初夏の果物狩りの中でも特に高い人気を誇っているのがさくらんぼ狩りです。さくらんぼは、5月から7月頃までが旬の果物なのですが、ハウス栽培なども盛んになった昨今では、ゴールデンウィークに楽しめるレジャーとしてもさくらんぼ狩りが有名になっています。

ただ、さくらんぼを始めとした果物狩りを楽しむレジャーでは、「美味しい果実がどれか分からない…」なんてことに頭を悩ませる方が少なくありません。果物狩りは、自分で果実を収穫することができる点も楽しみの一つとなるのですが、甘くておいしいものを選ぶためのコツがわからなければ、最大限楽しむことができませんよね!

そこでこの記事では、さくらんぼ狩りを最大限楽しむために押されておきたい甘くて美味しいさくらんぼの見つけ方をご紹介します。

さくらんぼ狩りの時期

それではまず、さくらんぼ狩りを楽しむことができる時期について簡単に解説します。

冒頭でご紹介していますが、さくらんぼは初夏が旬の果物で、基本的に5~7月頃に市場に出回ります。ただ、栽培方法や品種によって収穫時期が微妙に異なるので注意しましょう。以下で、品種と栽培方法ごとの収穫時期を簡単に分類してみます。

■品種別のさくらんぼの収穫時期について
さくらんぼには、早生種、中生種、晩生種の3種類があります。それぞれ、以下のように収穫時期が異なります。

  • ・早生種の収穫時期:5月下旬~6月上旬(日の出、セネカ、紅さやかなど)
  • ・中生種の収穫時期:6月中旬~下旬(佐藤錦、高砂など)
  • ・晩生種の収穫時期:7月上旬~中旬(ナポレオン、紅秀峰、紅てまりなど)

上記のように、さくらんぼの収穫時期は品種によって違いがあります。このほか、栽培方法によっても収穫時期が以下のようにずれが生じます。

  • ・加温ハウス栽培:4月中旬~6月上旬頃
  • ・露地栽培:6月中旬~下旬がピーク

現在では、ハウス栽培など、栽培技術の向上により、本来のさくらんぼの旬よりもかなり早く収穫できるようになっています。

さくらんぼ狩りが楽しめる時期については、一般的に6月から7月にかけてが最盛期となります。一部、5月ごろよりさくらんぼ狩りが楽しめる農園などもあるのですが、基本的には、6月上旬~下旬と6月下旬~7月上旬に楽しめると考えておきましょう。時期が大きく二つに分かれるのは、地域や品種によって変わるからです。

甘くて美味しいさくらんぼの見つけ方

それでは、さくらんぼ狩りに行った際、出来るだけ甘くておいしいさくらんぼを収穫するためのポイントについても解説します。さくらんぼの旬については、大まかに6月頃と知っておけばさくらんぼ狩りに行くタイミングを逃すなんてことはないです。

しかし、いざ農園に足を運んだとしても、「甘くて美味しいさくらんぼの見分け方」を知らなければ、現地で右往左往してしまうことになります。ここでは、出来るだけ美味しいさくらんぼを収穫できるよう、さくらんぼ狩りに行く前に知っておきたいポイントをご紹介します。

①太陽に近い位置の果実を狙う

さくらんぼに限らないのですが、果物というのは、太陽により近い高い場所にある物から熟していくという特徴があります。したがって、誰でも簡単に手に届く位置にある果実よりも、高い位置にある実の方が熟して甘い可能性が高いのです。

さくらんぼ狩りに行き、甘くて美味しいさくらんぼを手に取るには、出来るだけ木の上の方にある果実で、さらに太陽の光をしっかりと浴びることができる木の外側になっているさくらんぼを狙うのがおすすめです。さくらんぼ狩りを楽しめる農園では、高い位置にある果実を楽しめるよう脚立や踏み台を用意していると思います。したがって、それらを借りて高い位置にある実を狙うと良いです。

