田中ぶどう園の直販サイトで、2024年度新鮮ぶどうの受付を開始しました。 現在、予約受付中で、 2024年の発送は8月下旬(お盆過ぎ)からとなります。 お盆の時期に発送を希望の方はお電話などでお問い合わせください。農園直送の新鮮ぶどうの購入は、以下サイトからお願いします。
※2024年は、田中ぶどう園でのぶどう狩りは開催いたしません。
ぶどうの疑問にお答え!シャインマスカットと普通のマスカットは何が違う?
近年、フルーツ関連の贈答品の中でも特に高い人気を誇るのがシャインマスカットです。田中ぶどう園でも、シャインマスカットを栽培しているのですが、シャインマスカットの出盛り期になると、通販サイトや直売所で圧倒的な人気になるのがこの品種です。
それでは皆さんは、昔からスーパーなどでも見かける機会が多かった普通のマスカットと、ここ数年、急激に人気が上昇しているシャインマスカットの違いは分かるでしょうか?シャインマスカットと昔ながらのマスカットは、色合いや粒の大きさが良く似ていることから、「マスカットの中でも美味しいものがシャインマスカット呼ばれている!」なんて勘違いをしている方も多いようです。
そこでこの記事では、さまざまな品種がある中、日本国内で非常に高い人気を誇るようになったシャインマスカットと普通のマスカットの違いをご紹介します。
シャインマスカットと普通のマスカットの違いについて
それでは、シャインマスカットと普通のマスカットの違いについてご紹介します。そもそも、ぶどうは大きく分けるとヨーロッパ系のぶどうとアメリカ系のぶどうに分類することができます。そして、マスカットは、ヨーロッパ系のぶどうに分類されています。
マスカットという名称の由来は、「麝香(ムスク)」から来ていると言われており、この言葉は香りの強さやすばらしさを意味しています、なお、マスカットにもいろいろな種類があります。多くの方は、黄緑色の皮を持つ「白ぶどう」全般がマスカットと称されると考えていますが、これは間違いで、マスカットの中には紫色の皮を持つものも存在します。マスカットの分類は、皮の色をもって行っているのではなく、香りの種類が重要とされています。なお、マスカットの中でも特に最高級の品種とされているのが「マスカット・オブ・アレキサンドリア」で、アレキサンドリアは果物の女王様とも呼ばれています。
シャインマスカットは日本生まれ
詳しくは、シャインマスカットの特徴をご紹介した別記事で解説していますが、シャインマスカットは日本生まれのまだ新しい品種です。この品種は、2006年に品種登録されたばかりのぶどうで、「安芸津21号」と「白南」を交配して生まれました。
親である安芸津21号はアメリカ系の「スチューベン」とヨーロッパ系の「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を交配して生まれた品種ですので、マスカットという名前が入っているのにアメリカ系ぶどうの血も混じっています。シャインマスカットは、ヨーロッパ系とアメリカ系のハイブリット品種の上、日本で生まれた複雑な経路を持つ品種です。
なお、日本で開発されるぶどうの多くは、アメリカ系の血が入っています。これは、ヨーロッパ系のぶどうは、病害に弱く、実が裂けやすいという性質があるので、雨が多い日本での栽培が非常に難しいというのが理由です。アメリカ系のぶどうは、病害に強いという性質を持っていますので、この特徴をうまく引き継がせるため、ハイブリット品種を作り、日本でも栽培しやすくするという工夫がなされているのです。
マスカットは、ヨーロッパ生まれであることを1つの条件としていますので、日本生まれのシャインマスカットをマスカットに分類しても良いのかは定かではありません。ただ、マスカット特有の香りは強く受け継いでいますのでその点は、マスカットに分類しても良いのではないかと思います。
シャインマスカットは種が無く、皮ごと食べられる
シャインマスカットの大きな特徴は、種無しで表面の皮が薄いので、皮ごとそのまま食べられる点です。最近は、皮ごと食べられる品種が増えていますが、その走りになったのがシャインマスカットなのではないかと思います。シャインマスカットの皮は、果肉に密着しているため、非常に剥きにくいのですが、皮ごと食べると、独特のパリッとした食感を楽しむことができます。
