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りんごの表面がテカテカでベタベタ!これってワックスが塗ってあって身体に悪いの?
今回は、日本人にとってみかんと並んで非常になじみ深い果物の一つであるりんごの疑問について解説します。りんごは、一般的に寒さが深まる10月頃から出回り始める秋から冬にかけてが旬の果物というイメージが強いと思います。しかし、りんごは、品種によって気温がまだまだ高い8月末ごろに収穫期を迎える物があるなど、かなり長い期間楽しめる果物です。日本国内では、みかんと並んでりんごの生産量が突出していて、この二つの果物は年間の生産量が70万トンを超える年も多いです。毎年3位を争う和梨と柿の生産量が20万トン前後であることを考えると、みかんとりんごの生産量がどれほど突出しているのかよくわかります。
これから食卓で口にする機会が増えてくるりんごですが、実はその見た目で「安全に食べられるの?」と疑問に感じてしまうポイントがあるようです。それは、りんごの中に、表面がテカテカに光っていたり、持ってみるとベタベタする…と感じるものがあり、このりんごについて「表面にワックスが塗られていて、そのまま食べると健康を害すのでは…」と不安に感じてしまうというものです。
そこでこの記事では、日本人にとって、最も身近と言っても良い果物であるりんごについて、表面のテカテカやベタベタの理由を解説します。
りんご表面のベタベタやテカテカは人工的なワックス?
スーパーなどの店頭で販売されているりんごを見た時には、表面の果皮が油やワックスを塗っているかのようにテカテカに輝いて見えるものがあります。また、中には手で持ったときに、なんとなくベタベタすると感じるような物があり、これらのりんごについては、表面にワックスが塗られていて、そのまま食べると健康に害があるのではないか…と不安に感じてしまう人がいるようです。
それでは、果皮がテカテカしていたり、持った時にベタベタすると感じるリンゴは、人工的にワックスなどが塗られているのでしょうか?
国産りんごは人工的なワックスではなく、天然成分が出ているだけ
りんごは、その他の果物と異なり、国内で生産されたものが流通しているケースが多いです。先ほど紹介したように、りんごは、みかんと並んで、国内生産量が突出していて、普段皆さんが利用しているスーパーに並んでいるりんごも、その多くが国産りんごなのです。
そして、国産りんごに関しては、見栄えを良くするなどという目的で、人工的なワックスが使用されることがないため、表面のテカテカやベタベタがあったとしても、それはワックスが原因なのではありません。実は、りんごは、自らが天然のワックスと言われる「ろう物質」を出すという特性を持っています。りんごは、熟すにつれて、果肉中のオレイン酸やリノール酸が増えていくのですが、そうすると皮に含まれている物質が溶かされ、表皮に表れてまるで油やワックスを塗ったような状態になるのです。この現象は「油あがり」と呼ばれています。
つまり、国産りんごについては、人工的にワックスが塗られているのではなく、りんごが熟して油あがりが起きているだけな訳です。このろう物質は、水分の蒸発を防いで、りんごの果実を新鮮に保ったり、病原菌が内部に侵入することを防ぐ役割も果たしていて、りんご自身が自らを守るために出している物質なので安心して食べてください。
それどころか、油あがりは、りんごが熟してきたサインでもあるため、「食べごろ」を示していると判断できます。
輸入品のりんごは注意が必要
物流技術が発展している現在では、果物のような生鮮食品も、海外で生産された輸入品が出回るようになっています。
そして、海外産のりんごについては、表面をピカピカにして美味しく見せるため、人工的なワックスを塗って艶出ししている可能性があるので注意したほうが良いです。
もちろん、国内で流通させる目的のりんごについては、輸入時に禁止されている農薬が使用されていないかなどのチェックがなされているのですが、生産環境などはかなり違うため、国産りんごほどの安心感はないと思った方が良いかもしれません。ちなみに、りんごの表面にワックス処理するという行為については、単に美味しく見せるためという目的だけでなく、輸送中に乾燥して傷むのを防ぐという目的もあるようなので、致し方ない面もあると思います。
表面がベタベタするりんごは危険?
それでは次に、実際にりんごを食べる時、表面のテカテカやベタベタが気になった時の対処について解説します。ここでは、表面がテカっていたりベタつくりんごは危険なのか、またワックスと思われるとき、どうすれば良いのかについて解説します。
表面がベタベタ、テカテカのりんごは大丈夫?
