今回は、夏の果物の王様とも言えるスイカについて、実はあまり知られていないスイカと食べ合わせが良くないとされている物について解説します。

スイカに限りませんが、日本人にとって果物は「食後のデザート」と言った扱いで、夕食後すぐに果物が出される、もしくは夕食と一緒に果物が並ぶなんてご家庭が多いと思います。さまざまな面で便利になった現在では、果物はおやつとして提供されるケースは少なく、食後のデザートという役割りになっているご家庭が多いのではないでしょうか?お子様からしても、お菓子の種類がたくさんある現在では、おやつの時間に果物を出されるよりは、ジャンクフード的なお菓子の方が喜んで食べると思います。

スイカは、夏を代表する果物の一つで、夏場は食後にスイカが出てくる家は非常に多いと思います。ただ、さっぱりとしたさわやかな味で食後でも食べやすいスイカは、夕食に出てくる食べ物との食べ合わせがあまり良くないという事実を知らない人が多いのではないでしょうか?気温が高くなる夏は、体力をつけるために唐揚げやとんかつなど、揚げ物が食卓に並ぶことが多いと思いますが、実はこれらの食べ物とスイカの食べ合わせが良くないとされているのです。
そこでこの記事では、これからすぐにやってくるスイカの季節に向け、皆さんが知っておきたいスイカと食べ合わせが悪い物をご紹介します。

スイカは意外に食べ合わせが悪いものが多い

スイカは、それ単体の食材で見ると、含まれている栄養素も多く、皮の部分なども調理の仕方次第では食べることができるなど、非常に優れた食べ物と言えます。特に、猛暑化が進んでいる現在の日本の夏を考えると、水分補給をしながらさまざまな栄養も補給できるなど、まさに日本の夏の果物としてはうってつけと言える食材です。

ただ、スイカの果肉部分については、その約90%を水分が占めていると言われる食材で、こういったスイカの特徴からどうしても食べ合わせが悪くなってしまう食品があるのです。

もちろん、普通の量を食べている分には、身体に不調をきたすようなことはほとんどないので、そこまで気にする必要はありません。ただ、人間の身体は、胃の中に水分が多くある状態になると、胃液が薄まってしまい、消化能力が下がってしまうという問題があり、果肉の90%が水分となるスイカを食べ過ぎてしまうと、消化機能が弱くなることでさまざまな問題を引き起こす可能性があるわけです。

ここまでの内容でスイカと食べ合わせが悪い物はある程度想定できた方もいると思います。スイカは、胃の中の水分を増やしてしまうことから、一般的に消化しにくいとされる食べ物は、食べ合わせが悪いとされています。詳細は後述しますが、唐揚げやとんかつなどの揚げ物類は、スイカとの食べ合わせが悪いとされています。
また注意しておきたいのは、スイカ自身に利尿作用があることから、利尿作用を持つ飲み物もスイカと組み合わせるのは良くないとされています。夏場は、スイカにビールなんて楽しみ方をする方がいますが、実はこの組み合わせも良くないとされているのです。

それでは次項で、スイカと食べ合わせが悪いとされている具体的な食べ物や飲み物について、なぜ良くないとされるのかを解説します。

スイカと食べ合わせが悪い物

それではここから、スイカと食べ合わせが良くないとされている食品を具体的にご紹介します。これから夏に向けて、スイカを食べる機会は増えていくと思いますので、以下の食べ合わせに注意しましょう。

唐揚げやとんかつなどの揚げ物

気温が上がる時期になると、夏バテを防止する目的などで、唐揚げやとんかつなどの揚げ物を好んで食べるという方は多いかもしれません。しかし実は、相性の悪さを表す際に「水と油」という言葉が用いられるように、水分の多いスイカと油で揚げた揚げ物は食べ合わせが良くないとされているのです。

なぜスイカと揚げ物の食べ合わせが良くないかというと、人の消化器官には限界があり、油の多い食べ物とそうでないものであれば、後者の方が消化しやすいとされています。揚げ物など、油の多い食べ物は、普通の食材と比較すると、消化器官の負担が大きくなるとされます。上述したように、胃の中の水分が多くなると、食べ物を消化するための胃液が薄れてしまい、さらに消化に時間がかかるようになります。つまり、揚げ物をたくさん食べた後に、スイカを食べると、消化機能の落ちた胃で消化しなければならなくなることから、胃への負担が非常に大きくなってしまうのです。普段、胃もたれなどあまりしない人でも、揚げ物とスイカを一緒に食べた時には、胃もたれする可能性があるでしょう。

さらに、スイカは身体の熱を逃がす効果を持つという点でも、人の消化能力を下げるという効果を持っています。人は、お腹が冷えてしまうと、内蔵の動きが鈍くなって消化能力が下がると言われています。スイカを食べると、まさにそれに近い状態になるため、消化能力がさらに低下してしまうのです。

こういったことから、たくさんの揚げ物を食べた後に、スイカをデザートとして食べた場合、消化不良などで腹痛や下痢を引き起こす可能性があるとされます。

ビールやコーヒーなど、利尿作用のある飲み物

スイカは、ビールやコーヒーなど、利尿作用のある飲み物との食べ合わせに注意しましょう。スイカは夏の果物なので、「スイカ×ビール」という組み合わせは非常によく見かけます。しかし実は、スイカとビールは、お互いに利尿作用のある成分を含んでいますので、注意が必要なのです。

スイカとビールの組み合わせは、真夏のバーベキューではよく見かける組み合わせです。ビールは飲み物ですし、スイカは多くの水分が含まれていることから、夏のバーベキューでは「水分補給にちょうど良い!」と考えてしまう方もいるかもしれませんね。しかし、この考えは大きな間違いで、「スイカ×ビール」の組み合わせは脱水症状を招く危険性があるとされるのです。

実は、ビールには「抗利尿ホルモン」の分泌を抑えるアルコールが含まれています。そしてスイカは、カリウムという利尿作用のある成分が多く含まれています。ビールもスイカも、大量の水分を含んでいますので、この二つを同時に摂取すると、体はより多くの水分を尿として排出しようとするのです。そして、取り込んだ以上の水分を尿として排出することで、脱水症状になる危険性があるとされるのです。

ちなみに、コーヒーに含まれるカフェインも利尿作用を持つ成分なので、スイカと一緒に飲まない方が良いです。「スイカ×コーヒー」という組み合わせはあまり見かけませんが、カフェインが含まれる飲み物は意外に多いので、それらすべてに注意が必要です。

まとめ

今回は、日本の夏を代表する果物であるスイカについて、スイカとの食べ合わせが悪い食品について解説しました。

スイカは、その約90%が水分と言われているなど、水分補給には非常に適した果物です。そのため、大量の汗をかく夏場に食べる果物としては、脱水症状や熱中症予防に最適と考えられます。しかし、大量の水分を含む、身体の熱を逃がす効果を持つと言われるスイカは、人間の消化機能を低下させる可能性がある点には注意が必要です。もちろん、常識的な範囲内の量を食べるだけであれば、問題になるようなことはありませんが、人が消化しづらい油物を大量に食べた後、スイカもたくさん食べる…なんてことをすると、消化不良を起こして腹痛や下痢になってしまう可能性があります。

この他にも、ビールやカフェインが含まれる飲み物など、利尿作用のある飲み物とスイカを一緒に食べると、体内に取り込んだ以上の水分を尿として排出してしまい、脱水症状になってしまう可能性があります。夏のバーベキューなどでは、スイカとビールが並ぶケースが多いですが、どちらも利尿作用があるという点に注意しましょう。