この時期になると、みかんを箱買いして、毎日楽しんでいるという方も多くいるはずです。みかんは、まさに日本の冬を彩る代表的な果物といえ、スーパーなどで購入する以外にも、農家さんから直接箱買いしているという人も増えています。

ただ、ダンボールの中に数十個のみかんがある時には「どれが甘くて美味しいみかんなのだろう?」と手に取るみかんに悩んでしまう場合も多いはずです。どうせみかんを食べるのであれば、甘くて美味しいものを食べたいと誰もが考えるはずです。

そこでこの記事では、みかんを選ぶ際、甘くて美味しいものを手に取るために知っておきたい基礎知識をご紹介します。実は、みかんは、その見た目から「甘い」物を選ぶことができるとされているのです。

甘くて美味しいみかんの見分け方について

それでは早速、みかんを選ぶときに甘くて美味しいものを手に取るためのポイントをご紹介します。以下で紹介するポイントを確認しながらみかんを選ぶことで、美味しいみかんを手にすることができる可能性が高くなるはずです。

みかんの形で選ぶ

みかんは、まん丸に育った果実ほど美味しそうに見えるのではないでしょうか?実際に、みかんを選ぶときに、出来るだけ球体に近いものを選んでいるという方は多いはずです。

しかし実は、みかんは果実を横から見た時、横長の楕円形(扁平形)になっている物ほど甘い傾向にあるとされているのです。これは、みかんは、横に成長する時に甘さを蓄えるとされているからで、横長であることは、それだけ甘さを蓄えている証拠となるのです。

なお、みかんの形状については、真上から見た時に、左右非対称になっているみかんはあまり良くないとされています。これは、均一に肥大できておらず、成熟状態が悪い証拠だからです。また、みかんの形を確認する際には「浮皮(うきかわ)」でないかを確認してください。浮皮は、みかんのヘタ周辺の皮が果肉から離れている現象を指すのですが、これが出ているみかんは、水っぽく味が薄いとされています。

皮のキメを確認

二つ目のポイントは「皮のキメ」です。一般の方ではなかなか判別が難しいと思われがちですが、見るべきポイントを押さえておけば、意外に簡単に見分けることが可能です。

みかんの皮は、まっさらなオレンジ色をしているのではなく、表面に半透明の粒粒が見えると思います。これは「油胞」と呼ばれるものなのですが、表面に無数に存在しているはずです。そして、甘いみかんを見つけたい場合には、この「油胞」のキメが細かければ細かい方が良いとされています。

実は、みかんの果実の質については、かなり早い段階で決まるとされています。みかんは、開花後30日間経過すると、細胞分裂が止まり、房の数や砂じょう(粒々のみかんの果肉)の数がほとんど固定されるとされているのです。そして、果皮がきめ細かいものは、健全に生育した証拠で、表面が粗いものよりも甘くなるとされているのです。

皮の色

これはとても分かりやすいポイントで、皆さんもご存知の通り「濃いオレンジ色」をしたみかんほど甘くなります。

みかんは、「オレンジ色」の物と「黄色」の物があるというイメージがあるのではないでしょうか?これは、みかんが育っていく過程で、皮の緑色の色素が分解されることと、オレンジ色の色素が合成されることの二つが同時に起こり、緑からオレンジに着色していきます。そして、太陽光をしっかりと浴びたみかんは、濃いオレンジ色に染まるのです。その一方、太陽光をしっかりと浴びることができなかった果実は、緑色が抜けても、オレンジになりきらず黄色味が強く出てしまうのです。

みかんは、太陽光をしっかりと浴びて活発に光合成をおこなうほど甘くなるとされているため、「濃いオレンジ=太陽光を浴びている」が甘いと判断できるわけです。

軸の太さ

みかんのヘタの部分にある、軸の切り口を見ることで甘さを判断する方法もあります。

みかんを上から見た時、ヘタの部分にある軸の切り口が細い(小さい)ものほど、甘いみかんと判断できるとされています。みかんの果実は、軸の部分から栄養を取り込むと考えると、軸が太いものほど味が良くなると感じてしまいますよね。しかし、軸が太いと、木から水分もたっぷりと取り込むことになるため、みかんの味が薄まる、大味になるとされています。

みかんは、軸が細いものほど味が凝縮され、しっかりと甘さを楽しむことができるとされているので、そういったものを選ぶと良いでしょう。また、ヘタは緑色の物よりも黄色に近く変色したものの方が、良く熟していると判断できます。

キクみかん

キクみかんは、表面が細かくデコボコしていて、なんだか菊の花のような見た目になっているみかんを指しています。表面がデコボコしているとなると、見た目からはあまり美味しそうに感じないかもしれません。しかし実は、このようなキクみかんは、見た目が悪いだけで、中身は驚くほど甘いとされているのです。

キクみかんは、畑の水分不足が原因で出来るとされていて、見た目が悪いため、一般の市場に出回ることはほとんどありません。しかし、農園の直売所や道の駅などであれば、多少形が悪くても売り場に並ぶことがあるため、見つけることができるかもしれません。もし、みかんの売り場でキクみかんを見つけた際には、是非食べてみてほしいと言えるほど美味しいです。

まとめ

今回は、日本の冬を象徴する代表的な果物の一つ、みかんについて、出来るだけ甘くて美味しいみかんを見分けるためのポイントについて解説しました。

記事内でご紹介したように、みかんは、ちょっとした違いをきちんと判断することで、甘くて美味しいみかんを見分けることができるのです。一般的には、「濃いオレンジ」「扁平形である」というポイントは有名ですが、皮のキメや軸の太さは無視されてしまいがちです。これから、みかんを口にする機会が増えていくと思うので、是非上で紹介した内容から、美味しいみかんを探してみると良いでしょう。