近年では、ぶどうは、フルーツの中でも高級な物というイメージが強くなっています。一昔前までは、スーパーなどで比較的安価に販売されていた小粒のデラウェアが大衆ぶどうとして有名だったことから、リーズナブルに食べられるフルーツという印象があったものの、品種改良が進み、巨峰やピオーネ、シャインマスカットや瀬戸ジャイアンツなどが有名になった現在では、贈り物や自分へのご褒美として特別な日に食べるフルーツになっています。

そこで当コラムでは、さまざまあるぶどう品種の中でも、贈答品や自分へのご褒美として食べてみてほしい、高級ぶどう品種をピックアップしてみます。なお、一口にぶどうと言っても、黒ぶどう・白ぶどう・赤ぶどうなど、系統の違いがあり味が異なります。ここでは、黒ぶどう・白ぶどう・赤ぶどうについて、それぞれおすすめの高級ぶどうをいくつかピックアップします。

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高級ぶどうのトレンドについて

昭和生まれの人にとって、最も身近なのはデラウェアと呼ばれる小粒のぶどうなのではないでしょうか?昭和の時代には、デラウェアがスーパーなどでも安価で販売されていて、子供のおやつとして非常に高い人気を誇っていました。

ただ最近は、贈答品などにも利用される高級ぶどうは、「大粒・高糖度・皮ごと・種無し」というのが大きなトレンドになっています。日本人にとっては、「ぶどうの皮は剥いて食べる」というのが長らく当たり前でしたが、現在ではスナック間隔でそのままつまんで食べられるぶどうの人気が高くなっています。

ただ、種無し処理や食べられるぐらいの薄い果皮のぶどうについては、栽培時に手間がかかる事や高い技術力を必要とすることなどから、どうしても高価になりがちです。また、最近のトレンドを備えているということは、人気で需要が高いということですので、その分希少性が高くなるため、値段が高くなる傾向があるのです。

種なしで皮ごと食べられるぶどうと言えば、シャインマスカットが真っ先に思い浮かびますが、その他にも人気の高級ぶどうが存在しています。下で、現在、高級ぶどうの中でもオススメ出来る品種をいくつかご紹介しますので、ぜひ食べてみてほしいです。

黒系ぶどうの高級品種

黒系ぶどうは、皆さんがイメージする「果皮が紫色」のぶどう品種です。分かりやすい例をあげると、巨峰やピオーネが黒系ぶどうです。まずは、ぶどうの代表格とも言える黒系ぶどうの高級品種をピックアップします。

ブドウの王様『巨峰』

高級ぶどうと聞いて、多くの方が真っ先に名前を思い浮かべるのが『巨峰』だと思います。さまざまなぶどう品種の中でも、特に粒が大きく、コクのある風味と香り、強い甘みが特徴です。

上述した、最近の高級ぶどうのトレンドからは外れていて、皮は剥いて食べる、種あり品種なのですが、老若男女問わず、多くの方から愛される品種なので、現在でもぶどうギフトとして非常に高い人気を誇っています。なお、最近では、種無しの巨峰なども栽培されるようになっているようです。

高級ぶどうの中では、最もなじみ深いぶどう品種で、1kgあたり約3,000円~4,000円程度が相場です。

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贈答品ぶどうの定番『ピオーネ』

ピオーネは、巨峰とマスカットの2種を交配して作られた品種で、巨峰の甘さとマスカットの爽やかさを兼ねそなえた、非常に美味しいぶどうです。

粒の大きさは、巨峰を上回る大きさで、香りの高さから、贈答品業界でも高い人気を誇っています。なお、こちらも最近のトレンドとは異なり、種ありぶどうとなります。ただ、種無し処理が施されたピオーネも出回るようになっていて「ニューピオーネ」という名称で販売されています。

ピオーネは、大粒で見た目の美しさを持っているうえに、日持ちが良いという特徴から、贈答品ぶどうとしてオススメです。価格については、この記事でご紹介する他のぶどう品種と比較しても、トップクラスにリーズナブルで1kgあたり約2,000円~3,000円程度が相場です。

