
切った梨の保存方法について!梨を長持ちさせる保存方法も
夏から秋にかけて旬を迎える果物に梨があります。梨は、日本人に人気の果物ランキングで、常にトップ争いをするほど好む方が多い果物なのですが、他の果物と比較するとデリケートな部分があるため、保存方法に注意が必要です。水分が非常に多い果物なので、保存方法を間違ってしまうと、せっかくの美味しさが損なわれてしまいます。
特に、切った後の梨の保存について、多くの方が悩ましいと考えているのではないでしょうか?梨は、リンゴなどと比較すると、一玉が大きいため、一人暮らしの方であれば、一度にすべてを食べきることが難しいです。そのため、切った後の梨を冷蔵庫などで保存するケースは非常に多いのですが、保存した後の梨を食べようとすると、乾燥していて梨特有のシャキシャキ感や瑞々しさが失われていた…なんて話を聞く機会は多いです。
そこでこの記事では、梨の正しい保存方法について、いくつか注意点をご紹介します。
梨の保存方法について
それでは、梨の保存方法について、美味しさを保つための保存のコツをいくつかご紹介していきましょう。ここではまず、丸ごと梨を保存する時のポイントをいくつかご紹介します。
梨の保存は「冷蔵」が基本
果物の保存に関しては、常温での保存が好ましいと考えられているケースが多いですよね。これについては、暖かい時期に収穫される果物については、低温環境を苦手とするものがあり、冷蔵庫で保存すると低温障害を引き起こすものがある、追熟が必要な果物は冷蔵庫で保存すると完熟状態にもっていくことができないなどといった理由からです。
そのため、梨についても、常温保存をしておき食べる前に冷蔵庫に入れれば良いと考える人がいます。しかし、梨の保存については、常温保存を避け、冷蔵で保存することがポイントになります。
実は、日本でよく食べられている和梨は、追熟しない果物です。梨と同じ時期に出回る桃やマンゴー、また同じ梨である「ラフランス(洋梨)」などは追熟する果物なので、完熟状態になるまで常温での保存が推奨されています。これに習って、和梨も常温で保存しておけば良いと考える方がいるのですが、和梨は樹上で完熟し、食べごろになったものを収穫する果物なので、市場に出回っている段階で既に完熟しているのです。
つまり、和梨は、常温状態で保存していると劣化が急速に進んでしまうため、鮮度を保つ目的で冷蔵庫での保存が推奨されるのです。
冷蔵庫に入れる際は、ヘタを下にして野菜室に
梨を冷蔵保存する際は、ヘタの部分を下にすると良いです。また、野菜室付きの冷蔵庫なら、野菜室に入れて保存するのがおすすめです。
梨は、収穫後もヘタの部分から呼吸を続けています。そして呼吸することによって、果物の中に含まれる糖分や水分が消費されていくとされているのです。したがって、ヘタの部分を下にして保存すれば、梨の呼吸を抑えることができ、乾燥などを防止することが可能になります。
梨は、水分量が多い果物で、乾燥を苦手としています。冷蔵庫の中はとても乾燥していて、梨は冷気によって水分がどんどん失われてしまいます。したがって、冷蔵庫の中に入れる際は、乾燥を防止するため、キチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れてから野菜室で保存するのがおすすめです。そうすることで、梨の瑞々しさを長く保つことができるようになります。適切な状態で保存すれば、最低でも1週間程度は鮮度をたもつことができ、 品種によっては1カ月程度日持ちさせることができます。
梨の品種ごとの日持ちについて
梨の保存期間については、大まかに1週間から1カ月程度と解説されることが多いです。なお、この期間は、冷蔵庫の中で適切に保存した場合の日持ちです。
ただ、梨の保存期間は、品種によって変わります。一般的に、収穫期が遅い品種になるほど、日持ちが良くなるとされ、「新高」や「にっこり」、「二十世紀」などの品種は長持ちします。その一方、収穫期が早い「幸水」や「豊水」などの品種は、水分量が非常に多いため日持ちしにくいです。日持ちしにくい梨の品種は、なるべく早く食べるようにしましょう。和梨は、追熟しないので、収穫した時点で食べ頃を迎えています。
切った梨の保存について
梨は、品種によってかなり大きい果実に育つものがあります。そのため、切った後に一度に食べきれず、保存が必要になるというケースも珍しくないのです。ただ、切った後の梨を、何も考えずに冷蔵庫で保存すると、乾燥で食味が悪くなったり、変色してしまったりします。
切った後の梨を良い状態で保存するためには、まず塩水や砂糖水に浸けてから冷蔵庫に入れるという工程を挟みましょう。切った後の梨は、切り口から酸化が進むため、変色してしまうのですが、塩水や砂糖水につけてから保存すれば、変色を防ぐことができます。
切った後の梨の変色を防ぐ場合、「200mlの水に対して小さじ1/5程度の塩を混ぜた塩水」もしくは「200mlの水に対して大さじ1杯程度の砂糖を混ぜた砂糖水」を使用します。カットした梨を、塩水もしくは砂糖水に入れ、5~10分程度つけておきましょう。
つけ終わった梨は、一個ずつラップに包み、チャック付きの保存袋に入れて冷蔵庫の中に入れると良いです。この方法であれば、切った後の梨でも、3日程度は保存可能です。
なお、カットした梨は冷凍保存することでより長く美味しさを保つことができます。カットした梨を冷凍庫で保存すれば、約1カ月程度は保存可能です。ただ、冷凍した梨は、完全に解凍すると水分が外に出て食味が悪くなるので、シャーベット状態で食べるのがおすすめです。
まとめ
今回は、さまざまな果物の中でも非常に高い人気を誇る梨について、正しい保存方法をご紹介しました。
梨は、追熟する果物と勘違いしている方が意外に多く、常温状態で保存する物と考えている人が珍しくありません。しかし、記事内でご紹介したように、梨は、樹上で完熟する果物で、収穫した時点で食べごろを向かえているため、常温ではなく冷蔵での保存が望ましいです。ただ、乾燥には弱いため、キッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、野菜室で保存するようにしましょう。
なお、カットした梨を保存する際は、塩水か砂糖水に付けてから保存するようにすれば、酸化による変色を防ぐことができます。これから、梨を口にする機会が増えていくと思うので、保存の際はぜひ参考にしてみてください。