田中ぶどう園の直販サイトで、2024年度新鮮ぶどうの受付を開始しました。 現在、予約受付中で、 2024年の発送は8月下旬(お盆過ぎ)からとなります。 お盆の時期に発送を希望の方はお電話などでお問い合わせください。農園直送の新鮮ぶどうの購入は、以下サイトからお願いします。
※2024年は、田中ぶどう園でのぶどう狩りは開催いたしません。
しまねスイートの特徴について。栽培が非常に難しく口にする機会が少ないぶどう品種
皆さんは、しまねスイートというぶどうを口にしたことはあるでしょうか?見た目はシャインマスカットによく似ているぶどうなのですが、しまねスイートは、酸味が少なくさっぱりとした甘さを持つ非常に美味しいぶどうです。ただ、シャインマスカットと違って、スーパーなどの店頭で見かける機会が非常に少ない珍しいぶどう品種で、その美味しさの割に食べた経験がある人は少ないイメージが強いです。
というのも、しまねスイートは、ぶどう農家泣かせの性質を持っており、栽培が非常に難しいぶどう品種の一つです。ちょっとでも手を抜くと、ぶどう特有の病気を発症したり、裂果が起きてしまい売り物にならなくなるのです。
この記事では、食べたくてもなかなか見かけることが難しい『しまねスイート』の特徴をご紹介します。
しまねスイートの特徴
しまねスイートは、その名称から分かるように、島根県で交配が始まったぶどう品種で、品種登録までの流れは、以下のように説明されています。
この品種は,昭和49年に島根県農業試験場浜田分場(浜田市)において,「マスカット・オブ・アレキサンドリア」に「リザマート」を交配し,その実生を同試験場(出雲市)へ移植,63年に選抜,以後,増殖を行いながら特性の調査を継続し,平成8年にその特性が安定していることを確認して育成を完了したものである。なお,出願時の名称は「サンライトグリーン」であった。
引用:web辞書
上で紹介しているように、しまねスイートは、欧州種のリザマートとマスカットオブアレキサンドリアを交配してつくられた純欧州種のぶどう品種です。両親とも、味が非常に良い事で有名なぶどう品種で、しまねスイートは、両親の良いところをしっかりと受け継いだ本当に美味なぶどうと言われています。
しまねスイートの見た目は、シャインマスカットに非常に良く似ており、ぶどうの粒の大きさも同等ぐらいです。色は、黄色味を帯びた緑色で、一粒はシャインマスカットと同等かやや小ぶりな15gほどです。そして、しまねスイートは、皮が薄いぶどうですので、そのまま食べることができます。皮ごと食べても違和感を感じることはほとんどないと言われています。
しまねスイートの味
シマネスイートは、酸味が少なく甘みがやや強いぶどうです。酸味が少ないことから、糖度がそこまで高く無くても、とても甘いぶどうに感じるという特徴があります。
ぶどうの甘さに関しては、リザマートを思わせるような濃厚な甘さを持っており、噛んだ時にはジューシーな水分が溢れてくるぶどうです。なお、肉質はやや硬いです。しまねスイートの収穫期は、8月中旬から下旬と、平均的なぶどうの旬に出盛り期を迎えます。
しまねスイートが珍しい理由
しまねスイートは、上で紹介したように、味に定評がある両親の良いところをうまく引き継いでいることから『大粒で果皮ごと食べられる最高級品種』とも評されるほどのぶどうです。ただ、非常に高い評価の割に、食べたことがある人はかなり少ないように思えます。というのも、しまねスイートはまだ栽培しているぶどう農園が少ないことから、一般市場にあまり出回らない幻のぶどうになっているのが要因です。
「美味しいぶどうなのに、何でもっと作らないの?」と疑問に感じる方が多いかもしれませんが、実はしまねスイートは他のぶどう品種と比較しても、栽培が難しいという事情があるのです。例えば、数あるぶどう品種の中でも病気に弱いという特徴を持っています。そもそも、しまねスイートの親である「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と「リザマート」が病気に弱い品種です。これもあって、しまねスイートは、両親ほどではないものの、病気に弱く栽培が難しい傾向にあります。特に、黒とう病という病気にかかりやすいぶどう品種と言われています。
さらに、シマネスイートは、実に対しての病気が多い傾向にあります。皆さんもご存知の通り、ぶどうを育てる時には、袋掛けをする時期があります。そしてしまねスイートは、袋かけをする前に、しっかりと農薬散布をしなければ、袋の中の湿気によって病気を発症してしまうものが出るのです。袋かけをしているので、収穫期まで病気自体に気付きにくく、収穫しようと思ったら既に手遅れになっていた…なんてことも多いぶどうです。
この他にも、肥料や水の管理が非常に難しい点も、しまねスイートの栽培に手を出さない農家が多い要因でもあります。しまねスイートは、裂果が起き易いという特徴を持っていて、同じように裂果が起きやすいとされる「瀬戸ジャイアンツ」よりもさらに顕著です。
例えば、ぶどうの育成中、根元に余分な雨水が侵入するだけで、ほぼ確実に裂果を起こしてしまうなど、水の管理に非常に手間がかかる品種なのです。
このように、しまねスイートは、病気や裂果を起こさないための日々の管理にかなりの手間がかかることから、栽培している農家がまだ少なく、手に入れることが非常に難しいのが現状です。
しまねスイートを食べてみたいなら田中ぶどう園へ
今回は、皮ごと食べられるぶどうとして、今後さらなる人気を獲得できると予想されるしまねスイートについてご紹介しました。しまねスイートは、両親であるリザマートとマスカットオブアレキサンドリアの良いところを受け継いだ非常に美味なぶどうです。酸味が少なく上品な甘さを持つこのぶどうは、一度食べたらまた絶対に食べたくなるもので、田中ぶどう園でもリピーターが非常に多いぶどう品種です。
ただ、現状では、しまねスイートを栽培するぶどう農園はかなり少ないのが実情で、購入したくても近くのスーパーなどで手に入れることはほぼ不可能だと考えておいた方が良いでしょう。現在、しまねスイートを確実に手に入れる方法となると、青果を専門とした通販サイトが最も手っ取り早いです。田中ぶどう園でも、しまねスイートの旬の時期になると、通販サイトもしくは直売所などで販売しますので、8月中旬以降に確認してみてください。
なお、しまねスイートは、他のぶどう品種と比較すると、希少価値が高い分、かなり高額で取引されます。田中ぶどう園で取り扱うぶどう品種の中でも、最高級のぶどうですので、ぜひ一度は口にしてみてはいかがでしょう。