
日本で栽培される果物ごとのシェア率をご紹介
日本ではさまざまな果物が栽培されています。ただ、果物は、栽培に適した気候などがあるため、全国どこでも果物の栽培が可能なのかというとそうでもありません。
実際に、みかんやりんご、メロンなど、特定の果物が有名な場所はそれぞれ異なりますよね。そこでこの記事では、果物の豆知識として、日本人に人気の代表的な果物について、主にどこで栽培されているのかをまとめてみたいと思います。
果物の種類と生産量シェアランキングについて
日本ではさまざまな果物が栽培されていますが、最も収穫量が多い果物はみかんとなっています。(令和元年の農林水産省のデータ)次いで、リンゴ、日本梨、柿、ぶどうと続くのですが、令和元年では、みかんとリンゴの収穫量のみ70万トンを超えているなど、圧倒的な栽培量を誇っています。3位の日本梨から20万トンにまで減少するので、みかんとリンゴの収穫量が飛びぬけて多いことがよくわかります。
ここでは、日本国内で多く栽培されている果物の種類と、それぞれの生産量シェアをランキング形式でご紹介します。
みかん
令和元年度のデータでは、日本で最も多くの収穫量を誇っていたのがみかんです。みかんは、日本の冬に欠かせない果物の一つで、コタツとみかんの組み合わせは日本人に非常になじみ深いです。
それでは、みかんの生産量はどの地域が最も多いのでしょうか?和歌山や愛媛がみかんの生産地として有名ですが、ランキングで見てみると以下のようになります。なお、以下のランキングは農林水産省が公表している令和6年度の収穫量を参考にしています。
- 1位:和歌山県(25%)
- 2位:静岡県(16%)
- 3位:愛媛県(14%)
- 4位:熊本県(11%)
- 5位:佐賀県(5%)
みかんと言えば、和歌山と愛媛のイメージが非常に強いと思います。しかし実は、令和6年度の収穫量については、静岡県が第2位に位置しているのです。静岡はお茶の栽培が有名ですが、実は、みかんも全国有数の生産地なのです。
データ参照:農林水産省webサイト
りんご
りんごも、みかんと並んで、年間の収穫量が70万トンを超えるなど、圧倒的な生産量を誇る果物です。一般的に、「りんご=青森県」というイメージが強いと思いますが、その他の場所でも栽培されているのです。
りんごの生産量ランキングは以下の通りです。
- 1位:青森県(60%)
- 2位:長野県(18%)
- 3位:岩手県(6%)
皆さんのイメージ通り、りんごの生産量は圧倒的に青森県が多いです。なんと、国内で生産されるりんごの60%を占めていて、長野県と2県で8割のシェアを誇っているのです。
データ参照:農林水産省webサイト
日本梨
令和元年の果物収穫量ランキングで3位になったのが日本梨です。8月から10月頃が最盛期の果物で、多くの水分を含んでいることから夏場に食べる果物としては非常に適していると言えるでしょう。熱中症対策は、単に水分をとるだけでなく、他の栄養素も摂取しないといけないので、果物で対策をとることは非常に有効です。
それでは、国内で日本梨の生産量が多いのはどの都道府県なのでしょうか?
- 1位:千葉県(9.7%)
- 2位:茨城県(9%)
- 3位:栃木県(8.6%)
- 4位:福島県(7.7%)
- 5位:長野県(6.6%)
上記のように、日本梨は、とびぬけて生産量が多い地域というのはありません。千葉、茨城、栃木など、関東地方の一部で密集して栽培されているようですが、他にも、長野県や鳥取県などもなしの生産地として有名です。特に、鳥取県は、二十世紀梨の生産量が全国1位で、国内シェアの約48%を占めていることから、梨の一大生産地と考えている人も多いようです。
柿
柿は、個人宅の庭などにも植えられていることが多いなど、日本人にとっては非常に身近な果物の一つです。ただ、柿も他の果物同様に、農家さんが栽培していて、年間の収穫量ランキングでは日本梨に次いで4位に位置付けています。
それでは、どの地域で柿の栽培が盛んなのかも以下でご紹介します。
- 1位:和歌山県(約20%)
- 2位:奈良県(約14%)
- 3位:福岡県(8%)
- 4位:岐阜県(7.5%)
- 5位:愛知県(7%)
柿の生産は、和歌山県と奈良県が抜けて多いという結果になっています。この2県で国内で栽培されている柿の約35%が占められています。
ぶどう
夏から秋にかけてが旬のぶどうも、国内での生産量が上位に位置しています。ぶどうは、現在でも新たな品種がどんどん開発されていて、日本人の好みに合ったぶどうの品種が登場しています。2006年に品種登録されたシャインマスカットは、世界中でその美味しさが認められ、日本でも一時ブームのようになっていました。ただ昨今では、このシャインマスカットを親とした新たな品種も登場しているのです。
ぶどうの生産量が多いのは、以下のような地域です。
- 1位:山梨県(25%)
- 2位:長野県(19%)
- 3位:岡山県(9%)
- 4位:山形県(8%)
- 5位:北海道(5%)
ぶどうの生産地としては、山梨県と長野県が頭一つ抜けています。岡山県は、ぶどう以外にも桃の生産地として有名など、国内有数の果物生産地となっています。
データ参照:令和5年産日本なし、ぶどうの結果樹面積、収穫量及び出荷量
桃
桃は、さまざまな果物の中でも、特に高い人気を誇っています。「好きな果物ランキング」などのアンケートでは、常にトップ3以内にはランクインしているほど、日本人に愛されている果物といえます。
それでは、桃の生産量が多いのはどのエリアなのでしょうか?
- 1位:山梨県(31%)
- 2位:福島県(26%)
- 3位:長野県(9%)
- 4位:山形県(8%)
- 5位:和歌山県(7%)
桃の生産量は、山梨県と福島県が多く、2県で約6割を占めるという結果になっています。桃の生産県としては岡山県という印象を持っている方も多いのですが、実はTOP5にはランクインしていません。ただ、6位には岡山県が位置しているので、生産量としては多いです。
データ参照:令和5年産もも、すももの結果樹面積、収穫量及び出荷量
まとめ
今回は、日本国内で栽培されている代表的な果物について、果物ごとに生産量が多い地域をご紹介しました。
日本国内でも、果物の一大生産地として有名なのは、やはり山梨県と長野県でしょう。どちらの県も、多種多様な果物が栽培されていて、その地域独自の品種なども開発されています。現在では、インターネットの普及により、全国どこにいても旬の果物を産地から直送してもらうことができるようになっています。そこで今年は、生産されるエリアで、同じ果物でも味が変わるのかを食べ比べてみるのも良いのではないでしょうか!