ぶどうは、世界中で親しまれていて、日本国内でも非常に人気の高いフルーツです。ぶどうは、そのまま食べることができるのはもちろん、干しブドウのような加工食品やワインの原材料など、幅広い利用用途があることから、今までぶどうを口にしたことが無いという方は非常に少ないのではないでしょうか?

この記事では、現在、日本国内で栽培、流通しているさまざまなぶどうについて、代表的なぶどうとその特徴を簡単にご紹介していきます。実は、ぶどうというフルーツは、非常に多くの品種が開発されていて、世界中のぶどう品種を集めると、なんと1万種類以上あるのではないかと言われるほどなのです。
ここでは、多種多様なぶどう品種の中でも、日本国内で食べられるぶどうについてまとめてみます。

ブドウの品種について

ぶどうは、大きく分けるとヨーロッパ系のものとアメリカ系のものがあります。ヨーロッパ系のぶどうは、日本の気候の中では病害などの被害が多くなるため、耐病性の高いアメリカ系のぶどうと掛け合わされ、この二つの交雑種が、現在日本国内の生食用ぶどう品種の多くを占めるようになっています。

交雑種のぶどうは、親となるぶどうの特徴によって、果粒の色が異なるさまざまな品種が生まれています。現在でも、ぶどう人気の高さから、新しい品種の開発を継続的に行っている農園も多く、これから数年後に登場する品種も沢山ある事でしょう。
ここでは、現在日本国内で食べることができる、さまざまなぶどう品種をご紹介します。

巨峰

巨峰は、「ブドウの王様」と呼ばれるほど、日本国内では人気の高いぶどう品種で、紫黒色の大きな果粒が特徴の、高い糖度とジューシーな味わいを楽しめます。近年、新たに開発されるぶどうは、皮ごと食べられるものが多いのですが、巨峰は、皮には渋みがあるため、皮は取り除いて食べるのが一般的です。

日本国内での人気は非常に高いので、ハウス栽培なども盛んにおこなわれていて、4~10月と長期間出回ります。ただ、最盛期は9月頃となります。

関連記事:ぶどうの王様と呼ばれる巨峰の特徴をご紹介

デラウェア

デラウェアは、スーパーなどでも見かけることが多い、大衆ぶどうの代表品種です。種無しぶどうの代表格ですが、皮は取り除いて食べるのが一般的です。

デラウェアは、ハウス栽培が盛んにおこなわれていて、ハウス産のものは4月下旬ごろより出回り始めます。そして、6月下旬ごろになると、無加温のものが出回り始めます。ちなみに露地栽培のものも、4月下旬~9月にかけて出荷されます。
小粒で非常に食べやすいぶどうですので、喉に詰まる心配も少なく、小さなお子さんから年配の方まで老若男女とわずオススメの品種です。

ピオーネ

ピオーネは、「黒い真珠」とも呼ばれる大粒ブドウです。見た目は巨峰とよく似ているのですが、巨峰よりも締まりのある実と甘みが特徴です。ピオーネは、種ありと種なしのものがあるのですが、種無しのものはニューピオーネという名称で流通しているケースが多いです。

基本的には皮を剥いて食べる方が多いのですが、皮ごと食べることもできます。ピオーネは皮近くに甘さがあるので、むきにくい場合は皮のまま食べるのがオススメです。5~12月にかけて長期出荷されます。

関連記事:贈答品ぶどうの定番「ピオーネ」の特徴について

シャインマスカット

近年非常に高い人気を誇っているのがシャインマスカットです。マスカットの中では珍しい種なしで、強い甘みと芳香が特徴の品種です。

シャインマスカットは、贈答用のぶどうとして人気で、ぶどうの中でも高級品種と言った扱いになっています。6月から出始めますが、8月中旬が最盛期となります。シャインマスカットは、もともと強い甘みを持っていますが、食べる前に少し冷やすことで、さらに甘みを引き立てることが可能です。ただ、冷やしすぎると、甘みが感じられなくなるので、1から2時間程度冷やす感じにしましょう。

関連記事:皮ごと食べられる高級ぶどう!シャインマスカットの特徴

アレキサンドリア

アレキサンドリアは、正式名称は「マスカット・オブ・アレキサンドリア」です。大粒で美しい黄緑色が特徴のぶどうで、独特の甘みと芳香を持っていることから、「果物の女王」とも呼ばれています。市場には6~11月と比較的長い期間出回ります。

アレキサンドリアは、贈答用ブドウとして人気ですが、最近では7~10月にかけて、スーパーなどでも見かけるようになっています。

キングデラ

キングデラは、大阪で生まれた高級ぶどう品種です。デラウェアの血を引く「レッドパール」と「アレキサンドリア」の交配種のため、紫黒色ですがマスカット系の香りを持っているのが特徴です。皮が取りやすく、種もないので非常に食べやすいぶどうです。