関連:贈答品ぶどうの定番「ピオーネ」の特徴について

黒系では珍しく皮ごと食べられる『ナガノパープル』

『ナガノパープル』は、巨峰とリザマートを交配して誕生したぶどう品種で、名称から分かるように、長野県のオリジナル品種です。

このぶどう品種は、黒系ぶどうでは珍しく、種無しで皮ごと食べられます。皮が非常薄くて、サクサクとした食感にはまる方が非常に多いようです。味も、糖度が高くて甘く、酸味がおだやかといった、甘さと酸味のバランスの良さが特徴です。ちなみに、ナガノパープルは「毎日グレープ」という名称で、機能性表示食品として消費者庁に届出し、令和元年に受理されています。

ナガノパープルの価格は、ネットでの注文の場合、1kgあたり約3,000円~4,000円程度が相場です。ただ、百貨店などで購入すると、6,000円を超える場合もあるようです。

参照:JA全農長野

緑系ぶどうの高級品種

緑系ぶどうは、いわゆる「白ブドウ」と呼ばれる品種の総称です。マスカットをイメージしてもらえれば分かりやすいです。最近の贈答用ぶどう品種では、この緑系ぶどうの人気が急激に高くなっています。

世界的に人気の『シャインマスカット』

ぶどう品種の中でも、巨峰以上の知名度を誇るようになっているのがシャインマスカットです。シャインマスカットは、海外で偽物騒動が起きるほど、世界的に人気のぶどう品種となっています。

鮮やかな黄緑色の美しい見た目と、強い甘味、マスカット特有の上品な香りが特徴のぶどう品種です。また、最近のトレンドである、種無しで皮ごと食べられる手軽さがあり、お子様から高齢の方にまで幅広い世代に人気です。ちなみに、シャインマスカットは、生クリームと非常に相性が良いので、そのまま食べることはもちろん、ケーキやフルーツサンドの具としても高い人気を誇ります。

価格的には、「とても高級なぶどう」というイメージが強いと思うのですが、圧倒的な人気の高さから、栽培面積が年々増えていて、ここ数年は手を出しやすい価格帯になっています。シャインマスカットの出盛り期であれば、1kgあたり約2,000円~3,000円程度で手に入るようになっています。

関連:皮ごと食べられる高級ぶどう!シャインマスカットの特徴

フルーツ界の女王と呼ばれる『マスカットオブアレキサンドリア』

巨峰は「ぶどうの王様」と呼ばれますが、『マスカットオブアレキサンドリア』は、なんと果物界全体の女王と呼ばれるほど人気のぶどう品種です。一般的に、「マスカット」と呼称される場合は、この『マスカットオブアレキサンドリア』のことを指しています。

マスカットは、なんといってもその風味豊かで芳醇な香りが一番の特徴です。最近のトレンドとは異なり、種ありぶどうなのですが、これはマスカット特有の香りの良さを損なわないため、あえて種を残しているのだそうです。『マスカットオブアレキサンドリア』は、かつてクレオパトラも口にしたと言われるほど歴史のある品種ですので、ぜひ一度は口にしてみてほしい高級ぶどうです。

価格は、1kgあたり約2,000円~3,000円程度が相場です。

人気急上昇中の『瀬戸ジャイアンツ』

『瀬戸ジャイアンツ』は、その美味しさに衝撃を受けるとまで言われており、巷では「シャインマスカットより美味しい」とうわさされるほどだそうです。このぶどう品種は、独特な粒の形をしていて、皮がシャインマスカットよりも薄く果肉が柔らかいため、今後、さらに人気が高くなっていくぶどう品種として注目されています。

瀬戸ジャイアンツは、酸味が弱く、甘さが非常に強いのが特徴です。糖度については、なんとさとうきびの搾り汁よりも高いと言われています。最近のトレンドである、種無しで皮ごと食べられるぶどう品種なので、お子様がいるご家庭への贈答品として非常に高い人気を誇ります。