②大きく、真っ赤に色づいた実を狙う

さくらんぼは、さまざまな品種があり、なんと世界中を見渡すと1000種類以上のさくらんぼ品種があると言われています。当然、品種によって果実の大きさなど、特徴はさまざまなのですが、同じ品種のさくらんぼであれば、基本的に似たような大きさ、色合いになるものです。

そして、甘くて美味しいさくらんぼを選ぶためには、同じ木に成っている果実を見比べ、出来るだけ大きくて真っ赤に色づいている粒を収穫すると良いです。

③一粒ずつ実だけをとる

さくらんぼは、軸が付いていてその先に2つの果実が付いている物をイメージすると思います。スーパーなどで販売されているさくらんぼは、基本的にこの形をしています。そのため、さくらんぼ狩りに行った際には、軸ごと収穫するという方法が正解と考えているしまう方が多いはずです。

しかし、さくらんぼ狩りに行き、自分で果実を収穫する際には、軸ごと収穫するのではなくて、熟している実だけを収穫するようにしましょう。これは、同じ軸でつながっているものでも、片方は熟しているけど、もう片方はまだ早い…なんてケースがあるからです。したがって、さくらんぼ狩りでは、完熟状態になっている実だけを収穫するようにしましょう。

なお、熟したさくらんぼは、優しく触っただけで軸から外れます。つまり、収穫しようと触ってみたものの、簡単に外れないものはまだ未熟な証拠です。

④焦らずじっくりと完熟した実を探す

最後は、さくらんぼ狩りの心構えのような物です。さくらんぼ狩りは、時間制限が設けられたうえで食べ放題となっている施設が多いです。

そして、この制度について「時間制限がある」という部分にばかり注目してしまい、スタートして初めのころに何でもかんでも手当たり次第に収穫してさくらんぼを食べていくという行動に出る方が多いのです。さくらんぼは、小さな果実なので、食べる前は「いくらでも食べられるだろう!」と考えてしまいますが、水分の含有率もそれなりに高いことから、急いで食べていると10分もしないうちにお腹がいっぱいになってしまいます。

そして、満腹感を感じて食べるペースを落としたころに、やっと「大きくて真っ赤に色づいた実があった!」なんてことに気付いてしまうのです。どのような食べ物でも同じですが、満腹感を感じている状態よりも空腹状態で食べた方が美味しく感じられるはずです。つまり、スタート時点で手あたり次第に食べ進めていくという行為では、本当のさくらんぼの美味しさを楽しむことができなくなる可能性があるのです。

さくらんぼ狩りは、時間制限がある施設が多いですが、お客様が十分に楽しめるだけの時間は確保されています。したがって、美味しいさくらんぼをできるだけ美味しく感じる状態で食べるためにも、焦って収穫するのではなく、じっくりと完熟したさくらんぼを探しながら食べていくのがおすすめです。

まとめ

今回は、初夏に楽しめる果物として有名なさくらんぼについて、さくらんぼ狩りに行って美味しいさくらんぼを選ぶためのポイントについて解説しました。さくらんぼは、樹上で完熟する果物なので、出来るだけ大きく育った実を探すのがおすすめです。太陽の光をいっぱいに浴びることができる、木の外側で高い位置にある実から熟していくので、踏み台などを使って高い位置のさくらんぼを収穫するようにしましょう。

なお、さくらんぼ狩りは、基本的に6月に入ってから楽しむことができるレジャーというイメージが強いのですが、ハウス栽培が盛んになった昨今では、ゴールデンウィークにさくらんぼ狩りを楽しむことができる施設も多くなっています。もちろん、全国どこでも5月からさくらんぼ狩りが楽しめるわけではないので、しっかりと調べてみましょう。

さくらんぼ狩りに限らず、フルーツ狩りは、基本的に事前予約制となっているので、まずは農園に問い合わせしてみるのがおすすめです。