一方、普通のマスカットはというと、種が入っていて、皮が分厚いので、シャインマスカットと比較すると若干食べにくいという弱点があります。ぶどうは、ジベレリン処理による「種無しにする処理」を行うことでシャインマスカットのように種を気にせずそのまま食べられるぶどうに仕上がります。しかし、普通のマスカットは、この処理を行うことにより香りが損なわれてしまうことから、種が残った状態で生育されるのです。
シャインマスカットは貯蔵性が高い
シャインマスカットは、普通のマスカットと比較すると、実の締まりが良いので日持ちがしやすいという特徴があります。そのため、近年では、贈答品市場でシャインマスカットの人気が年々高くなっていて、田中ぶどう園でも贈答用のシャインマスカットはナンバーワンの人気を誇ります。
なお、シャインマスカットの一般的な旬は、8月上旬から9月いっぱいです。ただ、最近ではハウス栽培でシャインマスカットを作っている農園が増えていることから、早いもので5月頃から手に入れることができるようになっています。さらに、12月頃まで出荷できる体制を作っている場所もあるので、ほぼ1年を通して楽しめるようになっています。
シャインマスカットが高級な理由について
シャインマスカットは、さまざまな品種の中でも高級品に分類されます。贈答用の品質の良いシャインマスカットであれば、一房で5000円を超えるような価格で販売されているのをよく見かけるでしょう。
それでは、他のぶどうと比較して、シャインマスカットにこれほどの高値がつけられるのはなぜなのでしょうか?
非常に香り高いから
一つ目の理由は、非常に香り高いぶどうに仕上がっている点です。シャインマスカットは、マスカットの頂点と言われる「マスカット・オブ・アレキサンドリア」以上の香りを持つとされています。マスカット・オブ・アレキサンドリアは、果物の女王様とも呼ばれるほど上品な香りを持っている高貴なフルーツとして有名です。
そしてシャインマスカットは、マスカット・オブ・アレキサンドリアの血を引いているうえ、さらに濃厚なマスカット香を持っているのです。また、高い糖度も持っていますので、優れた香りと食味から高級ぶどうの地位を獲得しています。
単純に人気で栽培に手間がかかるから
シャインマスカットが高値で取引されるのは、単純に人気が非常に高いからというのも理由です。上述したように、シャインマスカットは、種無しで皮ごと食べられるので、その食べやすさも人気の理由です。
ただ、ぶどうの種なし処理は、1房ずつジベレリン処理をしなくてはならないため、種が残っているぶどうと比較すると、どうしても育成に手間がかかります。つまり、人気を獲得できている理由ではあるのですが、栽培に手間がかかるので価格の高騰につながっています。
希少性が高いから
シャインマスカットは、2006年に品種登録されたばかりのまだ新しい品種です。つまり、巨峰など、歴史のある品種と比較すると生産量がまだ少なく、希少性が高いわけです。
近年、シャインマスカットの人気が非常に高いことから、年々生産面積は増えていっていますので、もうしばらくすると価格は下がっていくと予想されます。ただ、デラウェアなどの大衆ぶどうと比較すれば、それでも十分に高級ぶどうに分類されると思います。
ちなみに、シャインマスカットをできるだけ安く手に入れたいのであれば、出盛り期である8月上旬から9月に購入するのがオススメです。
マスカット
今回は、シャインマスカットと普通のマスカットの違いについて解説しました。なお、マスカットにもいろいろな種類があるのですが、単に「マスカット」と呼ばれるときには、基本的にマスカット・オブ・アレキサンドリアを指していると考えて間違いありません。
シャインマスカットは、このマスカット・オブ・アレキサンドリアの血を受け継いでいますので、名称通りマスカットと非常に関係の深い品種と言えます。ただ、マスカットは、ヨーロッパ系のぶどうであることが一つの条件とみなされるので、この点を考えると厳密にはマスカットに分類することはできないかもしれませんね。
どちらにせよ、さまざまなぶどう品種がある中でも、非常に美味で強いマスカット香を持つぶどうですので、ぜひ一度シャインマスカットを口にしてみてほしいです。