瀬戸ジャイアンツの価格は、1kgあたり約3,500円~4,500円程度が相場です。

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赤系ぶどうの高級品種

最後は、赤系ぶどうです。

希少性が非常に高い『クイーンニナ』

『クイーンニナ』は、果皮が赤ワインのような鮮やかな赤色をしているのが特徴のぶどう品種です。主な産地は山梨県ですが、2009年に登録出願、2011年に品種登録されたばかりで、非常に新しいぶどう品種のため、生産者がまだ少なく、希少性が非常に高いのが特徴です。

薄めの皮でサクサク食感を楽しめ、種もないのでそのまま食べることができます。強い甘みと、上品で方向な香りを持っている品種で、シャインマスカットよりも好みだという方も少なくありません。渋みや酸味が少ないぶどう品種なので、お子様がいるご家庭へのギフトでも喜ばれると思います。

まだまだ希少価値が非常に高いぶどうですので、見かけることも少ないはずです。価格については、1kgあたり3,000円~4,000円程度が相場と言われていますが、ネット通販でも5,000円以上で販売されていることも珍しくありません。

赤いマスカットと呼ばれる『甲斐路(かいじ)』

『甲斐路(かいじ)』は、フレームトーケーとネオマスカットの交配種で、明るい赤色の粒をしています。そのため、別名で「赤いマスカット」などとも呼ばれることがあるそうです。

皮が薄く、さらに皮付近が甘いので、そのまま食べることがおすすめです。非常に甘みが強く、酸味が少ないぶどうなので、甘いぶどうが好みだという方には特におすすめです。このぶどう品種は、粒がしっかりと軸についていて落ちにくいため、日持ちが良く贈答品として非常にオススメです。

価格は、贈答品ぶどうの中では比較的リーズナブルで、1kgあたり2,000円~3,000円程度です。

世界一高いぶどうと言われる『ルビーロマン』

『ルビーロマン』は、世界一高いぶどうと言われています。実はこのぶどう品種は、2021年7月の初競りにて、1房140万円という過去最高価格が付くほどの高級さです。

ルビーロマンは、石川県で開発・栽培された品種で、当時は赤系ぶどうで珍しかった大粒ぶどうを作ろうと開発がすすめられたそうです。品種開発の際には、約400粒の種子サンプルの中から、唯一発芽に成功した1粒だけが、ルビーロマンの種子として誕生したと言われています。
ルビーロマンが高級な理由には、栽培が非常に難しく、一つの畑からわずかしか収穫されないという、その希少さが影響しています。また、高品質を維持するため、厳格な基準が設けられています。糖度が18度以上で巨峰よりも大きいと言われる大粒ですので、非常に食べ応えがあるぶどう品種だと言えるでしょう。

価格的には、上述したぶどう品種よりも圧倒的に高価で、通販サイトなどでも1房1万円前後で販売されています。なかなか手を出せる価格帯ではないかもしれませんが、ぜひ一度は食べてみてほしいぶどう品種です。

まとめ

今回は、贈答品や自分へのご褒美としておすすめしたい、高級ぶどう品種をご紹介しました。記事内でご紹介したぶどう品種は、贈答品ぶどうの中でも特に人気の高い品種となります。

高価なだけあり、どれも非常に美味しいぶどうなので、機会があればぜひ口にしてみてほしいと思います。なお、最後に、筆者独断で、ご家族や仲の良い人に贈ってみたい高級ぶどうランキングをご紹介しておきます。

  • 1位 瀬戸ジャイアンツ
  • 2位 クイーンニナ
  • 3位 シャインマスカット
  • 4位 ピオーネ(ニューピオーネ)

この記事内でご紹介したぶどう品種は、どれも非常にオススメ出来るぶどうなので、贈答品としてご家族や友人に送ってみてはいかがでしょう。田中ぶどう園では、贈答用包装なども承っていますので、お気軽にお問い合わせください。