それではまず、表面がテカテカに光っている、触るとベタベタするりんごについて、問題なく食べられるのかを考えてみましょう。ちなみに、りんごのベタベタなどについて、天然成分か人工的なワックスかを見分けるには、基本的に国産か輸入品なのかで判断すると良いです。先ほど紹介したように、国産のりんごは、表面にワックスなどを塗ることがないため、この場合、りんご自身が出している天然成分と判断できます。
ここでは、国産と輸入品のりんごについて、表面がベタベタする物を食べても問題ないのかをご紹介します。
- ・国産のりんごの場合
上で解説した通り、国産りんごの場合、表面のベタベタは天然成分です。また、日本で栽培される果物などについては、使用可能な農薬や残留農薬の値が厳しく決められていて、そのまま食べても健康被害の心配はない状況となっています。つまり、国産のりんごと分かっているものは、安心してそのまま食べても構いません。それどころか、不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸は栄養価が高いので、皮ごと食べるのがおすすめです。 - ・輸入りんごの場合
海外から輸入されたりんごで、表面がテカテカに光っているという場合、人工的にワックスが塗られている可能性があります。艶出しをして美味しそうに見せるための対策がなされているわけですね。こう聞くと、輸入物のりんごは危険なのではないか…と感じますが、人工的なワックス処理がされているりんごについても、そこまで気にする必要はありません。なぜなら、りんごの艶出しに用いられるワックスは、タンパク質や動植物性油脂、天然多糖類などを混ぜて作られています。つまり、ワックスも人が食べても問題ないように、食物が材料として使われているので、これを口にしても健康被害が出るようなことは、基本的にありません。
上記のように、表面がテカテカしていたり、ベタベタするようなりんごでも、そのまま食べることはできます。
どうしても気になる場合は、しっかりと洗う
りんごのテカテカは、国産の場合、天然成分であり、輸入品も人が口にすることを前提に作られたワックスなので、食べても健康被害などが出るとは考えにくいです。したがって、基本的には、深く考えずに食べても構わないと言えます。
しかし、中には「そうはいってもワックスはやはり気になる…」と不安に感じる方がいるはずです。その場合、りんごを食べる前にしっかりと洗浄すると良いでしょう。そうすることで、ワックスだけでなく、残留農薬などもしっかりと落とすことができるので、より安心です。ここでは、りんごをしっかりと洗浄するための方法についてもいくつかご紹介します。
- ・流水で洗う
りんごを洗う時の基本的な方法は、流水で洗い流すという方法です。国産のりんごは、水溶性の農薬が使用されているため、水でしっかりと洗い流せば、残留農薬の心配もなくなります。しっかりと農薬を落としたいと考えるなら、柔らかいスポンジを使って擦り洗いするのも良いでしょう。 - ・重曹を使う
掃除や料理などにも使われる重曹は、りんごのワックスや残留農薬を落とす時にも便利です。ボールに水をため、そこに重曹を溶かしてからりんごを浸けましょう。1~2分ほど置き、スポンジで優しくこすれば、ワックスや残留農薬を綺麗に落とすことができます。また、少し濡らしたスポンジに重曹をつけてりんごをこするだけでも、ワックスなどを落とすことができます。なお、重曹は、油性の農薬なども落とすことができるので、輸入品の野菜や果物を綺麗にする際には非常に重宝します。 - ・塩や酢を使う
塩や酢は、人工的なワックスなど、化学物質を落とす効果があるとされています。したがって、塩水や酢を溶かした水にりんごをしばらくつけて、表面を揉み洗いすれば、綺麗にワックスや農薬を落とすことができます。最後に、流水で洗い流せば、味なども変わることがありません。食用の物を使って綺麗にできるとなると、気持ち的にも好ましい方法なのではないでしょうか。 - ・お湯につける
農薬を落とす方法として効果的とされているのが、短時間だけお湯に浸けるという方法があります。沸騰したお湯を用意して、りんご全体が浸かるようにして15秒ほど置きましょう。その後、リンゴを取り出し、流水で洗い流すことで冷ますと良いです。これで、表面の汚れや油分を綺麗に落とすことができます。ただ、長時間お湯に浸けると、食感などが悪くなるので、その辺は注意しましょう。
りんご表面のワックスや残留農薬を落とすには、上記のような方法を採用すると良いです。なお、昨今では、台所用洗剤の中に「野菜・果物用」の洗剤が登場しています。洗浄剤を使えば、汚れなどもしっかりと落とすことができるので、「洗剤で洗う」という行為が気にならない方は使ってみても良いかもしれません。
まとめ
今回は、みかんと並んで、日本人にとって非常になじみ深い果物のりんごの疑問を解説しました。
スーパーの店頭で気軽に購入できるりんごですが、中には表面が異常にテカテカしていて、「人工的なワックスが塗られているのでは?」と感じるような物があり、そのまま食べると健康被害が出るのではないか…と不安に感じる人がいるようです。
しかし、りんごのテカテカやベタベタについては、国産の場合、りんご自身が出している天然成分で、そのまま食べても何の問題もないのです。また、輸入品でワックスが塗られているりんごについても、基本的に食物を原材料として作られたワックスが使用されているため、そのまま食べたとしても特に問題はありません。
もちろん、天然成分や人体に悪影響がないワックスだとしても、なんとなく気になってしまう…という方はいるかと思います。そういった方は、上で紹介した洗浄方法で綺麗にしたうえで食べると良いのではないでしょうか。