もかなり割高です。

ルーベルマスカットの食べ方と保存方法

ルーベルマスカットは、シャインマスカット同様に、皮ごとポリポリ食べていただくことが可能です。皮ごと食べていただくと、皮がシャリッとした独特な食感を持っていて、まるでリンゴのような風味を感じると思います。果肉はプリッとしていてとてもジューシーなぶどうですので、口の中でフルーティーな香りと甘みを楽しむことができます。ルーベルマスカットは、糖度が21度前後ありますので、皮ごと食べることで程よい甘みになると思います。なお、皮ごと食べることに抵抗がある方は、皮を剥いて食べても構いません。

保存に関しては、ラップやキッチンペーパーでくるみ、冷蔵庫の野菜室で保管するのがオススメです。ぶどう表面に、白い粉(ブルームと呼ばれます)のようなものがついていますが、これはぶどう自身が生成した天然成分で、ぶどうを病気や感想から守るためのものです。したがって、保存の際はブルームを落とさないようしましょう。ブドウ全般に言えますが、食べる直前に水洗いするのがオススメです。
ルーベルマスカットは、比較的日持ちが良いぶどうですが、冷蔵保存でも5日以内に食べるのがオススメです。

まとめ

今回は、赤系ぶどうのルーベルマスカットについてご紹介しました。ルーベルマスカットは、皮ごと食べられる種なしぶどうですので、色違いのシャインマスカットと言ったイメージを持っていただければわかりやすいかもしれません。

ただ、シャインマスカットと大きく異なるのは、生産量が非常に少なく、通販サイトなどでも取り扱っている店を探すのが難しいレベルです。さらに、旬の時期も他のぶどうよりも短めですので、タイミングを見計らって探さないと購入することがなかなかできないぶどうです。

ただ、ぶどう通の方の中でも、「一番美味しいぶどうはルーベルマスカット!」とおっしゃる方も多いぶどう品種ですので、ぜひ一度は口にしてみてほしいです。田中ぶどう園では、日本国内でも非常に珍しいルーベルマスカットの栽培を行っていますので、旬の時期が来たら通販サイトの方に登場すると思います。ちょくちょく通販サイトものぞいてみていただければと思います。