キングデラは、ハウス産が高級品として春から夏にかけて出回り、露地栽培のものは少量ですが、8月に出回ります。

ナガノパープル

長野県オリジナルの早生品種です。2005年頃に出荷が始まったとされる、まだ新しい品種で、爽やかな甘みが特徴のぶどう品種です。巨峰やピオーネよりもやや小ぶりで、皮ごと食べることができるので、皮に含まれるポリフェノールも摂取することが可能です。ちなみに、ナガノパープルは、ぶどう類での生鮮食品としての機能性表示届出は第一例目となっています。

甲斐路(かいじ)

甲斐路は、酸味が少なく強い甘みを持っており、大粒で橙赤色の長卵形が特徴のぶどうです。甲斐路は、皮ごと食べられて日持ちもするため、土産品としても人気があり親しまれています。

なお、このぶどう品種は、赤系の大粒ぶどうの大衆品種として定着しています。出回り時期は9~10月で、ピークは9月です。

キャンベルアーリー

キャンベルアーリーは、紫黒色で厚めの皮と、さわやかな酸味が特徴のぶどうです。皮は厚いのですが、実離れがよくむきやすいので、比較的食べやすいと思います。なお、糖度は14〜16度と、ぶどうの中では高い方ではありません。そのため、さっぱりとした味わいを楽しむことが可能です。

キャンベルアーリーは、生食用としても流通しますが、色が濃く程よい酸味を持つことから、ワインの原料やジュース、ジャムなどの加工品に利用されることが多いです。

ロザリオビアンコ

ロザリオビアンコは、大粒で緑白色の楕円形が特徴のぶどうです。糖度は20度以上と、とても強い甘みがあるので、甘いブドウが好きな方にはおすすめです。

ロザリオビアンコはロザキとアレキサンドリアを交配して誕生したぶどうで、出荷のピークは9月頃です。

ルビーロマン

ルビーロマンは、石川県オリジナルの品種で、果粒は巨峰の約2倍ものサイズになります。赤系のブドウとしては国内最大級の大きさを誇ります。市場には、8月下旬~9月中旬にかけて出回ります。

ちなみに、ルビーロマンは、最も高級なぶどうとして有名で、過去には一房に150万円という価格がついたこともあります。

クイーンニーナ

クイーンニーナは、安芸津20号と安芸クイーンを交配して誕生したぶどう品種です。2009年に登録されたばかりの非常に新しい品種ですので、まだまだ知名度は低いです。ただ、このぶどう品種は、大粒かつ糖度は21度と、強い甘みを持ったぶどうですので、甘いぶどうが好みの方には非常にオススメです。
9月下旬~10月上旬にかけて出回りますので、ネット通販などで探してみると良いでしょう。

瀬戸ジャイアンツ

瀬戸ジャイアンツは、大粒で薄皮の種なしブドウです。ちなみに、岡山県産の瀬戸ジャイアンツは、「桃太郎ぶどう」と言う名称で販売されているケースが多いです。

現状は、まだ生産地が少ないので、なかなか手に入らない希少なぶどうですが、基本的には9月末頃に出荷されます。

関連記事:瀬戸ジャイアンツの特徴!「桃太郎ぶどう」とも呼ばれる岡山県生まれの高級ぶどう

マスカットベリーA

マスカットベリーAは、濃紫色で大房型ぶどうで、生食用以外にも醸造用のぶどうとして広く出回っています。甘みが有りほどよい酸味もある濃厚な味わいで、種なしタイプは「ニューベリーA」の名で流通しています。8~10月の時期に出回ります。

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サンヴェルデ

サンヴェルデは、一つの果粒が平均14グラムというぶどうの中でも大粒品種なのが特徴です。黄緑色で弾力のある果粒ですが、薄皮なので皮ごと食べられ、歯ごたえも良いブドウです。

8月下旬~9月上旬に流通します。

翠峰(すいほう)

翠峰は、楕円形の白色ブドウで、ひとつひとつの果粒が大粒なのが特徴です。この品種は、渋みが少なく、スッキリとしたさわやかな甘さを持ちますので、多くの方に好まれる味なのではないでしょうか。

8月中旬から出回ります。

甲州

甲州は、江戸時代から流通していたと言われるほど、非常に長い歴史のあるぶどう品種です。日持ちが良い品種ですので、贈答用としても扱いやすいです。なお、ワインの原料としても活用されています。

9月下旬〜10月下旬に出回ります。

※長くなるので、今回はここまでにします。

まとめ

今回は、さまざまあるぶどう品種について、日本国内で流通する代表的なぶどうをご紹介しました。なお、ぶどうは、非常に多くの品種があるのが特徴で、日本国内だけでも60種類以上あるとされています。さらに、現在でも新しいぶどうの開発を行っている場所がありますので、今後さらにブドウの品種は増えていくことでしょう。

この記事でご紹介したぶどう品種以外のものについては、また別の機会にまとめてみたいと思います。